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アコースティックは嫌いだ

アコースティックとは、電子装置を使用しないこと、またそのような楽器を指す言葉らしい。

私はその、アコースティックが嫌いだ。

種類としてはピアノ、ベース等があるらしいけれど、一番最初に思いつくのはギターだろう。

ここではよく使われるピアノとギターを比べよう。

ピアノは88鍵あり、人間の耳で聴き取ることの出来る限界の音の数らしい。対してギターはピアノの鍵より82少ない6本しか弦が存在しない。低高音を出すなら左手で調整することで音を出す。

私はピアノの音色が好きだ。

理由を問われるとあまりはっきりした理由は出てこないけれど、特に低音と高音の音色が好きで、人間が出せない音を鍵を指先で押すだけで操っているような。遊ぶような感覚がすごく好きだ。曲名を挙げるならヨルシカの『だから僕は音楽を辞めた』だ。私はまだこれ以上に綺麗なピアノの音色に出逢っていない。

88鍵の音で感情や風景を現しているピアノに対して、ギターは先程も書いたように6弦しかなく、ピアノに比べて限りある音数で音を奏でなければならない。

だから私は、ギターの音色が嫌いだ。

理由は単純だ。限りある音で風景や感情を表現しているからだ。あとひとつ音があるとするなら歌声だろう。アコースティックギターで弾いている曲は大抵哀しい。悲しいじゃない、哀しいのだ。大切な人の、誰にも言っていない出来事や秘めた想いにに触れるような、そんな繊細さがある。それがどうしても好きで、大嫌いだ。大嫌いで、好きだ。そんな限りある音と声で歌わないで欲しい。ずっとずっと哀しくなるから。普段、曲調が明るい、背中を押してくれるような歌詞を聴いている私にとって、アコースティックギターは本当に、思わず涙が溢れそうになる。

曲名を挙げるならSEKAI NO OWARIの『エデン』だろう。極力ギターの音色しか使われていない曲を挙げたけれど、やっぱりこの曲も綺麗だ。それがどうしようもなく好きで、嫌いだ。


そんなことを有名曲のアコースティックverを聴いてふと思った。

私はこの人をYouTubeのおすすめで知って、初めて聴いたのがこの曲だったと思う。透き通る歌声とギターの音色が綺麗で、一瞬で魅了された。その次に聴いたのが羊文学の『1999』だった。この曲は自動車学校の一段階で指導してくれた指導員さんがLINE BGMにしていた。そんなことを書き綴った感情たちは下記のしずかなインターネットに載せている。時間があれば、ぜひ。

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