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トイツ+シュンツ形のシャンポン待ちからの変化


シャンポン、シャンポン、シャンポン…  

と念じていたら

コロナ禍でスカッと飲みに行きたい願望と相まって、こんなヘッダー画像となりました。お酒好きなのがバレてしまいますね。


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無題


さて今回は、上記の手牌の全ての手変わりに数秒で正しく反応できるか?といった話です。


ちなみに、天鳳の三鳳村の数名(かなり強い方々)にリサーチしたところ

「考えるまでもなく分かる」

だそうです。かの有名な手が勝手に出力するってやつでしょうか。

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『全体牌姿に対するブロックの理解は四麻のプレーヤーの方が強く』

『全体牌姿に対する一色手の理解は三麻プレーヤーの方が強い』

『このような形に出会う頻度は三麻の方が圧倒的に多く、四麻はメンホンやメンチンにもなりづらいので、その場数の差でしょう』

といったコメントもいただきました。うーん、ごもっともな気もします。


私はこういった形の処理能力が弱めなので、ツモ番までに考えておかないとミスが出てもおかしくないレベル。こんなんで鳳凰民とか言ってる時点でやばそうな気もしてきた…

そんな訳で、今回は基本的なトレーニングをする記事となります。

かなりの長文になりますので、冒頭の手変わりの答えだけを確認したい方は、記事の一番下に飛んでくださいね。


さて本題となりますが、タイトルの

「トイツ+シュンツ形」

というのは11234や22345のような形を指します

そしてシャンポン待ちで仮テンになっている場合に、何を引いて何を切ればより良い変化になるか、というやつです。

ということで、今回は11234(+シュンツ)の形の変化を扱ってみたいと思います。

一部例外はありますが、下記の法則で多くのケースは説明可能です。

基本法則)
・ツモった牌の筋がA
・切り出す牌の筋(=待ち牌かその筋牌)がB
・新しく待ちになる筋がC になる

※例外
暗刻を含む牌姿で最終形がエントツ形(11123など)になる場合や、最終形が11223344の形になる場合は、切り出す牌がシャンポン待ちの筋牌になりません。


つまり、こういうことです。

待ちになっている牌以外の筋牌(A筋)をツモったら
→待ち牌、またはその筋牌(B筋)を切ることで
→別のもう一つの筋牌(C筋)が待ちになる

あとは

最終形がC筋になることで本当に良い待ちになっているかどうかと、切り出すB筋の候補牌が複数ある場合にどの牌を切るのがベストかを検証すれば、ロジカルに正着打を選べます。


◉11234+XXのシャンポン待ち

11234の基本形に加えて、123、234、345、456、567のシュンツを加えた牌姿についても検討します。

シュンツを重ねることで連続形ができ、受けが増える場合があります。また、待ち枚数自体が少なくても、変化を見る可能性があるものは全て含めています。

① 11234:ツモ25,3で変化
ツモ2打4で11223
ツモ5打1で12345
ツモ3打1で12334

※ワンポイント
11234におけるツモ2はツモ切ることの方が多いですが、2をツモって14の筋を切ることで3の筋が待ちになることを押さえます。つまりメンツが一つスライドした22345なら、ツモ3打2で23345(または打5で22334)になります。また、後者のように高めイーペーコーを狙う場合は待ち牌ではなく待ち牌の筋を切った方が良くなります。

② 11122334:ツモ25,3で変化
ツモ2打3で11122234
(または打4で11122233)
ツモ5打1で11223345
ツモ3打1で11223334
(または打4で11122333)

※ワンポイント
暗刻含みになるので少し注意を要する形です。ツモ2における打3は最終形がエントツ形になって法則が崩れるため、切り出す牌が待ち牌の筋牌にはなりません。ただし元々が高めイーペーコーのエントツ形(11123)になっているため、1枚差を追ってこの待ちにするとも限りません。

