(詩)爪先で歩く


夕日が目の前で落ちて地球が丸くなる、この中で
僕は僕の旅路を終わらせようとした
苦しむ人の声に耳を傾けながら
聞こえないフリして、曖昧に微笑んだ

まだら模様の空に飛んでいく蝙蝠
胸がギュッと狭くなり
思わずその場にうずくまったよ

耐え忍んでいれば、辛い事は過ぎていくって聞いていたけど
いつ過ぎるんだろう
いつ消えるんだろう
がむしゃらに進みすぎたこの身は
跡形もないほどにボロボロだった

探していたよ、君のこと
一人でずっと頑張ってたんだね
君の痛みは君だけのものだから、一緒に抱えてあげられなくてごめん
でも、君の肩は支えることができるよ
一緒に帰ろう、おうちに帰ろう
随分と迷いすぎたけど、そろそろ帰らないといけない

朝日が目の前で昇って世界が皿になる、この中は
少し僕らには広すぎただけなんだ

おわり

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