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『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』ロングラン上映館と座席稼働率の調査レポート

あさだ
https://twitter.com/k_Asada87



目的

 本稿の目的は、筆者が体感した『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(以下『劇ス』)という作品のロングランぶりと混雑ぶりが、熱狂的な舞台創造科による集団幻覚ではなかったことを上映期間と座席稼働率を調査し、確認することである。

背景

 『劇ス』は、2021年6月4日の公開以降、BDが発売されて久しい2022年3月現在も、なお上映されているロングラン作品(*1)である。本作の内容はこの企画で筆者以外が考察しているため割愛するが、本作のキラめきが、多くの在校生舞台創造科の目を灼いたことは周知のことである。映画館で強烈な{歌劇}体験をした在校生らは、研究活動に勤しむために何度も映画館に通った。そしてその度に、長文のfusetterや、激エモnoteなどの成果報告を投稿し盛り上がった。中には、その様相を見て興味を抱いた初見勢を{歌劇}体験の沼に突き落としては感想を噛みしめるような、新入生勧誘に精を出す在校生も目撃された。その異様な盛り上がりと、『劇ス』の上映館が少なかったことも相まって、本作がカルトめいた様相であるとの投稿も散見された。

 『劇ス』が公開された2021年の映画産業は特殊な環境であった。2020年以降の映画産業は新型コロナによって大きく影響を受けたからである。2021年4月末に大都市圏に出された第3 回緊急事態措置では5月末日まで映画館が休業したことも記憶に新しい。また、映連(2021)が毎年1月に公表している日本映画産業統計(*a)によると、コロナ前の2019年に公開された映画作品は1,278本あったが、2020年は1,017本、2021年は959本である。2019年と2021年を比較すると、公開本数が319本(25%)減少している。言うなれば、コロナ前と比して約300本分の上映枠が空いていたと推察できる。この点から、『劇ス』を含む2021年公開の作品はロングラン上映になりやすいと言える。

 映画の上映期間について、細野(2021)(*b)は以下の4点に言及している。

  • 映画作品の上映期間は、ファーストラン期間とロングラン期間で構成される。

  • 一般的に、ファーストランは最低4週間、平均で5〜6週間、最大8週間の契約である。

  • それ以降の期間は、上映したい映画館が上映を行うロングラン期間である。

  • 観客が入る作品は、映画館がロングランの措置を行う。

 細野の言説を基にすれば、ロングラン上映の期間とは、ファーストランの期間を超えて映画館に上映継続の選択権がある期間と定義できよう。そこで、映画館による上映終了が可能となる期間、すなわち大手シネコンチェーンの初出上映終了日の翌日をロングランの開始日として定義した。

 また、本稿では観客が入るという表現を、座席稼働率が高いことと定義した(*2)。映画館について産業組織論を用いて分析した池田(2012)(*c)は、「映画館の市場成果は稼働率に焦点が絞られる。映画館の稼働率とは、収容能力に対する実現された入場者数との比率である」と述べている。この指摘から、映画館は総座席数というリソースが限られる産業構造上、供給可能な座席の総数における販売座席の総数の割合で求められる「座席稼働率」をいかに高められるか、という視点を重要視していると考えられる。

 そこで本稿では、『劇ス』及び比較対象作品の上映期間と座席稼働率を調査することとした。


*1 『劇ス』とは、メディアミックスIP『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の新作劇場版アニメーション作品である。当初は2021年5月21日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で公開日が延期された。

*2 「観客が入る」には「観客動員数(販売座席数) が多い」という定義も考えられる。しかし、販売座席数のみでの比較では、座席数というリソースの効率性を考慮することができない。例えば、1日の観客動員数が1万人の作品が2本あって、前者は上映50館で平均2回上映の作品、後者が上映200館で平均4回上映の作品で、両者とも1スクリーンあたりの平均キャパシティが200席だとすると、前者の座席稼働率は50%(1上映回あたり100席)、後者は6.25%(1上映回あたり12.5席) となる。収益を目的とした上映期間の延長を検討する際に、 両者を同列の観客の入りとして扱うと考えるのは現実的ではない。

