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句養物語 蓑虫篇 没句募集要項

皆様、この度は花野篇の公開に際して予定にないほど長い時間を頂戴することとなり、誠に申し訳ございませんでした。花野篇は無事に公開する事ができましたが、物語の中身は流れ星から蓑虫まで繋がっているものですから、すぐに蓑虫篇(=完結篇)の準備に取り掛からねばなりません。つきましては、蓑虫篇にて句養する没句を、皆様より募集致します。

兼題「蓑虫」に応募し、入選しなかった句であれば、傍題でも構いません。お一人様一句までとします。締切は、俳句ポスト兼題「水仙」の結果発表が始まるまでです。お預かりした句は、既発作品になってしまいますので、没句が複数ある場合は慎重にお選び下さい。もちろん自信作を寄せて頂いた方がやり甲斐はありますが、どこか別の句会などで使えなくなってしまいますので、ご注意下さい。

ご応募頂いた没句は、その内容に関わらず、必ず物語に登場させ、作者である恵勇が、責任を持ってお話の中で句養させて頂きます。

ただし、今回はストーリーの根幹が先に出来上がっているため、流れ星や花野の時のように集まった句の内容が物語を左右することはありません。とは言え、三部作として面白いものに仕上げたいという思いは、誰よりも強く持っているつもりですので、どうかその点はご了承頂きたいと思います。

注意点としては以上ですが、一点この場を借りて申し上げておきたい事があります。それは、どうしてこんな事をしているのか、という疑問に対する自分なりの答えになるのですが。

そもそも俳句とは何か、という議題になった時、答えは人それぞれかもしれないのですが、自分にとっては「言葉を用いた趣味」という位置づけになると思います。しかし、単なる趣味に留まらない側面がある事は間違いなくて、それがあるゆえに、俳句における「嗜好」は時に偏っていると感じる事がありました。その最たるものが、没句の存在ではないでしょうか。俳句を趣味と割り切ってやっているのに、腕試しに送った渾身の自信作が、箸にも棒にもかからない事は、よくある話です。これは、半分は仕方がない事だと思うのですが、半分は腑に落ちません。つまり、没という結果は、その句の全てを否定しきれるほど、強大なものではないと思うからです。そこに自分自身の抱く「好き」の気持ちを込めたのであれば、結果に関わらず、その「好き」を抱きしめてあげるべきだと思うのです。今回、花野篇を制作する過程で、その事を深く深く考えさせられました。まるで、その事に寄り添ってくれているかのような句が、いくつかあったからです。だから物語の中では、その事に対する自分の想いを、喫茶店のマスターを通じて発信しています。是非、ここに注目して物語を読んで頂ければ幸いです。そして、それが蓑虫篇に応募する没句の選定に、少しでも影響してくれる事を祈っております。

それでは、皆様のご応募、お待ちしております。宜しくお願い致します。

恵勇

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