③ 11223344:ツモ3,5で変化
ツモ3打4で11223334
ツモ5打4で11223345  

※ワンポイント
ツモ2は打14で法則通り3待ちになりますが、待ちが悪すぎるため選択することはありません。メンツが一つスライドした22334455なら、ツモ3打2で23334455のピンフイーペーコーに変化します。

④ 11233445:ツモ25,36で変化 
ツモ2打4で11223345 
(または打5で11223344)
ツモ5打1で12334455  
ツモ3打1で12333445
ツモ6打1で12334456

※ワンポイント
ツモ2における打5は最終形が11223344の形になるため法則が崩れ、切り出す牌が待ち牌の筋牌にはなりません。ツモ2で14の筋を切る際は、イーペーコーが付くようにすると待ち牌ではなく待ち牌の筋を切ることになります。

⑤ 11234456:ツモ25,3で変化
ツモ2打4で11223456
ツモ5打1で12344556
ツモ3打1で12334456

※ワンポイント
11234に456がくっついただけで、①の基本形と変化の仕方は変わりません。

⑥ 11234567:ツモ36,58で変化
ツモ3打1で12334567
ツモ6打1で12345667
ツモ5打1で12345567
ツモ8打1で12345678

※ワンポイント
有効牌のツモはすべて待ち牌の1を切れば良い形です。ツモ2の変化は待ちが悪くなるのでツモ切りますが、メンツが一つスライドした22345678なら、ツモ3打8で22334567に変化します。

◉12344+XXのシャンポン待ち

11234と12344ならだいたい同じになるような気もしますが、メンツの重なり方によって異なるパターンが出現します。

① 12344:ツモ25,3で変化
ツモ2打1で22344
ツモ5打1で23445
ツモ3打1で23344

※ワンポイント
ツモ2で狭いイーペーコー形に受けるかどうかはケースバイケース。メンツがスライドした23455の場合は、ツモ1は打5、ツモ4は打2、ツモ3は打5、ツモ6は打5と、5を切ることが多くなります。


② 11223344:ツモ3,5で変化
ツモ3打4で11223334
ツモ5打4で11223345

※ワンポイント
11234+X Xの③と全く同じです。

③ 12233444:ツモ25,3で変化
ツモ2打1で22233444
ツモ5打1で22334445
ツモ3打1で22333444  

※ワンポイント
既に高めイーペーコーのエントツ形になっているので、ツモ2の変化はコーツ手を狙う場合のみに限定されます。逆にツモ3打1の変化はとても強いです。メンツがスライドした23344555や34455666の場合は少し複雑になりますので、別項で補足します。

④ 12334445:ツモ25,36で変化
ツモ2打1で22334445  
(または打5で12233444)
ツモ5打1で23344455   
ツモ3打1で23334445
ツモ6打1で23344456
(または打3で12344456)    

※ワンポイント
こちらも暗刻含みなので少し注意を要します。ツモ2における打5やツモ6における打3は最終形がエントツ形になるため、切り出す牌が待ち牌の筋牌になりません。またツモ1の場合は打4とした方が瞬間の待ちが強くなりますが、その後の変化は1をツモ切った方がやや有利になるので場況を含めて判断します。この④の項目も別項で補足します。

⑤ 12344456:ツモ25,3で変化
ツモ2打1で22344456
ツモ5打1で23444556
ツモ3打1で23344456

※ワンポイント
12344に456がくっついただけで、①の基本形と変化の仕方は変わりません。ツモ2打1は枚数的に不利になるので、選択することはあまりなさそうです。

⑥ 12344567:ツモ36,58で変化
ツモ3打1で23344567
ツモ6打1で23445667
ツモ5打1で23445567
ツモ8打4で12345678

※ワンポイント
ツモ2の変化は待ちが悪くなるのと、連続形を残している方が一通などの変化面で有利になるので2はツモ切ります。メンツが一つスライドした23455678なら、ツモ3打8で23345567に変化します。


