社会で生きるための強さを持つ方法

最近でもないが、出所して間もない人が事件を起こしてニュースになっているのをよく見かけますが、同じ出所者としてとても残念でなりません。
せっかくあんな閉鎖的な環境に隔離され、色々な制約と制限された生活から抜け出せ自由と広い世界に戻ったというのに、もったいないというほかありません。有期刑の人間もそうですが、今この瞬間生活している無期懲役の人間から見たら、そんな奴出所させるなら自分は真面目に生きて行くから俺を出所させてくれ!と思っている人がどんだけいることか。宮城刑務所でも11年間生活してきて、無期懲役の人間とも何人と関わってきた中で、実際にそういう事件が新聞で載るたびそんな話しも何度も出て来ていました。出たくても出られない人もいる中、「事件を起こした人達は出所しているのだから、頑張れよ!俺らは出られないんだぜ!」という無期懲役の人の心の叫びが聞こえて来ます。確かに社会は刑務所とは違う厳しさがあり刑務所出所者は刑務所とは違った意味で、大変な思い、苦労をしなくてはなりません。それは私も同じです。今もしんどい思いをしたり感じたりする時もありますが、あんな刑務所の生活に比べればまだまだマシだと思うようにしたり、色々な方向転換の考えをして自分を変な方向に行かないよう舵取りしているから、今こうしてこの原稿が書けたり、好きな音楽、好きな食べ物、好きな服装をしたり出来るんだと思います。もうすぐ出所して5ヶ月になりますが、そんな中でも色々な山がありました。ナニくそという気持ちで一つひとつ乗り越えて、少しずつ色々な事が落ち着いて来ているのを感じるのは、今までは乗り越えられないで再犯に至っていたからなのかも知れません。そんな色々な障害がある中で、心の持ち方もそうですが、これをすれば自分を鼓舞出来る、モチベーションを取り戻せる方法を自分なりに探して、見つけて、実行することが再犯に至らないようにする方法の一つではないかと私は思います。
刑務所と違って、多岐に渡って娯楽も何でもある世の中なので、探す気になれば何かしら見つかると思うのです。
私の場合は、今までの人生もそうでしたが、好きなアーティストの曲を聴くことがまず大きな支えになっています。 前回の原稿にも書きましたが、私は10代の時からB'zのファンで、B'zと共に生きて来たと言っても過言ではなく、B'zの楽曲でどれだけ励まされ、助けてられて来たことか。私の人生B'zというアーティストがいなければ、ここまで生きてこれなかったとマジで思います。なので、今回出所して色々な山があってもB'zの曲を聴いたり、動画を見てモチベーションを保ち続けていましたし、それはこれからも続きます。
それと同時に、趣味の筋トレ。体力を使う仕事から解放され、疲れてはいるもののジムで限界突破するくらいマシーンでトレーニングしながらAirPods ProのノイズキャンセルでB'zの曲を聴くと仕事の疲れもぶっ飛びます。私は、このルーティンで心も身体もリセットされ次の日の仕事や生活を頑張れています。人それぞれなので、パチンコでもいいでしょうし、車いじりでも単車でも、釣りでもゲームでも何でもいいと思います。自分にとって心のモヤモヤや不安、怒り、悲しみ、辛さ等が軽減されるものを何でもいいから見つけ出して実行するべきです。でも、薬に走る等の法律に反することは、その場は軽減されるとしても、倍以上のしっぺ返しがくるので絶対ダメです。
あと、1ヶ月と半月ぐらいで年末年始になり、私としては今回無事年末年始迎えられたら20年振りぐらいの久々の社会での年末年始になるので楽しみですし、落ち着いて社会で迎えられるよう慎重にまた、気を引き締めて生活しているところです。社会だと、刑務所より正月ぽくないと周りから聞いていますが、例え刑務所の年末年始の折り詰めや餅、お菓子などの祝祭日菜よりも質素な食事をしても社会で年末年始も過ごせる方が絶対いいと思うので、この記事をご覧になって下さってる刑務所出所者の方におかれましては、もう少しで年末年始なので、ここで一つ気を引き締めて生活なさって頂きたく思います。刑務所の工場での年末年始前と同じで、調査で昼夜間個室での、ましては閉居罰での年末年始は寂びしいもので、それと同様だと思いますので。ずっと社会で生活している方々も年末に向けてもうひと頑張りしましょう!

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