調査

 本稿では以下3点の調査を行った。

 1点目は『劇ス』の上映館ごとの上映期間の調査である。期間調査の手法は、WayBack Machineを使用した『劇ス』公式サイトTHEATRE(*d)ページのアーカイブ情報の確認と、Twitterの検索機能による投稿の確認を用いた。Twitter検索は、各映画館の上映スケジュール告知や、一般ユーザーによる映画館サイトに掲載された終了予定日のスクリーンショットを含む投稿、映画館での鑑賞報告を確認できた投稿などから、週単位での上映有無を精査するために用いた(*3)。

 2点目は『劇ス』と、後述する比較対象作品の上映期間の調査である。ただし比較対象作品においては、1点目の上映館ごとの上映期間を十分に収集することができなかった(*4)。そのため、ここでは参考指標として映画の座席販売数をランキング化しているWebサイト『興行収入を見守りたい!』(*e)より、(独立系を含む)デイリー合算ランキングの記事数をおよその公開日数の代替数値として用いた。つまり、該当作品がランキングに入っていれば、その日は確実にどこかで上映されていたということになる。そのランクインした記事数を、ひとまず公開日数の参考数値としたということである。本調査では、細野(2021)によるファーストラン最短期間、かつ記事での取得精度が高い公開日からの4週間(*5)となる2021年6月4日から2021年7月8日までの記事を収集し、記事内に該当作品が登場した回数を「記事数」と表記する。なお、同記事数による代替をあくまで参考指標とした理由は、以下の2点である。1つ、同記事は販売座席数上位25作品のランキング記事であるため、対象が上位25位未満になった場合に記事数と上映日数が一致しないこと。2つ、データソースが個人収集であり、実数と乖離があることである(*6)。

 3点目は、『劇ス』と比較対象作品との座席稼働率の比較である。上述のランキング記事から、座席稼働率を求めた。比較期間は、調査2と同様の4週間(28日間)とした。ただし、前述の通り同記事はデイリーランキング形式ゆえに、28日間中にも該当作品の掲載がない日が存在したため、一部筆者試算による補完を行っている。

 以上の3点の調査を、以下では「調査1」「調査2」「調査3」と称する。


*3 調査1の手法は、映画公式HPのアーカイブ、及び作品の公式Twitterアカウントでの告知Tweetなどから、およその上映期間を取得した。しかし、公式アカウントの更新は確実になされるものではない。そこで、連続7日間以上の空白が無いことを証明するために一般ユーザーの投稿をTwitterで検索し、各館の上映期間を確定する手法を取っている。

*4 比較対象である『シドニア』、『ポンポさん』では、調査1の手法のうち、公式HP/公式アカウント情報でおよその期間を確認することはできたが、連続7日以上の空白期間を補完する一般ユーザー投稿が少なく、精度を保証できなかった。『閃ハサ』、『肉子ちゃん』では、公開館数が極端に多く、公式情報でさえ検証が膨大なため断念した。そこで、一定の基準で毎日の数値を確認することができる本サイトの記事数を用いることとした。

*5 本稿における1週間の定義は、映画封切り日の曜日を起点とした7日間とする。本稿では、金曜日から木曜日となる。

*6 同サイトは、個人がインターネット上の映画チケット販売ページを概ね20分ごとに半自動収集し、座席販売数などを集計した映画チケット販売数ランキングサイトである。今回用いた記事は、それら速報数値をすべて合算し、1日1回投稿される前日取得数値の確定版記事である。また、記事自体がすべてランキング形式であり、全作品の数値を正しく取得できない。そのため、サイト内の数値と実数との乖離が存在することについては同サイト管理者のブログでも注意喚起がなされている。興行収入を見守りつつ, 閲覧日: 2022-3-27, https://www.mimorin.net/2018/05/03/post-262/.

