SteamDeckで外部のツクール製ゲームがやりたい

SteamDeckを買いました! これでついにSteamのゲームが携帯機でできるというわけですね!
しかしながらトラックパッドを携帯機に実装してしまおうという悪魔的発想により異様に重くデカいです。こんなものを電車の中でやっていたら邪魔で仕方がありません。バッテリーの保持時間も短いみたいなので、外でプレイするものではなさそうですね。プレイにそれほど支障は出ないので、重くてでかい以外は素晴らしいアイテムだと思うのですが。
そんな重くてでかいSteamDeck君ですが、折悪く今はかつてエンディング見てやめてしまっていた、ざくざくアクターズの追加イベントを見に行く周期真っ最中なのでした。このゲーム何でエンディング後イベントこんなに充実してるんですか? エンディングはとてもよかったので皆さんもやってください。
ざくざくアクターズはフリーゲームのRPGツクール製ゲームで、残念ながらSteamには対応しておりません。しかしSteamクライアントには外部のゲームを追加するコマンドがあり、公式ドキュメントを見てもSteamDeckにおいて外部のゲームを追加することは可能である様子。
これならば、変なことをしなくてもプレイすることができるのではないか? ざくざくアクターズを寝ながらするためだけにSteamDeckに入れる奮闘が始まります。結論から言うとちゃんとプレイはできましたが、当初の想定より難易度が高かったので、メモ代わりにやったことを残しておきます。

・デスクトップモードにする
SteamDeckは電源ボタンを長押しするとデスクトップモードに行く機能があり、裏側で動いているLinuxに直接干渉できます。Steam外ゲームを追加するにはここに行くしかありません。デスクトップモードにいく方法くらい、もうちょっとわかりやすくしてくれてもいいと思うのですが……
とはいえ、行ったところでLinuxですので、Windowsしか触ったことなかったら本当に何もわからないと思います。サーバーの運用経験がなかったら私も即死でした。
なお、デスクトップモードでは左トリガーで左クリック、右トリガーで右クリックになります。

・プレイするソフトを持ってくる
デスクトップモードではFirefoxが普通に動きますので、いくらでもやりようはあると思います。まずはソフトがないと始まりませんので、SteamDeckのどっかのフォルダにプレイしたいソフトを持っていきましょう。

・Proton GEを入れる
ProtonはLinux上でウィンドウズソフトを動かすことができるSteam推奨の超技術だそうです。
導入方法はこちらを参照しました。

これで起動してめでたしめでたし! となったらこんな記事書いていないわけですが……

・ツクールゲーのGame.iniから「RTP=RPGVXAce」の行を削除する
ツクールゲーにはツクールRTPを利用しているものがあるのですが、もちろんSteamDeckにはそんなもの入っていないので起動できません。ではRTPをインストール……と行きたいのはやまやまですが、LinuxにRTPを入れる方法はまったくわからなかったですし、そもそも入れられるのかどうかすらわからないです。
ですので、ランタイムを落として来て、そのファイルを直接ゲームのフォルダに追加してしまいましょう。これで読み込めないファイルはなくなるため万事解決! となったらよかったのですが、ランタイムのファイルを全部入れても相変わらずRTPが必要ですみたいなエラーが出ます。何故?
調べて見ると、ツクールゲーはRTPの要不要をゲームごとに設定しているようでした。RTPが必要なゲームは、ファイルが存在していたとしてもRTPが読み込めないとエラーを返すというわけですね。
なので、RTPそのものの読込を不要にする設定にします。ツクールゲーのGame.iniから該当の「RTP=RPGVXAce」の行を削除して上書き保存しましょう。ざくざくアクターズはVX Aceのゲームなのでこれで成立したのですが、他の製品で作られたものだとまた別の方法が必要だと思います。

・Linuxを日本語ロケールにする
日本語のゲームは日本語ロケールでやらないとうまく動かなかったり文字化けしたりするようです。上記ランタイム関係の処置をするとランタイムのエラーは出なくなりましたが、代わりに何か変なエラーが出てしまったので、日本語ロケールに変更する対応をします。
しかし、SteamDeckのデスクトップモードには日本語ロケールがインストールされていない様子です。インストールからできる方法を探していたら、ちょうどいいものが見つかりました。

こちらに記載の「japanese_locale_enabler.sh」を落としてきて、バッチを走らせる(右クリックして、Run in Konsoleする)と勝手にインストールした上に、日本語ロケールにまでしてくれます! めでたし……とはなりませんでした。
ちなみに、上の記事にも書いてありますが、Steamのゲームのプロパティにある起動オプションのところに「LANG=ja_JP.UTF-8 %command%」を入れないと正確に動きませんので、ご注意ください。

・sudoのパスワード設定
sudoを発動させようとするとパスワードを聞かれます。何やねん! と思いましたが、パスワード設定をしないとsudoが動かないようですね。
コンソールを起動(デスクトップモード右下アイコンからSystem->Konsole)して「passwd」と打ち込むとパスワードが設定できるので、適当に設定します。これでパスワードを入れることでsudoコマンドが通るようになるはずです。

・バッチ走らせても404エラーになる
これで走らせられるようになったかと思いきや、404エラーが出てデータを取ってきてくれません……理由が全く分からなかったので調べていたところ、SteamOSが最新版でないとリポジトリにアクセスできないみたいですね。トラップ多すぎませんか? 404が出まくって走らない場合はSteamOSを最新版にしましょう。

・音楽ファイルが文字化けして読み込んでくれない
これにて起動するようになりました! やった! と喜び勇んでセーブデータをロードすると、その瞬間音楽ファイルがないって言われて落とされます。しかしもちろんファイルは全部そろっているはず、ということは……日本語名ファイルのエンコードが違って文字化け状態みたいになっているのが原因なのでは?
sjisのファイルをそのまま解凍すると文字コードがutf8にされてしまい、日本語名のファイルが化け化けになって、ゲームが読み込めない状態になってしまうようです。解凍時に文字コードを指定しましょう。

これの一番下にあるunzipのコマンドを使うとうまく行きました。

・結果

ちゃんと動きました! やったね!
このような重くてでかい携帯デバイスに興味がある人はそんなにいないかもしれませんが、備忘も兼ねて書き残してみました。皆さんも正月は寝ながらゲームをしましょう。それではよいお年を。

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