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BEST NGC天体 追加と観望

1.透明度確認の指標 Abell 33

 うみへび座イオタ星のすぐ南にある、かわいい円形の星雲。冬場によく見えた印象だったのでリストに加えたのが、春になったら あまりよく見えない印象。確かに湿気の多い夜や、日中に強風で土埃が上空に舞っているなど透明度が悪いとほとんど見えないことは確認した。だけど、やはり見えにくいのだろうか?
 いつもの15秒露出と、30秒露出で比べてみた。やはり30秒だとハッキリよく見える。これは「BEST NGC天体リスト」には残しておこう。

Abell 33、15秒(左)と30秒(右)

2.大きいけど暗い NGC3109

NGC3109

 ステラリウムでは10.7等の大きい銀河と表示されるけど、実際に見てみると、ずいぶんと暗い。南中高度が低いせいではないようだ。

3.やはり小さくて暗い NGC3100

NGC3100  

 緯度の高い青森県からでは、南中高度の低いポンプ座の天体は観望の対象外なのかもしれない。
 その中でも赤緯の高い NGC3100。やはり小さくて、暗かった。右上は NGC3095。

4.コップ座の NGC3672

NGC3672

 コップ座の北側にある NGC3672 銀河。そこそこ明るいけど、小さい。コップ座は星座の星が明るくないので、わざわざ苦労して手動導入してまで見たい天体ではない。

5.おとめ座銀河団 NGC5077

おとめ座銀河団 NGC5077

 スピカのすぐ右下に位置する NGC5077。おとめ座銀河団。それなりに銀河が集まっているけど、大きい銀河が無いので、リストからは除外。

6.おとめ座銀河団 NGC4760

おとめ座銀河団 NGC4760

 スピカのやや西方にある、おとめ座銀河団の一角。画像中央の NGC4760 の北側にNGC番号の無い小さい銀河が集まっている。右の8.5等星の左下に NGC4742。画像の左側に NGC4781。左上隅に NGC4790。

7.おとめ座の足下の銀河 NGC5426/27

NGC5426-5427

 おとめ座の足下に位置する NGC5426(下)と NGC5427(上)。そこそこに明るい。
 オリオン大星雲と同じく、静止衛星銀河に位置するのでしょう、人工衛星の移動が遅いので、諦めてスタック(苦笑)。

8.おとめ座の足下の銀河 NGC5566

NGC5566

Arp 286の番号のある、衝突銀河。右上の NGC5560 と衝突して生じた塊が NGC5566 の左上にあって、NGC5569 の番号が付いている。

9.おとめ座~かみのけ座銀河団の中の NGC4651

NGC4651

 おとめ座~かみのけ座の銀河団には銀河がたくさんあり、メシエ天体周辺の画像はよく見かけるけど、周辺の銀河はデータが少なく。なので、実際に見てみるしかない。コレはイマイチだった例。

10.おとめ座~かみのけ座銀河団の中の NGC4450

NGC4450

 これは比較的明るいけど、他に明るくおもしろい銀河がたくさんあると、わざわざ見るほどでもない、かな?

11.箸休め M53 球状星団

M53 球状星団

 おとめ座~かみのけ座は銀河だらけなので、時々は違う天体を観望して箸休めしたい。これはかみのけ座アルファ星近くの M53 球状星団。そこそこの密集度と、分離して見える恒星が周辺まで散っていて、見た目がイイ。

12.かみのけ座 M64 黒眼銀河

M64 黒眼銀河

 銀河だらけのかみのけ座で、銀河でも箸休めしたい時には、特徴のある M64 黒眼銀河がイイ。

13.さそり座 M4 球状星団

M4 球状星団

 そうこうしていると、さそり座が見られるようになってきた。さそり座~いて座には、未確認の「BEST NGC天体」候補がいくつかある。それらを確認する前に、せっかく南空が開けた場所に来ているので、南空の天体観望。
 さそり座といったら、まずはアンタレス横の M4 球状星団。特徴的な南北の線状の星の並び。明るい星団でファインダーでハッキリ分るのは、手動導入では気持ちがイイ。