比較対象

 調査2、調査3での比較対象として、『劇ス』と同じアニメ映画であること、さらに2021年の外部環境を鑑み以下4作品を選定した。『劇ス』と同日公開の 『シドニア』 『ポンポさん』と公開日が翌週の 『閃ハサ』 『肉子ちゃん』という、『劇ス』に公開日が近しい作品である。公開時期の近さを重視したのは、映画館の営業休止というイレギュラーな外部環境であったため、なるべく条件を揃えたかったからである。またいずれの作品もSNSでの話題作であったことも一因となっている。

 正式なタイトルは以下の通りである。以降、タイトル名ではなく略称を用いる。

 6月4日(金)公開
 シドニア:『シドニアの騎士 あいつむぐほし』
 ポンポさん:『映画大好きポンポさん』
 6月11日(金)公開
 閃ハサ:『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
 肉子ちゃん:『漁港の肉子ちゃん』

調査1:『劇ス』上映期間

 『劇ス』上映期間について以下2点の結果が得られた。1点目は、『劇ス』のロングラン上映期間が、公開5週目以降(*f)だということである。これは大手シネコンチェーンによる初出の終了予定日が、公開28日目の7月1日であることから判断した。2点目は、2022年3月31日時点で把握できている『劇ス』上映館全88館(*g)のうち、特にロングラン上映を行った映画館を抽出できたことである。抽出結果を連続上映期間が長い順に示したものが表1である。なお、連続上映とは7日間以上続けて上映がない期間が存在しない(上映がない曜日が2週続けて発生しない)ことと定義し、上映がない期間が7日以上挟まった場合は再演として集計している。

 公開日2021年6月4日からの最長となる連続上映期間の日数はTOHOシネマズ立川立飛の211日であった。なお、ファーストラン上映館で2022年1月半ばまで上映し、最長と思われたイオンシネマ海老名は、休演期間を挟んだため、累計203日である。また、この間に14回の延長と4回の再上映を行う旨の投稿を行っている(*7)。

表1 『劇ス』を公開8週目以降も継続してロングラン上映した映画館の一覧
(図表はいずれも筆者が作成)

調査2:上映期間比較

 販売座席数上位25作品のランキングの記事数、及び記事内容の調査から、『劇ス』が同時期の他作品と比べてもロングラン上映であることが確認できた。さらに、公開前の集客期待値に対してロングラン期間が長く、『劇ス』のヒットが他作品と比べて「想定外」だったことがうかがえた。

 記事数の集計、及び、同記事から求めた各係数の一覧を表2に示す。

表2 連続上映に相当する『(独立系を含む)デイリー合算』記事数と係数


 記事の最終日が5週目以降であることから、『劇ス』がロングラン期間に突入していることが分かる。また、比較基準として併記した2021年6月の金曜日に公開された新作映画27作品(*8)の平均(Av.6月)以上の記事数であることから、一般的な作品の上映期間より『劇ス』の上映期間が長かったこともうかがえる。さらに、公開日から最初の週末までの金土日3日間の平均値を、オープニング(以下、OP)期間の数値として、記事内のデータから1日あたりの上映館数(OP館数/日) と上映回数(OP回数/日) をそれぞれ求めた。これらOP期間における1日あたりの上映館数や上映回数は、公開前の作品の評判や事業規模に応じた供給量であることから、作品への当初の集客期待値の指標になると考えられる。

 ここで、当初の集客期待値と実際の集客数のギャップが大きいほど、ロングラン期間が長くなるのではないかという仮説を立てた。そこでロングラン期間の指標となる記事数を、作品の集客期待値の指標となる数値(OP館数/日とOP回数/日)で除して、ロングラン期間の長さと当初の集客期待値との関係を調べた。具体的には、OP上映期間1日かつOP上映館1館あたりの記事数係数(記事数/OP1館・日)と、同1日かつ上映回数1回あたりの記事数係数(記事数/OP1回・日)である。これら係数は、OP期間に用意された上映館数、上映回数の供給量、つまり「これくらい埋まるだろう」と期待して供給した鑑賞機会に対する結果としての鑑賞機会であることから、公開前の集客期待値に対する成果を示す指標であると考えられる。

