水瀬葉月『ダークエルフの森となれ 現代転生戦争』をお薦めしてみる。
します。
①「ダークエルフの森となれ」の概要
2020年〜2022年、電撃文庫から刊行されていた、完結済みのライトノベル(全4巻)。
↓あらすじ(電撃文庫HPより)↓
何が何のことやら……と困惑するかもしれないけど、それは杞憂に終わる。あくまでも本筋は、「自分の「好き」へ嘘を吐く生活に限界を迎えた主人公が、ダークエルフとイチャイチャしながら、彼女の種族の復活をかけたバトルロイヤルへ参加する話」。
この時点での詰め込み感はかなりあるけど、読む頃にはキャラクター達の足掻きに目も心も奪われています。
なので。
お手数だけれど、リンクから試し読みを開き、2回ほどページをめくってみてください。
きっと、目を奪われるはず。
②色々あふれるキャラクター(1巻分)
めっちゃ面白いライトノベルには、めっちゃ良いキャラが出ている。この作品でもそうだ。
朝倉練介
主人公。画像の左側のイケメン。
ロボを乗りこなして輝獣というバケモンをぶっ飛ばす学生騎士。
皆に好かれている優等生。
だが、それは全て演技によるもの。
本当はエログロとか悪趣味とか、人に気持ち悪がられる物ばかりが好き。だけど、家族にもクラスメイトにも隠し続けていた。
しかしそんな生活に限界が来て、ぶっ倒れそうになったところ、ダークエルフのシーナと出会い、惚れてしまった。
個人的には、彼の登場の部分で「くだらねえ悩みだなあ〜〜〜」と笑った。だって笑うでしょ。「Twitterとか掲示板とか、そういう認められるところへ行けば?」と。
この時代そんなもんでしょう。家族やクラスなんて狭い場所には見切りつけて、「『好き』が認められる場所」を見つければ良い。
そんなの、誰だってやってるだろ、と。
けれど、苦しみの核は……というのも物語の軸になってくるので、気になれば是非是非。
シーナ
ヒロイン。練介の主人。そして、異世界から現代へ転生してきたギャル風ダークエルフ。
練介と過ごす現代の生活に目を輝かせながらも、戦闘ではきっちり彼を引っ張る姉御肌。
戦法は容赦なく、ダーティファイトを積極的にやっていく。
……とか言われると「実は甘いんでしょ?」と思われるかもしれないけど、本当に敵対者に対しては冷徹。オタクに優しいギャルと残虐ファイターの両面を兼ね備えたダークエルフがメインヒロイン。そんなラノベです。
枇杷谷唯夏
ショートカットの委員長。冷淡、毒舌、暇さえあればテトリスと、属性を詰め込んだようなキャラクター。ネタバレを含むとまだ隠し持っている。
○○○○とか1巻終盤の「○○○○○」とか3巻の「○○○○○○○○○○」とかとかあるのです。
実のところ、語っていない部分からが本領になるので、こればかりは本当に読んで知ってほしい。そんで沼に堕ちよう。
このほかにも魅力あるキャラクターは続々出て来る。2巻からはさらにブレーキぶっ壊れてエンジン改造した勢いで痛切な愚者が飛んでくるので是非!
③血沸き肉が吹き飛ぶバトルロイヤル!
タイトルにもある「現代転生戦争」。これは、「現代転生してきた異世界の魔術種(ダークエルフとかゴブリンとかスライムとか)による、種族の復活を賭けた闘い」です。
彼らは、その種族の最後の一体。もとの世界から居場所を失くし、神と名乗る上位者から現代での戦争にスカウトされた存在。
だから、自分の居場所を得、もしくは取り戻すため、異種同類と殺し合う。
それは、とっくに終わっていた弱い者達による、再度の生をかけた黙示録。
自己中心を極めた彼らの戦いは、どこまでも強欲です。いっそ爽やかに思えてくるほど陰惨だ。
しかしあまりな切実さで、願いを叫んで荒れ狂う。
はぐれものが居場所を望み、叶わず、時には望んでいる物との距離にも気付けず、惨たらしく終わっていく。
そのクソッタレな泥沼のなかで、練介とシーナはなにを取りこぼし、掴むのか。
読んで後悔はきっとしません。
④エロ
シーナも枇杷谷も練介も○○もエロいです。挿絵も極まって最高だよ。いいね。
面白いので読んでください。全4巻にバディものと残酷とグロとエロと陰惨と破滅百合と姉弟がギッチギチに詰め込まれているからとても得ですよ!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?