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2022年創作振り返り

一次創作小説書き、星野 ラベンダーと申します。早いもので、今年も今日で終わりですね。
この2022年の創作活動がどういうものだったか、創作TALKという企画で振り返ってみようと思います。
こちらの企画に参加するのは二回目です。去年もそうでしたが今年もかなり長めの振り返りとなっています。お暇な方は、お付き合いして下さると嬉しいです。

長編について


現在「コズミックトラベラー」という大長編小説を、カクヨム、ノベルアップ+、小説家になろうで連載中です。
SFですが、難しい科学の話どころかSFらしい理屈や説明が全然出てこない、ヒューマンドラマとジュブナイルに焦点を当てた友情+冒険小説です。


コズミックトラベラー(星野 ラベンダー) - カクヨム (kakuyomu.jp)
コズミックトラベラー(星野 ラベンダー) | 小説投稿サイトノベルアップ+ (novelup.plus)
コズミックトラベラー (syosetu.com)
 
去年はこのコズミックトラベラーのPart6を制作中で、「来年の目標」でPart6の完成とPart7の着手を挙げていました。
一応どちらも達成することはできましたが、しかし今年は、長編の進捗が芳しくないと感じる一年でした。


1月~2月
Chapter5(第5章) 文字数:約13万2000字
2021の12月から書き始めていた章です。
中盤から終盤の展開がきっちり固まっており、そこを早く書きたくてしょうがなかったので、特に難しかったという印象は無く、割とスムーズに書き進めることができました。
ただ、この章で私の小説ではあまり出てこないタイプのキャラを出したのですが、その描写にかなり悩みました。今まで悪役を書くのがそこまで得意ではないと思っていたのですが、どうやら「悪役」ではなく、「ただ性格がどうしようもなく悪いだけの人」を書くのが苦手なようだとわかりました。小物の悪人って、何気に書くのが難しいですね……(汗)

2月~4月
Chapter6(第6章) 文字数:約11万6000字
Part6で、一番書きたかった章と言っても過言ではありません。
2年以上前からこの章を書きたくてたまらなくてずっとウズウズしていて、今かと今かと待ちわびていたのですが、ようやくその瞬間が訪れました。
ずっと書きたかった章だけに、「こういう表現じゃ駄目だ!」など、自分の描写に尚更納得することができず試行錯誤を重ねましたが、それでも書いていてとても楽しかったです。
ちなみにこの章の内容は、主人公サイドと敵サイドのメンバーが全員ぶつかって激突するというものです。こういう内容なので章のほとんどが戦闘シーンでした。迫力のある戦闘シーンを書けていたらいいなと思います。

5月~7月
Chapter1(第1章) 文字数:約9万字
去年からずっと手がけていたPart6がようやく終わり、Part7に移りました。全体的な話の流れは既に決まっていたため、すいすい書き進めることができるだろう!……と思っていたのですが、予想外にも苦戦しました。
この章の舞台は「全体の98%が海で海底に文明がある水の惑星」なのですが、こういう地球と全然環境の違う星ではどうやって生物が進化したのか、どういう歴史があるのかなどを考えてから書き始めたので、結果完成が遅くなってしまいました。
そういうのを最初に考えておいてから書き始めないと設定に齟齬が出てきてしまうため、できる範囲で設定を練りましたが、なかなか大変でした。しかし今では、妥協せずにやって良かったと感じています。

9月~12月
Chapter2(第2章) 文字数:約8万6000字
詳細は総括にて後述するのですが、様々なことが重なったため完成が大幅に遅れました。
Chapter2の本文そのものは、実は8月か9月中には出来上がっていました。しかし見返して加筆修正する作業がどうしてもできず、結果エピソード全てを投稿し終えるまで3ヶ月以上かかってしまいました。
こういう経緯があったので、様々な意味で多くの思い出がある章です。とにかくたくさんのことを考えながら書いていました。

12月~
Chapter3(第3章) 文字数:約4万字
現在手がけている章です。全体的な流れは既に決まっており、早く書きたいシーンがいくつかあります。1月か2月中には書き終わりたいですね。
 
 

短編について


今年は「ノベルアップ+」の開いたイベントやコンテストに多く参加しました。「(仮名)」となっている短編以外の作品は、全てノベルアップ+に投稿されています。
こんなに多くのイベントやコンテストに参加する日が来るなど、去年一昨年の自分では想像できないことでした。びっくりしています。