 表2より、『劇ス』はOP期間に期待された1日の上映館数1館に対するロングラン期間が0.70と最も高いこと、またOP期間に期待された1日の上映回数1回に対するロングラン期間も0.26と最も高いことが明らかとなった。つまり、今回の比較対象において公開前の集客期待値を大きく上回る結果を残した可能性が示唆されたと言えよう。なお、当初の集客期待値とロングラン期間との関係性を示すまでには至らなかった。

 ちなみに、『シドニア』、『ポンポさん』の2作品は記事数こそ21ではあるものの、公式サイトやTwitter投稿から、8月の上映を確認できており、比較対象の4作品ともロングラン上映であることは断っておく(*9)。


*7 Twitterにて" スタァライト"(from:sc_ebina1)の検索結果を最新表示にし、上映期間中の投稿から、「延長」と「再上映」を含むTweetを集計した。なお、検討からの決定、リマインドのように同一上映期間(1週間)への言及が複数ある場合は、1期間に対する告知とみなし1回でカウントしている。

*8 2021年6月公開の新作映画27作品一覧 2021年6月公開の映画,MOVIE WALKER PRESS, 株式会社ムービーウォーカー, 閲覧日: 2022-3-27, https://moviewalker.jp/list/2021/06/.
<公開日:作品数(作品名) >
6/4: 9本(劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト/シドニアの騎士 あいつむぐほし/映画大好きポンポさん/るろうに剣心 最終章 The Beginning/はるヲうるひと/胸が鳴るのは君のせい/ 2gether THE MOVIE/グリーンランド -地球最後の2日間-/コンティニュー)
6/11: 7本(機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ/漁港の肉子ちゃん/映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ/ 「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択/ブルーヘブンを君に/キャラクター/ Mr.ノーバディ)
6/18: 6本(ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~/ザ・ファブル 殺さない殺し屋/リカ ~自称28 歳の純愛モンスター~/クワイエット・プレイス 破られた沈黙/モータルコンバット/RUN /ラン)※『RUN/ラン』で1作品
6/25: 5本(劇場版 Bang Dream! Episode of Roselia II : Song I am./それいけ!アンパンマン ふわふわフワリーと雲の国/夏への扉-キミのいる未来へ-/Arc アーク/ピーターラビット2 バーナバスの誘惑)

*9 『シドニアの騎士 あいつむぐほし』ロングラン期間6/25〜8/5?、終了開始:6/24、MAX : 8/5(チネチッタでの観劇投稿Tweetより) : chan_i(@oisii_monao), 閲覧日:2022-3-27, https://twitter.com/oisii_monao/status/1423111176142016515?s=20&t=JZTje_cdH57ONwssV-a1Kw.

『映画大好きポンポさん』ロングラン期間6/15?~、終了開始:6/14?(公
式HPでMOVIX伊勢崎のみ取得できなかった)、MAX: 8/26(EJアニメシアター新宿での千秋楽と思われるTweetより):魔人商会(@Berdysh_
Assault), 投稿:2021-8-26, PM4:51, 閲覧:2022-3-27, https://twitter.com/
Berdysh_Assault/status/1430799982278238208?s=20&t=pv70HtsMgwuI8-
UeGr0w9g.

調査3:座席稼働率比較

 座席稼働率の調査は、同ランキング記事を、公開日から4週間分確認し、座席の「販売数」と提供される「座席数」の数値を集計して行った。仮に全上映館の全上映回で満席を取得できた場合、販売数= 座席数となる。つまり、販売数を座席数で割ることで、座席稼働率を算定できる。

