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サビアンシンボルと二十四節気ー小寒

遅まきながら明けましておめでとうございます。
今年はお休みが若干短かったためか、ゆっくりとお正月気分を味わう気分が薄かったのは私だけでしょうか。とはいえ神社の初詣客は長蛇の列でした。多分疫禍や先行きの経済不安を反映しているのでしょう。
元日を詠った漢詩を紹介します。

     歳日        元稹(げんしん)

   一日今年始      一日 今年始まる
   一年前事空      一年 前事は空し
   凄涼百年事      凄涼(せいりょう)たり 百年の事
   應與一年同      応(まさ)に一年と同じなるべし

     今日の日で今年も始まるが、
     振り返れば、この一年のことは皆空しく感じる。
     百年のことを考えるなんて寂しいものだ。
     一年を過ごすのと同じように過ぎていくのだろうよ

ちょっとシニカルな味わいがある詩ですが、それゆえに1日、そして今この時を充実させようとも思うのです。

西洋占星術では小寒から山羊座後半が始まり、サインの成熟を見せていきます。
16度「体操着の少年少女」。山羊座15度で社会の将来を担う子供たちへの責任を打ち出しましたが、16度で視線は少年少女の生命力や楽しむ姿へ向けられます。17度「密かに裸で入浴する少女」は枠から出て自由を味わう姿で、自身の気づかなかった内面を発見します。感情のコントロールを含めてそれを具体的に扱うのが18度「イギリスの国旗」。規律で保護することにも繋がります。19度「大きな買い物袋を提げた5歳くらいの子供」は、背伸びしながらも自分の力を理想に近づけようとします。しかし山羊座は集団性を意味するので、20度の「歌っている隠れた合唱隊」は社会環境の中で各々が強く自己主張せずに調和に努める姿勢。集団から見た個人の理想の姿といえるでしょう。
サインのピークである21度「リレー競争」は集団間の業績の競争であり、グループがその属する共同体のために、積極的に前に出ようとする姿です。こうして得た優れた成果は、クールダウンする事で浸透、定着します。それが22度「敗北を優雅に認める将軍」です。表向きの勝ち負け、戦争、成果主義では本当の意味での満足を得られないと悟る。それが内的な世界へと誘うのです。それを踏まえたからこその23度「戦争での勇敢さを称える2つの賞」。ここで競争することで質の高いものを得ます。24度「修道院に入る女」になると、質の高いものとは精神の内面にあると理解し、社会の中にある優れた伝統や精神文化に奥深く触れていく姿勢です。25度はサインの完成した結晶というべき度数。山羊座では「東洋の布を扱う商人」です。ここでは異文化を取り入れることで新陳代謝が進みます。共同体、社会、国家は摩擦の痛みはあるものの、あらゆる文化を持ちこんでこそ、活性化するのではないでしょうか。
26度からは次のサイン、水瓶座へ移動する動きが感じられます。「水の妖精」は伝統の中で培ってきた良質の文化、芸術性を味わう。そして高みへと至る視点が27度「山の神殿へと向かう巡礼」です。崇高な道をたどり、そこから俯瞰すると大局が見えてきますが、28度「大きな養鶏場」はさらに水平に広がります。狭い場所から広い場所へと移りそれぞれの声を聞く。枠が広がります。それを身近な世界へ持ち込んで考察するのが29度の「お茶の葉を読む女」。占いはフラクタル的に予兆を読みます。最後の30度の「秘密のビジネス会議」は謎めいています。組織の上層部が決定する重要事項は下からは見えない。政治を考えてみると周知のことなので、わかりやすいかもしれません。ネガティブな意味もふくめて山羊座らしいフィナーレではないでしょうか。

小寒を迎えたら、ぐっと冷え込んできました。寒くなると一人より誰かと居たほうが心身ともにほっこりします。山羊座のキーワードに、社会とか組織が含まれるのは、そこからかもしれません。同時に修道院、聖歌隊、お茶占い、山の神殿の巡礼といった宗教的オカルト的な匂いがするシンボルがあるところからは、冬が魂の「富ゆ」にリンクする霊性を感じます。

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