Don't worry

というアプリを入れた。

https://chottodekiru.com/app/dw/

電車の中で痴漢などの性犯罪に遭ってる人が声を出さなくても同じアプリを入れてる人にSOSを通知できるアプリだ。本当に、本当に良い時代になったと思う。

※ここから点線で仕切った範囲は、私が痴漢被害に遭った時の経験を書いています。苦手な方、自分のトラウマを刺激されてしまう方はご自身の判断で避けてください。

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10年以上前、高校生になりたての頃。地元の駅ビルの本屋で痴漢に遭ったことがある。そこは、地域では最大規模の店舗で、通路が少し狭かった。人とすれ違うにはお互い遠慮しなくちゃいけないくらい。私は文庫本を物色していた。

ふと同じ人が何度か後ろを通り過ぎていくたび、妙にぶつかることに気付いた。それは若めのおっさんで、ビジネスで使うような黒くて四角いショルダーバッグを肩から斜めがけにせず垂直に下げていた。そのバッグの角に、人と向き合った時手の甲が見える形で手を置いていた。その手が、通り過ぎるたび私の尻に当たっていた。

最初は気のせいかなと思った。文庫本が置かれている棚は数列あったので私は何度か列の間を移動した。どこに立っても、その人は私の後ろを通り過ぎる。そして手の甲を尻に当てる。

気のせいじゃないと確信した時点で、自覚はなかったけどパニックになっていたんだと思う。店員さんに助けを求めるという考えが全く、これっぽっちも頭に浮かんでこなかった。逃げなきゃ、とほぼ本能的に直感したのだが、お店から出て後をついてこられたらどうしようと考えてお店を出ることができなかった。ただただ本屋の中をぐるぐると逃げ惑った。どこに逃げても男はついてきた。次第に男は大胆になってきて、とうとうすれ違いざま、正面から私の股間あたりに手を当てるまでにエスカレートしていた。どんどん恐怖が増していった。

どうしようどうしようと考えながらとにかくこの時間が早く過ぎてくれることだけを祈って私はまた本棚の前に立った。すると男は私の横に立ち、私の前にある本へ手を伸ばすふりをしながら、とうとう胸を触ろうとしてきた。

奇跡的に、もう本当に幸運でしかないのだが、そこで私は反射的に手が出せた。伸びてくる手を払いのけられたのだ。そして男に向かって「なんですか?」って言えた。逃げてる間にシュミレートしてたわけじゃない。気付いたら言ってた。ただただラッキーだった。

男は「ハァ?」と馬鹿にしたような笑い顔を浮かべながらとぼけた。私は無言で踵を返して、逃げた。ようやくお店を出た。男は追ってこなかった。

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ああいう時、声を出したり助けを求めたりするの、すごく難しい。勇気が出ないとか怖いと言うのももちろんあるし、逃げたいという感情で頭がいっぱいになって、それ以外の選択肢が頭の中になかなか浮かんでこないのだ。たぶん非常訓練と同じで、いざという時身を守るためには、普段から事態を想定した動きを何度も繰り返しておくのと、やるべきことをできるだけシンプルに絞っておくことが必要なんだと思う。余談だが、この出来事でめちゃくちゃに悔しい思いをした私は、その後何度も頭の中でもしまた同じ目に遭ったら今度はこうしてやろうああしてやろうとシュミレーションを繰り返し、次に電車で痴漢に遭った時、無事相手の小指をひねり上げてごめんなさいを言わせることに成功した(良い子は真似しないでね)。

そういう目線で見た時、起動してタップするだけで助けが求められるこのアプリは、非常に効果的で、多くの人を救えるのではないかと思う。だってたいていの人がいつもやっている行動で、そしてシンプルだ。すごく良い。良いものが出た。

とはいえ、このアプリがインストールされていなければSOSは届かない。もっともっとこのアプリは広まらなくちゃいけない。誰かのSOSを拾いそこねることが無いように。どうかみなさんも、ぜひ。



twitterの人に「ブログでやれ」って言われないようにアカウント作りました。違うブログで台湾旅行や入院や手術に関してお役立ち情報書いてます。よかったら見てください。 http://www.ribbons-and-laces-and-sweet-pretty-faces.site