 なお、ランキング記事である特性上、対象作品が販売座席数上位25 作品未満となった日はデータが残っていない。データ欠落日(*10)は『劇ス』に3日、『シドニア』と『ポンポさん』に7日、『肉子ちゃん』に1日存在した。そのため、データ欠落日の数値は筆者試算による補完を行っている。具体的には、調査2と同様に2021年6月に公開された新作映画27作品のデータから、「販売数」と「座席数」それぞれについて公開2~4週目の平均変化率(対初週比)を算出し、欠落日と同一曜日の前週数値に乗じて求めた。補完後の集計より、図に週の平均座席稼働率推移を示した。なお、調査2同様、一般作品の基準としてAv.6月の27作品平均座席稼働率推移も示している。

図 週間平均座席稼働率の推移

 調査の結果、『劇ス』は座席稼働率の4週平均値が19.9%と最も高いこと、公開3週目に全作品・週で最も高い週平均24.9%の座席稼働率を記録していることが判明した。また、Av.6月の比較から、『劇ス』及び『シドニア』、『ポンポさん』、『閃ハサ』の4作品は平均以上の座席稼働率であることが読み取れる。


*10 『劇ス』の3日は6/24,6/30,7/1、『シドニア』の7日は6/25~7/1、『ポンポさん』の7日は6,24,6/25,6/27~7/1、『閃ハサ』は0日、『肉子ちゃん』の2日は7/6,7/9である(『シドニア』、『ポンポさん』は21日分しか記事が存在しなかった)。

結果と考察

 調査1では、『劇ス』が細野(2021)が言及するロングラン上映に該当することが判明した。さらに、公式告知及び舞台創造科の熱狂的Tweet(*11)によって、公開8週目以降のロングランを支えた映画館を一覧化することができた。

 調査2では、参考指標ながらWebサイト『興行収入を見守りたい!』の記事数によって『劇ス』が他の作品にも比してロングラン上映であることが認められた。さらに、OP期間における1館あたり、1回あたりの記事数係数が高いことから、公開前の集客期待値を上回る結果を残した可能性が高いと考えられる。ただし、コロナ前後における上映期間の変化の検証までは行っていない。

 調査3では、ファーストランの4週間において、『劇ス』の平均座席稼働率が比較対象作品の中で最も高い水準で推移していたことが判明した。この点から、『劇ス』は池田(2012)が指摘する座席稼働率の点で優れていたことが明らかとなった。

 これらより、本稿の目的である『劇ス』のロングラン上映と混雑は舞台創造科の集団幻覚ではないことが証明されたと言えよう。なお、前述したとおり本稿では表2で求められた座席稼働率と上映期間の代替としての記事数、及び各係数の関係性を証明することを試みたが、証明には至らなかった。統計学的なアプローチを行うことで、上映期間と座席稼働率の関係性を検証することは可能であると思われる。しかし、本稿調査では、すべて手動で記事にアクセスしデータを取得していた都合上、これ以上の調査拡大が不可能(*12)であった。このデータ取得方法の改善も含めて、次回以降の課題としたい。


*11 調査1の手法は、一般ユーザー舞台創造科による、ロングラン上映館への言及や上映館単位で予定の更新や予約・座席選択画面、半券写真などの投稿が群を抜いて多かったために可能であった。

*12 仮に、許容誤差5%、信頼度95%、回答比率50%とすると、無作為抽出で必要なサンプル数は、2021年公開959作品では275作品、2021年6月の金曜公開27作品公開の場合でも26作品必要であり、成し得ることができなかった。データサイエンス情報局, アンケート調査の必要サンプル数計算ツール, 閲覧日: 2022-3-27, https://analysis-navi.com/?p=641.