4月
「のっぺらぼうの話(仮名)」 文字数:約2万1000字 ジャンル:現代ファンタジー、青春

妖怪ののっぺらぼうが出てくる物語ですが、ホラーテイストではありません。
タイトルを考えることが作業工程の中で一番苦手なのですが、この話は極めて珍しく、タイトルが最初に思いつき、そこからストーリーを考えていった作品です。
まだ未公開なのですが、そのうち投稿しようと思っています。

5月
「紙の爆弾」 文字数:約1000字 ジャンル:ラブコメ
「呼ばれたい名前」 文字数:約1000字 ジャンル:ヒューマンドラマ
「欲しいお褒めの言葉は?」 文字数:約1000字 ジャンル:コメディ
「ようこそ、人形の国へ。」 文字数:約1000字 ジャンル:ファンタジー

全て「ノベプラ勉強会(仮)」の参加作品です。全部1000字弱の掌編小説となっています。
ほとんど読み切りなのですが、最後の「ようこそ、人形の国へ。」だけは1000字で完結する話が思いつかなかったため、これだけ「長編小説の冒頭部分を抜き出してみた」というイメージで書いています。いずれ本当に長編小説にしてみたいなーと、ぼんやり思っています。

6月
「天使と悪魔の話(仮名)」 文字数:約4万7000字 ジャンル:ファンタジー
「紺碧の後悔」 文字数:約1万字 ジャンル:現代ドラマ

「天使と悪魔の話」は学校の課題用に書いたものです。性格正反対で仲の悪い天使と悪魔がバディを組んで、町に起きる異変を解決していくという、私の性癖に忠実に沿ったストーリーとなっています。キャラクターや話の展開も私の性癖が詰まったもので、とにかく星野ラベンダーの性癖の見本市のような作品になりました。
あまりにも性癖を詰め込みすぎたので書き終わった後で少し恥ずかしくなったのですが、書いていてとても楽しかったのは確かです。
本当はこれも長編にしたいなと思っているのですが、物語をどう膨らませてどう着地するかが思いついていない段階のため、第一章に当たる部分でとりあえず終わっています。
公開予定はありませんが、いつかストーリーをどう纏めるかが決定したら、ちゃんとした形で表に出してみたいですね。

ちなみに「欲しいお褒めの言葉は?」も、天使と悪魔の話になっています。ジャンルや雰囲気など全然違いますが、「欲しいお褒めの言葉は?」を書いたことがきっかけで、この話が浮かんだのかなあと思います。

「紺碧の後悔」はノベプラのGENSEKIコンに参加作品です。
当初参加する予定はなかったのですが、ある日突然アイデアが降ってきたため、書いてみることを決めました。一万字までという文字数の規定に収めるために、非常に四苦八苦したことを覚えています。
ちなみに入賞はできませんでした。展開を色々端折ってしまったり、一気に畳みかけすぎたりと、読み返すと反省点がいくつも見つかるので、私はまだまだ成長途中だと感じました。
話のアイデアそのものはお気に入りなだけに、もっと上手く形にしたかったと悔しく思っています。

余談ですがこの二作品、同時に進行していました。学校の課題とGENSEKIコンの期限、二つの締め切りが見事に重なっていたため、6月は本当にてんやわんやしていました。
絶対無理だ、どちらか落とすと半分以上諦めていたのですが、それでも最後までやってみなければわからないと奮い立ち、とにかくひたすら頑張りました。結果的にどちらも間に合ったので、諦めないことの大切さを、身を以て知りました。

8月
「沼池が隠すもの」 文字数:約6500字 ジャンル:ホラー

ノベプラの「夏の夜の怪談コン」参加作品です。いつも文字数がオーバーしがちなのですが、この話は珍しく、初稿時点で規定の字数内に収めることができました。
こちらも入賞はできませんでした。もっと怖くしたかったなあ、もう少し伏線などはりたかったなあと、反省点ややり残した部分が何個か見つかっています。一歩ずつ、着実に精進していきたいです。

余談としてこの話が思いついたきっかけを少し語ります。私が7歳か8歳ぐらいの頃、「家の近くに謎の沼ができる」というオリジナルのお話を作ったことがあるのですが、それが元となっています。
お話の内容は、「ただ謎の沼ができて不思議だなあと考える」という山も谷もオチも何もないものでしたが、これがきっかけで「沼池が隠すもの」が生まれたので、その意味で当時の私に感謝したいですね。
(※現在、諸事情により非公開にしています)

9月
「カビバスターズ‐最終決戦案」 文字数:約2000字 ジャンル:コメディ

ノベプラの「嘘コン」参加作品です。劇中劇であり、メタフィクション小説です。
とにかくカオスに、混沌にすることを意識して書きました。タイトルやあらすじなど、余すことなく全てをカオスにしようとしましたが、もっとぶっ飛んだお話にしたかったなあとも思っています。
この話が思いついたきっかけですが、作品の一言コメントにあるように、ちょっとお高めの食パンにカビが生えてしまったせいで食べることができなかったので、その悲しみと悔しさからこの話が浮かびました。
夏なんて嫌いだ(涙)

