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1988

借りたギターを抱え
窓から見える三日月を眺めた
コードすらわからなくて
ひんやりとした光をただ受ける

何かが変わると思った
生ぬるい自分の生き方を
そっと慰めて
少し強がりたかった

奏でたメロディーは
幼子のように
頼りなげに歩き出し
心に落ちていく

指が動かずに
苛立つ日々が過ぎていったけれど
3つのコードから
初めて曲が生まれた

殺風景な歌に
たどたどしいギターソロ
モヤモヤしていた気持ちが
スッと溶けた感じになった

奏でたメロディーは
幼子のように
頼りなげに歩き出し
心に落ちていく

最近はめっきり
弦も変えずに
少し埃かぶって
こちらを見ているようだ

悲しい顔するなよ
少し忙しかっただけ
小さなアンプのスイッチ入れて
愉快に演(や)ろうよ

奏でたメロディーは
幼子のように
頼りなげに歩き出し
心に落ちていく

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