見出し画像

①〜さくらももこ氏〜         「ものかき」の概念を変えてくれた人

さくらももこ氏の作品との出会い

小学生だった私は、少女漫画雑誌「りぼん」「なかよし」をかかさず読んでおり、特に「りぼん」に掲載されていた「ちびまる子ちゃん」はつい「あ~、あるある。」と言ってしまう身近なネタと、絵が比較的簡単なこともあり、おなじみのジャポニカ学習帳に主人公「まる子」の似顔絵をしょっちゅう落書きしていた。
そんな「ちびまる子ちゃん」がアニメ化されると、またたく間に社会現象となり、主題歌も大ヒットした。
ちょうど同時期に筆者さくらももこ氏が発表したのが、エッセイ「もものかんづめ」である。

幼いころ読書と言えば、徳川家康やヘレンケラーのような「伝記」であったり、不思議の国のアリスのような「小説」が当たり前だと思っていた私は衝撃を受けた。

なんなんだ!この本は!!

驚きの内容とは

冒頭から「水虫治療」の話である。さくらももこ氏は当時20代の女性であり、自身の水虫治療ネタを投下することは、当時中学生の私から見るとどうしたものかと動揺した。
他、祖父が亡くなった際に遺体を見て笑い転げたり、全く効果が無かった「睡眠学習枕」をつい購入した話などありえないと思ったが、よくよく考えるとありえなくないのである。

「もものかんづめ」から学んだこと

普段の生活のなかにある「ブラックジョーク」をストレートに表現しつつ、最後にオチをつけクスっと終わらせる文章は、ひょうきんなクラスメートが書けるレベルではない。
真面目な文章を考える方がよっぽど簡単である。
学生時代、国語の教科書に出てくる品行方正な文章が当たり前だと教わっていたが、そうとも限らないことを気づかせてくれた。しかしそれは簡単ではない。

さくらももこ氏のその後

あまりにも有名人なので書くまでもないが、「もものかんづめ」は200万部を超える大ベストセラーとなり、その後「さるのこしかけ」「たいのおかしら」と作品を発表し、こちらもベストセラーとなった。
2018年に53歳の若さで死去するも「ちびまる子ちゃん」は現在もアニメ放送されており、エッセイも単行本として再発売している。

まとめ

さくらももこ氏は、身近でおもしろい漫画家さんだと思っていたが、実際はエッセイ、作詞、脚本など手掛けるマルチクリエイターである。
昔の「ものかき」人は小説家や記者など、専門的で気難しいという職人のイメージが強かったが、現在は特定のジャンルだけではなく多方面に活躍している方が多い。また、文章における表現方法も様々であり、これが正解というものがない。
中学生の私に「ものかき」の概念を180度変えてくれたのがさくらももこ氏である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?