12月
「僕と大切な古井戸」 文字数:約2000字 ジャンル:ホラー

5月頃に行われた「ノベプラ勉強会(仮)」が正式コーナーとなり、その時に開催されたイベントの参加作品で、新しく書き下ろした短編小説です。「一人称と三人称の混在」というお題をもとに書くという内容だったのですが、果たしてこれが「人称の混在」と言えるのか……?
内容はかなりお気に入りなので、いつかちゃんとした話として書き直してみたいなと思っています。

オンライン、オフラインについて


オプションテーマについてTALKしようと思います。

去年の創作TALKのオプションテーマ、イベントについて語った際、2022年こそは文学フリマに行きたいと書きましたが。
今年、ついに叶いました。2022年9月の文学フリマ大阪に、一般参加してきました。
2019年以来なので、3年ぶりのオフライン創作イベントですね。本当にこの3年間、長かったです。
2019年のときは到着が少し遅れてしまい、いくつかの気になった本が売り切れになっていて買えなかったという経験をしたので、今回はそれを踏まえ、前日入りして開場とほぼ同時に向かいました。

とても凄かったです。そして楽しかったです。とにかくこの一言に尽きます。言葉で伝えきれません。

2019年の初一般参加の時、会場内に満ちるその熱気と情熱に圧倒されたことを覚えていますが、今回もそれは全然変わっていませんでした。2019年の時の記憶が薄れてきてしまっていたのですが、見事に色濃く上書きすることができました。

右を見ても左を見ても、前を見ても後ろを見ても、創作者でいっぱい。創作を愛する者がこんなに数え切れない程いるのかと思うと、心がじんと感慨深くなりました。

私はあまりショッピングを楽しむというタイプの性格ではなく、人混みも苦手なのですが、文フリは完全に例外です。終了時刻ぎりぎりまで会場を歩き回り、買い物を楽しみました。どれだけ巡っても全然飽きず、むしろ足りないくらいでした。胸が一杯の、とても充実した時間を過ごすことができ、本当に大満足の一日でした。今思い返しても、幸せが身を包みます。

戦利品ですが、確か20冊~30冊くらいは購入したと思います。お財布はすっからかんになりましたが、後悔はしていません。幸せの重みとイコールになっている本の重みを噛みしめながら、その翌日に帰路につきました。

こうして文フリに行ってみると、やはりサークル参加にも興味が湧いてきます。去年もそうですし、何年も前から同じことばかり言ってしまっていますが、サークルでの参加はやはり憧れです。

しかし、どうしても拭いきれない抵抗があり、本当に参加するのはまだまだ厳しいだろうとも感じています。実際に行動に移すには、勇気が全然足りていないようです。
けれど文フリのような創作系のイベントには、ずっと興味があります。一創作者として、一度くらいは創作系のイベントに出てみたい。でも文フリは勇気が出ない……。
ずっとうんうん悩んでいたのですが、ある日ふと、頭にやりたいことが下りてきました。

「オンラインの創作系イベントに出てみたい」
き、気になる……。
ある程度はオフライン創作系イベントの予行練習になるかもしれないし、とにかくイベントにサークル参加するというその雰囲気を味わってみたい。一度興味が湧くと、あとはどんどん膨らんでいきました。

というわけで2023年は、「オンラインの創作系イベントにサークル参加する」というのを一番の目標にしたいなと考えています。

もちろんできるかどうかはわかりません。言うだけ言っておいて、結局勇気が出なかったと、来年の創作TALKで語っている自分の姿が既に鮮明に浮かんでいます。
ですが、やってみたいという気持ちに嘘はないです。2023年、創作者として大きな一歩を踏み出すことができたらと、そう思っています。
 

総括


創作に関することで、強く印象に残ったことがあります。それについて語るにはまずコズミックトラベラーについて語る必要があるので、少々長くなりますが話させて頂きます。

コズミックトラベラーは2019年からずっと連載しており、その間休載らしい休載を一度もしていないのが密かな自慢でもあります。

ですが今年、一ヶ月以上更新があくときが何度か訪れました。秋頃は特に、それが顕著でした。ちょうどPart7のChapter2を連載していた頃です。

創作あるあるだと思うのですが、長く創作と向き合っていると、どうしても不安が襲ってくることがあります。創作が大好きなのは確かなのに、悩んで迷ってしまって、手が止まってしまう。有り体に言うならこの頃私は、重めのスランプに突入してしまっていました。