以上、最もシンプルな11234と12344のパターンについてご紹介しました。

この他にもメンツがスライドした22345、23455、33456、34566の形があるため、全部で6パターンあることになります。

これらはメンツが端にかからない分、横に伸びてパターン数が増え、シュンツが重なること少しずつ複雑になります。

全てを紹介すると非常にビジーになるため、注意点を「ワンポイント」の項目で一部補足させていただきました。

もちろんこれらは暗記するようなものではなく、自然に反応できるのが一番ですので、このタイプの変化に自信がない方は反復練習することをオススメします。

◉比較的判断が難しくなる代表的な形

【その1】
「12344+X Xの③」に出てきた形で、高めイーペーコーのエントツ形テンパイから変化を見る場合です。

ここでは変化量の多い34455666+X Xを使って説明します。現在の待ちは36とXですが、どのように変化するでしょうか。

・ツモ2打6で23445566
⇒3面張変化になります。

・ツモ5打3で44555666
(または打4で34555666)
44555666は打点、待ち枚数ともに強い優秀な形です。誤って打6にすると34455566となり、グレードダウンするので要注意です。また打4でエントツ形にすることもできますが、アガリ優先の場合などに限定されそうです。

・ツモ4打6で34445566
(または打3で44455666)
⇒ピンフイーペーコー確定のリャンメン待ちになります。打3はコーツ手を狙う場合のみに限定されます。

・ツモ7打6で34455667
(または打3で44556667)
⇒打6の3面張を取るか、打3のイーペーコー確定のリャンメンを取るか、ツモ切るかの3択になります。

【その2】
「12344+X Xの④」に出てきた形で、下記のような中ぶくれシャンポンからの変化を見る場合です。

・12334445
・23445556
・34556667    

変化するパターンが多いのが特徴ですが、たとえば34556667+X Xにおけるツモ4

・打3で44556667のイーペ―コー確定のリャンメン
・打6で34455667の3面張
・打7で34455666の高めイーペーコーのエントツ形

といった感じで打牌候補が3つに分かれます。単純枚数では打6の3面張が4枚差で優れていますが、どれもそれなりに魅力的なので少し悩ましいところです。

ちなみに三麻メインで打っている方はこういった選択でエントツ形を好む人が多いようです。三麻は筋の本数が少ないので四麻以上に出あがりを期待しづらい側面がありますが、とはいえ出来ることなら出あがり確率も高めたいところ(特に天鳳などのツモ損アリルール)。打点は抜きドラなどでカバーし、待ち牌の筋を複数にすることで出あがり率を高める工夫をしている印象がありました。

◉まとめ 

※イーペーコーの絡む形が多いのが特徴

・22334455 +X X
・22333444 +X X
・23334445 +X X

色々なパターンを試してみると分かりますが、シャンポン待ちの手変わりを見る過程で、上記のような8枚形が出現することが多いです。これらはいずれもイーペーコー確定形となる好形ですので要チェックです。

また、筋牌のどちらを切るかでイーペーコーが付くかどうかが変わることはよくありますので、テンパイ時は注意深く打牌選択をしたいところです。

◉最後に冒頭の形について

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これが仮にピンズの形が端に寄った

「1123467899」なら、基本形の「11234」だけでほぼカバーできますが(ツモ5だけは打1か打9で3面張になる)。

「1123456788」のような8連形を形成すると、少し複雑になります。

認識の仕方は様々だと思いますが、「11234567」と「23456788」の2つの連続形を意識することで、3面張変化を漏れなく発見するようにします(ツモ3,4,6,9)。

ツモ7については打2で高めイーペーコーに受けるか、それとも打8で多面張変化のある形にするかは好みが分かれます(ツモ4で3面張、ツモ1でフリテン6面張、ツモ7でフリテン4面張)。

答え)
ツモ2:ツモ切り
ツモ3:打1で1233456788 中中中
ツモ4:打8で1123445678 中中中
ツモ5:打1で1234556788 中中中
ツモ6:打8で1123456678 中中中
ツモ7:打2で1134567788 中中中
(または打8で1123456778 中中中)
ツモ9:打8で1123456789 中中中