13.へびつかい座 Barnard 72「S字状暗黒星雲」

「S字状暗黒星雲」

 肉眼での天体観望では、暗黒星雲は対象外。しかし天体撮影に近い電視観望では、赤い散光星雲の他に、目立つ暗黒星雲も観望対象になります。
 暗黒星雲といえば、へびつかい座の「S字状暗黒星雲」。fl=800mmでちょうど良い画角です。

14.へびつかい座 IC4665 散開星団

IC4665 散開星団(2枚パノラマ)

 へびつかいの肩に位置する大きな散開星団 IC4665。かに座 M44 プレセペ星団とほぼ同じ拡がり。1400光年の距離にあるというけど、どの星が属しているのか、天の川に近いため、いろんな距離の星が、明るく、暗く、見えています。
 M44 プレセペ星団は、主な明るい星だけで画角を決められるけど、この星団を明るい星だけで構図を作ると下のような感じ。ウ~~ン、イマイチ?

IC4665 中心部

15.さそり座 NGC6281 散開星団

NGC6281

 さそり座の尻尾に位置する NGC6281 散開星団。”すもうとりぼし” の和名を持つ さそり座ミュー星の東にあります。
 まだ低空のため、視野に電線が入り込んでます。夏になって高度が高くなるのが楽しみです。

16.オレンジ色の「虫星雲」NGC6302 惑星状星雲

NGC6302「バタフライ星雲」

 「バタフライ(蝶々)星雲」の愛称を持つ、オレンジ色の惑星状星雲 NGC6302。「Bug(虫)星雲」の異名もあり、そっちの印象、です。
 周囲に明るい星がほとんど無いので、構図決めが難しい。普段は 0.5秒露出で見える恒星を使って構図を決めるけど、ここは2秒露出でゆっくりと構図を決めた。
 この焦点距離では小さい惑星状星雲だけど、オレンジ色をした星雲は珍しいので、「BEST NGC天体リスト」には必須の天体です。

17.出目金星雲 NGC6334

「出目金星雲」NGC6334

 「バグ星雲」の左上(北東)に位置する「出目金星雲」NGC6334。「猫の手星雲」の名もあり、個人的には「猫の肉球星雲」と呼びたい。
 真っ赤な星雲なので、天体導入時には恒星しか見えず、星雲は全く見えない。15秒露出して初めてこの姿が見えてくる。まさに電視観望 さまさま、な天体です。

18.ロブスター星雲 NGC6357

「ロブスター星雲」NGC6357

 「出目金星雲」の左上(北東)に位置する「ロブスター星雲」NGC6357。こちらも天体導入時は星雲は全く見えず、星図と照らして、恒星だけで構図を決めて電視観望して初めて星雲が見えてくる。
 画像中央やや右の星雲の明るい部分が星形成領域で、そこから照射される紫外線などで星雲全体が励起されて光っている。

19.さそりの針の先にある球状星団 NGC6441

NGC6441 球状星団

 さそり座の星座線の東端の3等星のすぐ東に位置する球状星団 NGC6441。高度が低いため、ボンヤリとした光の塊にしか見えない。まぁ、明るい星の近くにあって、そこそこ明るいので。

20.さそり座 M7 散開星団

M7散開星団(6枚パノラマ)

 さそり座の針の先にある、大きな散開星団 M7。その大きさから知られているみたいだけど、青森県からだと南中高度が低く、望遠鏡で肉眼で見ても、そんなに魅力的には思えない。
 中心部は1枚に収まるけど、電視観望では背景の天の川の星がたくさん写って、やはり魅力的には思えない。パノラマにして周辺まで撮ってみても、ウ~~ン だなぁ。

M7 散開星団(中央部)

 以上が、20~24時までの、ゆっくり電視観望の記録、でした。













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