自分の書くものが本当に面白いのか、“間違った”書き方をしているのではないか。
普段だったら簡単に「大丈夫だ!」と思えることをなかなか思うことができず、結果筆が止まりました。

前述した、Chapter2の本文ができていたのに推敲にとても時間がかかった原因がこれです。自作品を見返すのがどうしても怖く、また何かを書くことも怖かったのです。
きっと“正解”ではない、面白くないものを生み出してしまうと思い込み、創作することが怖いと思ってしまっていました。9月~10月頃のことです。

このスランプを脱出するきっかけとなったのは、天文台でした。

天文台も文学フリマと同じく、ずっと行きたかったのですが情勢的になかなか行けませんでした。ですが今年、ようやく行くことができました。
10月のある日、ちょうど天気が良かったため、思いもがけず行くことが決まった天文台。向かった山中の天文台は真っ暗闇で、電灯らしい電灯はありません。
車から降りてふと上を見上げた瞬間、早々に大きな衝撃を受けました。そこには私が住んでいる町では決して見られない星空がありました。
駐車場から見てこれなので、天文台に行ってテラスから見てみると、その星空といったら計り知れない素晴らしさでした。

私も普段結構な田舎に住んでいるのですが、あんな星は見たことがありません。山の上から見る星空は桁違いの美しさがありました。
本当に、本当に綺麗でした。数え切れない程の星、という表現がありますが、まさにそれでした。空の何処を見ても、星の固まりがあるのです。明かりの強い星も弱い星も全て見えるのです。

私は昔から星が大好きな人間でした。天文学など専門分野が得意というわけでは決してないのですが、それでも星の光を見ることが昔から変わらず、ずっと大好きなのです。
何年かぶりに行けた天文台で、改めて、私は星が好きだと感じました。星の光って、まるで心に直接届くような光だなと、その時ふと感じました。

思う存分星を堪能して家に帰ってきた後、ふと私は、どうしてコズミックトラベラーを書きたいと思ったかを思い出しました。星が大好きで、星の光に心を動かされたから、その世界が舞台の話を書こうと思ったのだと。それが始まりも始まりだったのだと。

原点を思い出すのと同時に、その原点も原点を、いつの間にか忘れていたことに気づきました。
創作の始まりを思い出したことにより、自分は今まで何を怖がっていたのかと、ようやく我に返ることができ、このスランプは終わりを迎えました。

割と長いスランプだった分、終わり方が実にあっさりとしていました。ですが、こういう終わり方を迎えて良かったと、心から思っています。
星が私を救ってくれたと。何を言っているんだと思われそうなことを真顔で言ってしまいますが、本気でそう感じました。

原点を忘れないということが私のモットーの一つですが、長く続けていると、気を付けていてもどうしても忘れてしまいます。けれどこの一件で、原点に立ち返ることの大切さを、改めて学びました。

去年も同じようなスランプに突入し、その時は「自分の好きなものを信じて好きなように書く!」という答えを出したので、今年もそれを忘れないように気を付けていましたが……。
なかなか、そんな単純に物事は進まないものですね。ですが悩み続けたおかげで、星のおかげで、本当に大切なことがなんなのかを知ることができました。

この出来事を胸に、来年も創作を続けていきたいと、そう強く思います。
 


来年の目標


去年の創作TALKでは、
「コズミックトラベラーPart6のChapter5とChapter6を完成させる」
「Part7に着手する」
「密かに構想を練っている小説をゆっくり進める」
を目標として述べました。何気に、この目標は全て達成しています。

Part6は全て終わりましたし、Part7を現在書いているところですし、密かに構想を練っている小説も、色々な小説と並行して書いているので進みは凄く遅いですが、一応進んでいます。
今年は満足のいく創作ができなかったと思っていましたが、それでも一年前掲げた目標を全て達成したことは、素直に嬉しいなと感じます。

さて来年の目標ですが、オプションテーマでも語ったように、

・オンラインの創作系イベントにサークル参加する
・コズミックトラベラーのPart7を全て完成させる
・引き続き、密かに構想を練っている小説をゆっくりでも進める
・とにかく、自分の「好き」を信じて、楽しく書く

これらをひとまずの目標にしたいと思います。

2022年はコズミックトラベラーが思うように進まなかったので、2023年はその分も進められたらいいなと思い、この目標にしました。
ですが無理せず、とにかく自分の「好き」に忠実に、節度を守りながら、あまり悩みすぎないようにしつつ、来年も全力で創作を楽しみたいと思います。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
よいお年をお迎え下さいね。