社会の仕事の厳しさと給料その1

今はアルバイトでも最低時給が上がって来ているので、1日8時間働いてもかなりのいい金額になります。社会にいる人にはそれでも足りないくらいでしょうが、刑務所で作業している身にしてみれば、羨ましい限りです。刑務所の工場で作業し始めたばかりは、1ヶ月の作業報奨金など1000円にも満たないのが現実で社会の人は1時間で刑務所の受刑者の10等工の人間の給料を超えますので、この落差は尋常ではありません。ちなみに刑務所の作業にはランク付けがしてあり、どんな作業でも始めは10等工という等級からスタートします。1等工までありますが、作業によって、3等工が天井だったりもします。でも、1番上の等工に行っても1万円台で頭打ちなので、刑務所の中では高給取りで、みんなから羨ましがられますが社会と比べれば話になりません。私もそういう環境で長きに渡って受刑してきたので、今回ちゃんとした仕事で給料をもらった時は嬉しい思いでした。悪事を働いていた時は給料の何倍ものお金を得ていたときもありますが、所詮あぶく銭、悪銭身に付かずとはよく言ったものです。しっかり汗水流して働いて得た例えば1万円とあぶく銭の1万円は同じ貨幣価値ですが、気持ちが全く違います。これはしみじみ思っています。社会の人はこれが当たり前なのでしょうが悪事ばかりしてきた人間からしてみれば新鮮で、精神的に満たされ、お金の有り難みを感じるものだと遅ればせながら気づかせてもらいました。未だ、刑務所で悪い金儲けを考えている人達に大声で言ってあげたいと心から思います。

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