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③~なかだえり氏~             私の理想である旅をしながら「ものかき」する人。

旅の思い出を残すのは難しい。

いきなりだが私は旅行が好きだ。たくさん旅行ができるだろうという安直な考えから卒業後、旅行代理店に就職した。期待に胸を膨らませ仕事についたが、光の速さで打ち砕かれた。残業地獄で旅行どころではなかった。
結局、体調を崩し退職した。
夢破れて退職はしたが、旅行好きは変わらず、特に20代は国内、海外気ままに巡った。
そんなある日、自分自身がいつどこへ旅行をしたのか全く記録していないことに気が付いた。当時スマートフォンは無く、写真もほとんど残していない、あるのは当てにならない自分の記憶のみだ。
やってしまったと後悔した矢先、本屋さんで偶然出会った本に惹かれてしまった。

「大人女子よくばり週末旅手帳」の著者、なかだえり氏。

この本は、なかだ氏が実際訪れた観光地をイラストと文章でまとめた旅エッセイだ。「るるぶ」などのメジャーなガイドブックには掲載されていないであろう飲食店、銭湯などを自身のイラストと60~70文字程度の文章でまとめており、写真は一切使用していない。
特に印象的なのが建築物の紹介である。建築学科卒の筆者がレンガや建築様式に注目し、イラストとともに説明している。
私にとって理想の旅行記である。

本業はライターではなくイラストレーター

なかだえり氏は大学の建築学科を卒業し、フリーランスで本の挿絵などイラストレーターとして活動をはじめた。
東京でアトリエを構え、水彩画教室、個展を開くなど活動をする傍ら、住宅店舗を建築設計するなど幅広く活躍している。
また、旅行好きであることから「駅弁女子~日本全国旅して食べて」や「東京さんぽるぽ」など旅エッセイを出版している。

まとめ

旅の思い出を綴るにあたり、文章やイラストのみで表現するのはとても難しい。
イラストを説明するための文章、文章を視覚的に表現するためのイラストとそれぞれが必要であり、相互関係にあると個人的には感じている。
イラストだけではなく、写真も同様だ。
また、文章が長すぎるとだれてしまうし、短くても伝わるものがなければ心に響かない、バランスも重要だと感じた。

課題がライター紹介だったにもかかわらず、イラストレーターを紹介するという禁じ手を犯してしまった。浅見光彦のように事件に巻き込まれたくないが、旅をしながら文章を書く人に何となく憧れており、このような形になった。ネタ切れだとは口が裂けても言えない。

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