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2021年創作振り返り

初めましての方は初めまして。星野ラベンダーと申します。主に長編小説を連載している一次創作字書きです。今回、初めてこちらの創作TALKという企画に参加させていただきます。
実は去年も一年の創作を振り返ることはしようと思っていたのですが、結局なんだかんだでできずに終わってしまいました。なので今年はリベンジも込めて、2021年の創作について振り向いてみようと思います。
こういう企画に参加するのは初心者なので不慣れですが、何卒温かい目で見守っていて下さると幸いです。

長編について


現在「コズミックトラベラー」という大長編小説を、カクヨム、ノベルアップ+、小説家になろうにて連載しています。

https://ncode.syosetu.com/n2031gr/

ジャンルはSFに設定されていますが、その実態は理系が苦手な筆者が書く、濃厚ヒューマンドラマ+ジュブナイル小説です。
「SFらしい用語もSFらしい理屈もまるで出てこないのに、宇宙とロボットがモチーフの小説」をコンセプトに書いてしまっています。
2019年から連載している今作品ですが、一昨年や去年同様、2021年もずっと着手し続けていました。おかげで今年はPart6のChapter1、Chapter2、Chapter3、Chapter4を書き終わり、現在Chapter5の途中まで書いています。軽く振り返ってみようと思います。


1月~2月
Chapter1(第1章) 文字数:約12万5千字
2020年の11月から書き始めていた章です。ちょうど物語の舞台が大きく変わったばかりだったからか、無自覚の内に色々と考えて緊張していたようで、かなり難産だった記憶があります。特に起承転結の「承」部分の展開がなかなか思い浮かびませんでした。
が、そこを乗り越えると、良いネタが思い浮かんだこともあって、後はすいすい書き進められました。


2月~4月
Chapter2(第2章) 文字数:約9万9千字
私は基本的に話の大体の流れを大まかに決めてから書き始めるタイプなのですが。この章は珍しく、その「大体の流れ」が書き始める前からかなり細かい部分まで決まっていた章です。
起承転結のどの部分も大体の流れが完全に決まっていたため、スムーズに書くことができました。特にこれといって詰まった箇所や悩んだ箇所もありませんでしたね。


4月~8月
Chapter3(第3章) 文字数:約18万9千字
かかった時間も書いた字数も、今年一番多い章となりました。
プロットではすぐ終わる計算になっていましたし、そのプロット通りに書いていたのですが、なぜここまで長くなったのかは自分でもよくわかっていません。なぜ…………??
今まで一つの章にここまで時間をかけたことはなかったのですが、この章は完成までとても時間がかかってしまいました。初めて書く展開やキャラなど、挑戦したことがとても多い章だったので、「本当にこれでいいのか」とずっと悩みながら書いていたのが原因でしょう。
加えて悩みすぎて筆が止まり、スランプにも突入してしまい……。「これでいいのか」と不安は尽きないままでしたが、なんとか書ききれました。
執筆当初は悩んでばかりいたこの章ですが、今思い返すとあの展開にして良かった、このキャラを書いて良かったと素直に思うことができています。


9月~12月
Chapter4(第4章) 文字数:約14万7千字
実はChapter3の時に突入したスランプがまだ続いている状態で書いていました。なので序盤~中盤は「これでいいのか」という悩みや不安が尽きておらず、筆が止まりがちになっていました。
が、悩みに悩みまくった末に無事に吹っ切れて「私の為に私の好きなものを書こう」という考えになり、不安になるよりも「私の好き」にドンピシャに刺さるものを意識して書こうという結論が出ました。
その為、この章の中盤~終盤は、私の「好き」が特に集まっています。最終的に中盤~終盤は一気にすいすいと、とても楽しく書くことができました。
今になってちょっとやり過ぎたかもしれないと反省の念が浮かび始めています……が、しかし後悔はしておりません。
自分の好きに忠実になって執筆する難しさと大切さを、改めて知れた時期でもあります。


12月~
Chapter5(第5章) 文字数:約4万4千字
第2章と同じく、全体的な流れが既に決まっている章です。なのでスムーズに書くことができています。Chapter4で得た「好きを書く」ことを意識して書いているため、Chapter3ほどの悩みや不安は抱かずにすんでおり、純粋に楽しんで書けています。来年の1月末までには書き終わりたいですね。