参考文献リスト

a) 映連(2021): 一般社団法人日本映画製作者連盟, 日本映画産業統計,2022-01, 閲覧日2022-3-27, http://www.eiren.org/toukei/data.html.

b) 細野(2021): 細野真宏, 「100 日間生きたワニ」は黒字?赤字? 100 ワニから学ぶ映画興行の仕組み, コラム: 細野真宏の試写室日記 - 第135 回, 映画. com, 株式会社エイガ・ドット・コム, 閲覧日2022-3-26,https://eiga.com/extra/hosono/135/.

c) 池田(2012): 池田 光男, 池田光男の生衛業研究『飲食業、理・美容業、映画館など生衛業の経済学的な分析』, 生衛業研究,7章―3 映画館の市場構造・市場行動・市場成果,2012, P.74-P.87, 閲覧日:2022-03-26,http://mitsuo-ikeda.la.coocan.jp/bind_final/bind7-3.pdf.

d) Project Revue Starlight, THEATRE -新作劇場版, 閲覧日:2022-03-27, https://cinema.revuestarlight.com/theater/.

e) 興行収入を見守りたい!, 閲覧日:2022-3-31, https://mimorin2014.blog.fc2.com/.

f) Project Revue Starlight, THEATRE -新作劇場版, 2021-06-29, 閲覧日:2022-03-27 ,https://web.archive.org/web/20210629171904/https://cinema.revuestarlight.com/theater/
6/29時点7/1終了:イオンシネマ系列、シネマサンシャイン系列7館

g) Project Revue Starlight, THEATRE -新作劇場版, 2022-03-31, 閲覧日:2022-03-31,https://cinema.revuestarlight.com/theater/.

参考サイト

  • Project Revue Starlight, 劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト公式サイト, 閲覧日: 2022-3-31, https://cinema.revuestarlight.com/.

  • 弐瓶勉・講談社/東亜重工重力祭運営局, 映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』公式サイト, 閲覧日: 2022-3-27, https://sidonia-anime.jp/.

  • 2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/ KADOKAWA / 映画大好きポンポさん製作委員会, 劇場アニメ『映画大好きポンポさん』公式サイト, 閲覧日: 2022-03-27,https://pompo-the-cinephile.com/.

  • 創通・サンライズ, 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』公式サイト, 閲覧日:2022-3-27, http://gundam-hathaway.net/.

  • 2021 「漁港の肉子ちゃん」製作委員会, 劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』公式サイト, 閲覧日: 2022-3-27, https://29kochanmovie.com/.

  • 2021 年アニメ映画・劇場場一覧, アニメイトタイムズ, 株式会社アニメイト, 閲覧日: 2022-3-27, https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=13952.

  • WayBack Machine, INTERNET ARCHIVE, 閲覧日: 2022-3-27, https://archive.org/web/.

著者コメント(2023/7/1)

あさだです、読んでいただきありがとうございました。
当初は寄稿を考えておらず、学会への寄付だけでもできないかな? など言い訳を重ねていたのですが、気づいたら「私も……みんなに負けたくない……」とこのスーパーゴウカァロンブンシュウに飛び込んでいました。

内容ですが、私が知りたかった「興行としての劇ス」に関するレポートとなっています。
本当はロングランと座席稼働率の関係まで言及できればよかったのですが、データソースの問題や、素人には詰め切れなかったこともあり、この形式に落ち着きました。
眉唾の域は出ていませんが、ロングランの日数や劇場、劇スの混雑ぶりをなんとか示せたような気がします。

#ちなみに 、論文入稿後に存じ上げたのですが、ロングランについては
 私より詳細に各劇場単位でまとめられている方がいらっしゃったので、
 その方のスプレッドシートも是非ご覧になってみてください。すごいです。

最後に感謝を2つ。
1つは、今回『劇ス』の上映館ごとの公開日数を集計できたのは、
観劇報告や劇場ごとの上映予定、ロングランへの言及を山ほど投稿してくれていた舞台創造科の皆さんのおかげです。
ありがとう舞台創造科。Forever舞台創造科。
おかげで『劇ス』だけは何とか毎週の生死を映画館ごとに調査することができました。
けどね、異様でした。そらTwitterで『劇ス』の検索サジェストに「カルト」とか出ます、分かります。

もう1つはこんな面白い&手のかかる作品を作ってくださった主催チームの皆さん、有志スタッフの皆さん、そして異様な企画が成立するほどの熱を帯びた作品『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』に携わったすべての方へ心より感謝申し上げます。

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