社会の仕事の厳しさと給料その2

給料面はその1で書いた通りで、同じ位の時間刑務所で働いても、社会でその位働けば何十倍の収入が得れるので出所後一回目の初給料は小躍りするくらい嬉しいものです。ただ中途採用で給料の締め日と、支給日の関係で一ヶ月分丸々は入って来ないケースの方が多いと思うので、まずは我慢。それでも刑務所の3ヶ月分は余裕にあるので嬉しいことには変わりはありません。次の一ヶ月まで頑張れば丸々一ヶ月分の給料を貰えるのだからそれまではなんとか食いつないで過ごすと。それまでしんどかったら福祉制度に頼るのもいいと思います。役所だから敷居が高く感じるかも知れませんが、刑務所出所者が自分の力だけで入所前又安定していた生活を送っていた時の頃の生活水準まで持って行くのはかなりというか、本当に大変で困難な事ばかりなので見栄や格好など気にせずある制度は活用した方が安定した生活への近道だと私はそう思います。
仕事に関しては、刑務所は軽作業が、ほどんどの受刑者がやる作業の内容が今の刑務所の現状なので、それから比べれば社会は色々な職種があるし、軽作業じゃない仕事の方が、多いのではないかと思います。
 当然体力的にも、精神的にもハードですから、就職してからしばらくは身体もついていかず、頭もまだムショボケしているので、自分としてはしっかりしていると思っていても社会の人から見ればモタ(刑務所の中の隠語でとろいの意味)だなぁ、と思われるところもあるのではないかと思います。私自身、刑務所にいる時に運動出来る時間に目一杯筋トレして体力には自信があったし
、頭もしっかりしていると思っていましたが就職して仕事を始めてから身体がなかなかついていかず毎日毎日、クタクタ状態でしたし、刑務作業と違って色々動いたり、考えながら仕事するので頭もついていかずかなりしんどい思いもしました。でも、このしんどいのを越えれば楽になると、今頑張ればこの先少しずつ安定した生活になると思って頑張って今、就職して3ヶ月が経って試用期間を終えて本採用で正社員になることが出来ました。社会の人から見ればなんてことないことかも知れませんが、刑務所出所者の社会復帰してからの本当の社会復帰は困難の連続でその険しい山の一つをまず越えられたのは、自分の気持ちをしっかり持ってブレずに入れたからだと思います
 勿論自分一人だけの力だけじゃなく周りの人、自分と関わっている人達の協力のお陰もあります。
 今の職場は力仕事で、時間に追われる仕事なので最初は先輩達が厳しく思えて、パワハラまがいなことも受けたり色々あり大変でした。なんで、そんなことまで言われなきゃならないんだということも何度もありましたし、その度に違う仕事を探そうとも思いながら毎日出勤していました。しかし、そんな自分の気持ちを変えることが起こったのです。厳しく、パワハラ連発の先輩から仕事の事でちょっとした言い合いになり終いには、その先輩に「お前辞めちまえよ!」と怒声で言われたのです。その瞬間私は違う仕事探そうとか思って迷いも吹っ飛び、「辞めてたまるか!辞めたら俺が負けだ!」という気持ちに瞬時に変わり先輩に「俺は絶対辞めませんから!」と言い返していたのです。話しの詳細をお話しするとかなりの長さになってしまうので割愛しますがこの件が、決起になり俄然やる気がパワーアップした事は言うまでもありません。勿論、会社にも先輩や上司にも組織にいたことや、服役していたことなど話してないですし、話してたらパワハラも暴言など吐かれなかったでしょうがそれ以前に採用もなかったでしょう。刑務所のブランクを自分の中で消化しながら他人には知られないで社会の人と同じレベルまで仕事についても然り、生活全般にも持っていくのは本当にしんどいことです。 
 でも、これを越えなければまた刑務所に逆戻りの生活に坂道から転げ落ちるように行ってしまうのは目に見えています。だから、歯を食い縛って一山越えました。越えた先に見える景色は少しですが、安定という山の形です。
 そこまでの辛抱です。出来ないとやはり、再犯に至るのではないかと思います。お金を貰っている以上給料以上の働きをしたいと思って仕事をしていますし、大変で厳しい世の中ですが充実してるなと自身は感じています。
 ご褒美として、自分の趣味のジム通いも再開して、大阪刑務所でドラマの『ルパンの娘』のシーズン1と2を録画のを見て続きを見たいなと思っていたので、公開された『劇場版ルパンの娘』を先日仕事の休みの日に観に行って大変満足しました。こういう自分の好きなことができるのも定職について、定収入があるからこそのことです。仕事は力仕事でハードで8時間働いても休憩が10分しか取れない時もありますが、仕事柄タイトスケジュールなので仕方がないかなと。その代わり定時じやなくても、やることが終わったら早上がりできるので相殺すればいいかなと思いながら仕事しています。

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