(詩) 禍中有福

突き抜けるような空に一声
叫びのような囁き
それは同じように、僕の心を刺した

「また明日」が叶わなかったあの日
諦めきれずに待っていた
また会えるって希望が
僕のエンジンを動かし続けていた

そばに居るよりも近い だけど顔は見えない
何も言わなくていい ちゃんと伝わってる

君の心臓が 止まることなく
動き続けていて本当に良かった
僕の心臓が 止まることなく
探し続けていた 君の事を
見付けたよ その目印が 僕に希望をくれた
多分ね 多分そう
認めちゃうと照れ臭くなるから
意地は張っておこう


両手の隙間からこぼれ落ちる砂の様に
命はすり減らされ続けている
視界も徐々に狭まる 衰えてもいないのに
自分の事しか理解できないでいる

誰も誰の事も解らない
推測と推察 それにしか頼れない
誰も己の事を疑う
推測と推察 それにしか頼れない から

僕の心臓は 止まることなく
動き続けなくたって構わないのに
君の心臓は 止まることなく
永遠に続けばいいって無理を
聞いて欲しい そう例えば 僕が代わりに死ねと
それでいい それでいいなら
大歓迎だ 僕は僕の事が 要らないから

この人生では僕の望む救いは無いって
ずっと前から感付いていた
死ぬのは嫌だって 死ぬのが怖いって
認めるのは癪だから
意地を張っておこう

真っ黒なのに明るい空の下
何も見えないのに何だってわかる空の下

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