こうして振り返ると、改めて自作品であるこの「コズミックトラベラー」が愛おしいなと心から思いますし、創作って良いものだなあとしみじみ感じます。


短編について

2021年は4本の短編を書きました。そのうち2本は投稿サイト(カクヨム、ノベルアップ+)に載せています。残りの2本も推敲が終わったら投稿しようかなあと考えています。

4月
「占い師は巧言霊職」 文字数:約3万6千字 ジャンル:現代ファンタジー
全体的にコミカルな雰囲気です。とても霊感の強くて優秀なはずなのに、肝心のトークスキルが皆無という占い師が、一人娘のに勧められて幽霊を相手に会話の練習をしようと試みていたところ、ある少年の幽霊と出会い――というお話です。
タイトルは「うわべだけ取り繕ったり、口先だけで上手いことを言ったりすること」という意味を持つ「巧言令色」という言葉をもじりました。タイトルを考えるのが苦手なタイプなのですが、この作品は珍しく自分の中で、これ以上と無くしっくりくるものが思い浮かびました。
私の基本的な作風が大きく前に出ている作品になっているのじゃないかなと思っています。自分の手癖に忠実に沿って書いたおかげで全体的にスムーズに執筆できましたし、書いていてとても楽しかったです。
通っている小説学校でもなかなか高い評価を得られた作品だったりします。短編の中でかなりお気に入りの作品です。


6月
「月で待ち合わせ」 文字数:約4万3千字 ジャンル:SF
前作と変わってシリアスでメルヘンな雰囲気です。望遠鏡で天体観測をしていた少女が、月面に佇む人影をたまたま発見。その後ひょんなことがきっかけで向かった月で、宇宙人の少年と出会うというボーイミーツガールの物語です。
SFですが私の書くSFなので、科学的な理論や理屈どころか用語すらほぼほぼ出てきません。
終盤の展開に備えて、伏線の張り方をかなり意識しながら書きました。大きなものから小さなものまで多めに伏線を仕込んでいるので、読み返したときに「あっ!」と感じて頂ければな、なんて思っています。
星や宇宙がとても大好きなので、この作品も書きながら終始浮き浮きとした気持ちを抱いていましたね。
余談ですがこの作品を書いているとき、「月のワルツ」という曲を作業用BGMに使っていました。私はこの曲がとにかく大好きでして……!壊れそうなほど美しく幻想的でとても素晴らしい曲なので、もし良かったら一度聴いてみて下さればと。


10月
「魔女の出る物語(仮名)」 文字数:約2万字 ジャンル:現代ファンタジー
現時点では未公開の作品。雰囲気はコメディ寄りです。
実は魔法の出てくるような正統派ファンタジーを書いたことがほとんどありません。最後に魔法使いが出てくるお話を書いたのは10年くらい前でしたかね……。
ですが魔法や魔法使いなどそういう概念は物凄く凄く大好きなので、書いていて楽しかったです。魔法ってやはりロマンだなあ、としみじみ感じながら執筆していました。
が、気づいたこともありまして。魔法を書くってとても難しいですね……!書いている間中、「この魔法でロマンは感じるか……?」とあれこれ試行錯誤が止まりませんでした。
普段魔法の出てくる物語を読んではワクワクしている身ですが、そのワクワクさせる魔法を考えるというのは全然簡単なことではないのだと、ロマンとはなんたるかを突き詰めて描写しなくてはならないのだと、書く側に回ったことにより身を以て知りました。


12月
「古い電車を舞台にした小説(仮名)」 文字数:約1万2千字 ジャンル:ホラー
現時点では未公開の作品。雰囲気はシリアス一辺倒です。
当初はもっと短い字数の予定だったのですが、いざ完成したら、あら……?
ホラーもとても難しかった……!「怖い」とはなんなのか、ずっと考えながら書いていた記憶があります。なるべく私の思う「怖い」を詰め込むことを意識しました。
余談なのですが、この話の登場人物の一人である車掌さんがかなりお気に入りです。未公開作品なので詳しいことは言えないのですが、こういうキャラが何気に好きでしてね……。車掌さんが出てくるシーンを書いているときはわかりやすくテンションが上がっていました。