無題


こちらも類題ですが「12344」と「55678」を意識するだけではカバーできませんので、例外形の一つと言って差し支えありません。

やはり8連形がある場合は、牌姿全体で俯瞰しないと、連続形の絡む3面張を見逃しやすくなるので注意が必要です。

まずは「45678」の3面張を抜き出してみると「12345」が残るため、ヘッドができるツモ1とツモ2は3面張になることが分かります。

ツモ3とツモ6は切る牌によって2種類の3面形のノベタンに受けることができるので、少し難易度が高いです。しかし基本法則にあったように、「ツモった筋が369で切り出す牌が1なら258の筋が待ちになる」という認識の仕方をすればスピーディーに判断できます。逆に切る牌が8の場合はいずれも待ちが147になっていることも確認できると思います。

ツモ7とツモ8は雀頭を固定すればそれぞれ通常のリャンメン待ち、ツモ9はノベタンで1まで待ちが伸びていることに気づけば問題ありません。

最後にツモ3とツモ6については、役牌の1翻が消えますが中を切ることで高めイーペーコーの369待ちになります。ノベタン形に受けるより待ち枚数は1枚多くなるため、盤面を睨んで慎重に選択するのが良さそうです。

答え)
ツモ1:打2で1134455678 中中中
ツモ2:打1で2234455678 中中中
ツモ3:打1で2334455678 中中中
(または打8で1233445567 中中中)
(または打中で12334455678 中中)
ツモ6:打1で2344556678 中中中
(または打8で1234455667 中中中) 
(または打中で12344556678 中中) 
ツモ7:打5で1234456778 中中中
(または打8で1234455677 中中中) 
ツモ8:打7で1234455688 中中中
(または打1で2344556788 中中中) 
ツモ9:打5で1234456789 中中中

ということで、待ち牌の4と5以外は全て好形に変化し、ツモ7とツモ8以外は3面張になるという牌姿でした。

私もいつかは、「考えるまでもなく分かる」というレベルに到達したいものです。

せっかく育てた染め手の手変わりですから、麻雀打ちとしてこのくらいは難なく出来るようになるのが理想的ですよね。


◉記事の補足です。

「1123456788」からの変化について考察しましたので

トイツとトイツの間を短くした「2234556788」「3345566788」「4455667788」の変化についても検討しておこうと思います。

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ツモ1:打1で1234556788 中中中
ツモ3:打8で2233455678 中中中
(または打2で2334556788 中中中)
ツモ4:打8で2234455678 中中中
ツモ5:ツモ切り
ツモ6:打2で2345566788 中中中
ツモ7:打2で2345567788 中中中
(または打8で2234556778中中中)
ツモ9:打8で2234556789 中中中


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ツモ2:打3で2345566788 中中中
ツモ4:打8で3344556678 中中中
(または打6で3344556788 中中中)
(または打7で3344556688 中中中)
ツモ5:打3で3455566788 中中中
ツモ6:打8で3345566678 中中中
ツモ7:打3で3455667788 中中中
(または打5で3345667788 中中中)
(または打4で3355667788 中中中)
ツモ9:打8で3345566789 中中中

ツモ4とツモ7は高めイーペーコーの2種類の3面形のノベタンに受けられますので、少し注意が必要です。


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ツモ3:打中で34455667788 中中
(または打4で3455667788 中中中)
ツモ6:打中で44556667788 中中
ツモ9:打中で44556677889 中中

現状4578待ちにつき、変化するのは369ツモだけです。

ツモ3は現状維持のツモ切り、打中、打4とそれぞれ選択する可能性がありますが、打中は待ち枚数が1枚増えること、9で待てること、リャンペーコーになる可能性があることから、有力な選択肢になると見ます。

ツモ6とツモ9についても同様で、打中が最有力となります。



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