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12234にこだわる (前編)


今回と次回で12234という形の深さについてじっくり迫ってみたいと思います。

1つの記事に書けなくもないのですが、5000文字を超えるボリュームになるのが確実。また、毎週の更新がチトきつくなってきた頃合いでもありますので(笑)、2つの記事に分けさせていただきます。

麻雀談議が好きな方と飲みに行けば、これをネタに居酒屋で2時間くらいは語れてしまうのではないか、それくらい12234の牌理は趣深いと思っています。

12234を掘り下げて行く上で、まず大きく2つのカテゴリーに分けます。一つ目はこんな感じの14枚です。

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これはテンパイまたは1シャンテン以下の手牌で、雀頭+12234がある形です(ツモ牌の部分は任意で結構です)。12234の部分に1メンツか2メンツを見込むことになりますが、今回のnoteはこちらについて概説していきます。

もう一つは

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こちらはヘッドレスイーシャンテンで、12234の部分に1メンツ1雀頭または1メンツを見込む場合です。浮き牌のポジション、連続形の良形ターツの有無、暗刻の有無などで手牌のパターン数が多くなり、打牌判断が微妙なケースも結構でてきます。よってこのトピックは次回に持ち越しとします。

では、雀頭がある12234の形を見ていきましょう

① 最終形でリーチ

12234の3待ち。いわゆるペンカンチャン待ちです。最終形としてあまり良くない待ちであることは確かですが、「先制で曲げる選択肢を持てない」のは問題がありますし、個人的にもそこそこは曲げる印象です。とはいえ場況依存の要素が大きすぎて、とてもリーチ基準を一般化できるようなものではありませんので、「曲げたくない待ちだからこそ、どういった盤面なら曲げるのか?」の目安を自分なりに構築しておくことが重要になりそうです。また、リーチ判断とは別にそもそもここが最終形にならないような手組の構想力を問われることは、言うまでもありません。

② テンパイ取りダマ、または1シャンテン以下での変化

12234の形を手牌に残した場合の有効なツモを考えてみます。

※12234の有効牌
(1)ツモ1:打4で11223のイーペーコー、または1のシャンポン
(2)ツモ2:打1で22234+雀頭の変則3面張
(3)ツモ3:アガリ、またはメンツ完成
(4)ツモ4:打1で22344のイーペ―コー
(5)ツモ5:打2で12345のリャンメン
(6)ツモ6:打2でカン5に待ち変え。非テンパイ時は122346のリャンカン
(7)雀頭の牌をツモって暗刻になる:打1の2234か、打2の1234を選択できる

ということは、テンパイ取りダマでも最大6~7種の牌を有効利用できるので、仮に即リーチに行けない状況だとしても、このままのテンパイ形でジッと待つ戦略もそこまで悪くはありません。

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こちらは1シャンテンのメンツオーバーでターツ選択の場面です。ピンズに12234の反転形の67889があり、79sとの愚形ターツ同士の比較になります。今回はピンズの同色に234があり、ツモ1pでも467889のリャンカンが形成されるため、実に8種もの牌を有効に使えます。そして何といってもツモ1pは高め一通のお楽しみ付き。カン8sを選ぶ特段の理由がない限りは、打9sとするのが良さそうです。なお一通が絡まない形でも12234(or67889)残しが有利です。

③ テンパイ取らずでシャンテン戻し

12234で即リーチする訳でもなく、かといってダマテンにする訳でもなく、1か2を切ってシャンテン戻しをするのはどんな場合か。そのためには浮き牌がそれなりに強いという条件が必要です。

牌図1

冒頭の手牌に戻ります。設定は東1局5巡目の南家としましょう。6sは通常の3-7牌よりやや強めの浮き牌ですので、ペンカンチャン3m待ちの即リーチに耐えないと判断する場合は、1mか2mのどちらかを切ってシャンテン戻しをする価値があります。ここでそれぞれの牌を切った場合の特徴を挙げてみます。

※12234から1か2を切った場合の変化
打1:ツモ2で変則3面待ち、ツモ3でフリテンリャンメン待ち高めイーペーコー、ツモ4でイーペーコー、ツモ5でシャンポン待ちに変化
打2:ツモ3でフリテンリャンメン待ち、ツモ5でリャンメン待ち、ツモ14でシャンポン待ちに変化

フリテンのリャンメンやただのシャンポン待ちなど、弱い変化も含まれているのでトータル判断の煩雑性は増しますが、(非タンヤオの手牌でも)打1がやや有利なことが多いと見ます。しかし基本的には微差なので場況による立体的判断で選ぶことが重要です。

今回の牌姿については、1mを切った後のツモ5mは、巡目が深くなければ「9pを切ってタンヤオに渡る変化」を見るのが有力となりますので、打1mを推奨します。9pトイツが中張牌のトイツなら最初から打1mが有利になるイメージに近いですね。

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ソーズの445567の5は強い浮き牌です。また、類似形の455677や普通の455であっても同様に強いので積極的にシャンテン戻しをしていく形です。12234の1を切れば亜リャンメン、2を切ればノベタンが残るので、良形複合ターツとの相性が良く、くっつき1シャンテンの形として強い形を維持できます。今回の牌姿はツモ5m,6mで一通変化がある分、打2mが優位となります。ではマンズの789mがピンズの789pならどうでしょうか。こうなるとオーソドックスな打7sが無難ですが、ツモ3mのフリテンリャンメンリーチを嫌がらないのであれば打1mも選択肢に挙がります。

牌図3

こちらは明確にタンヤオが見えており、ドラが6sでなければ打1mのシャンテン戻しで全く問題ない形です。

しかしドラが6sであればクイタンドラ3の鳴きを視野に入れることになります。その際に25mをチーしてドラを切りたくはありません。そこでここは打2mとしてみることで、ツモ2mの2枚と引き換えにツモ14mの6枚をメンゼンリーチの有効牌として増やすという発想が生まれます。ピンズの67888のエントツ形がないと成し得ない特殊形ではありますが、このあたりも12234の形の奥深さを垣間見れる瞬間ではないでしょうか。


参考)
牌図1:超実践立体何切る 平澤元気著 p89-91
牌図3:はぐりん@の麻雀ブログ 『67889は雀頭作りに最適』http://hagurin-tenhou.seesaa.net/article/456511482.html



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