イベントについて


オプションテーマであるイベントについてTALKしようと思います。
さてイベントですが、実はオフラインオンライン含め、一度も出たことがありません。
ただ2019年に一度、大阪で開かれた文学フリマにお客側として参加したことがあります。
書くことも好きですが、本を読むことも同じくらい、幼い頃から大好きです。なので文学フリマという本のイベントに向かったとき、自分でも想像していた以上に、凄く凄く楽しむことができました。四方八方を本に囲まれていて、景色のどこを見ても本だらけ。冗談抜きにここがオアシスかと、この場所こそが地上の楽園だと感じたものです。
私はあまり物欲がないほうで、ショッピングなども全然しないのですが、文学フリマは例外でした。まさに湯水の如く散財しました。こつこつ貯めていたお金があっという間に本に変化しました……が、微塵も後悔などしていないどころか、また散財したいとすら考えてしまっています。何時間でも何十時間でもフリマ内を回り続けていられると思いました。


なので2020年の文学フリマも絶対に行こうと心に決めていたのですが……。
2020年も2021年も、情勢により文学フリマに出向くことが大変厳しい状況となってしまいました。
ですがそろそろあの空気を吸いたくてたまらなくなってきたので、2022年こそは、文学フリマに向かいたいものです。もちろん状況を見ながらになりますが……。
何だかんだ言ってオンラインのイベントにはお客側としてもまだ参加したことがなかったので、そちらにも出向いてみたいな、とも思っています。

ちなみに出店側に回るのは、主に私の心身の問題で正直厳しいものがあります。
文学フリマを初めとしてイベントに参加するフォロワーさんの呟きなどを見ていると興味が湧いてきますが、私の性格や性質が少々特殊なので、私が出店側として参加できるのは5年か、下手をすれば10年くらい先になりそうです。
ですが、いつかは出店側として参加してみたいなとも思っています。「文学フリマに出店する」は人生の目標の一つですね。

総括


2021年、創作していて気づいたことがあります。正確には、「元々知っていたと思っていたことだったけれど、改めてわかったこと」です。
楽しく書くこと。自分の「好き」を信じて書くこと。本当にそれがとても大事なことなのだなと。
もともと創作が大好きで、書いているだけで無条件に楽しかったので、悩むことも何もありませんでした。しかし長く書き続けてある程度経験を踏んだからか、徐々に最初の頃の無条件に楽しく書いていた頃の気持ちを忘れかけていき、今年はそれが顕著に表れました。
「この展開で、このキャラクターで、この語彙でいいのか」「これで面白いのか」「大丈夫なのか」と、「どう書くのが正解なのか」ばかり気にして、「「好き」を書く」ができなくなりかけていました。
なので今年の夏頃は、文章こそ書けていましたが、かなりの精神的なスランプに陥っていましたね。
 
夏から秋にかけてずっと悩みに悩み抜いていましたが、ある瞬間にふっと、肩の力が抜けた日が訪れました。
「正解がどうとかを考えるのは、書き終わってからでいいのではないか?」「あとからいくらでも直せるのだし、書いている間はそういうことを考えないでもいいのでは?」
そういう結論に至った結果、一気に吹っ切ることができました。
初心はつい忘れてしまうものだったり、楽しく書くことが存外難しいことだったり。随所で聞く話ではありましたが、自分で実際に経験してみるとやはり全然違いますね。私がいかに未熟だったか、自分を見つめ直すことができました。
「好きを信じて楽しく書くこと」。いつでも心の中心に置いて、忘れずに創作活動を続けようと心に誓いました。
 

来年の目標


コズミックトラベラーPart6のChapter5の完成。
続くChapter6も完成させ、Part6を終わらせる。
Part7に着手する。
密かに構想を練っている長編小説をゆっくり進める。

現時点での目標はこんなところですが、恐らくこの先増えていくかと思われます。
2022年も、自分のペースで、節度を守りながら自由に創作活動をしていきたいです。
「好き」に忠実に、楽しく書くことをモットーに、日々精進を重ねていきたく思います。
 
以上となります。長文をお読み下さり、ありがとうございました。