【行政書士試験FIRST STEP】行政事件訴訟法の全体像を掴んでみよう①
皆さま、お疲れ様です。元ラーメン大好き行政書士の鈴木です。
美味しいラーメンを求めて遠征なんてこともしていましたが、体重が激増するのと共に、財布が軽くなっていったので現在は引退しております(笑)
さて、「行政不服審査法の全体像を把握する」に引き続き、今回からは行政事件訴訟法の解説を行っていきます。
行政事件訴訟法、正直なところ暗記必須な部分が多い科目です。
しかし、最初から丸暗記に舵を切る前に、全体像を掴んでみる方が後の勉強に差が出てくると思いますので、ザッと解説させてください。
行政事件訴訟法のイメージを掴む
行政事件訴訟法のイメージを掴んでみましょう。
参考書の並び順は「行政法総論→行政不服審査法→行政事件訴訟法」ですので、多くの方は行政不服審査法を勉強すると思います。
私の解説記事でも行政不服審査法から解説していますのでリンクを貼っておきます。お役立てください。
行政事件訴訟法は行政不服審査法と同じ「事後救済」を目的にしている法律です。
事後救済ということは、行政活動によって国民が被害を受けてしまったので助ける。そんなイメージです。
行政手続法では、「被害が出る前に何とかする」でしたが、事後救済は「被害が出てしまったので何とかする」でしたね。
行政不服審査法と行政事件訴訟法、どちらも事後救済を目的としているのであれば、なにが違うのでしょうか。見ていきましょう。
行政事件訴訟は裁判を行う
行政不服審査法による不服申立て制度は、行政庁の活動を仲間である他の行政庁が審理し、国民を救済するという法律でした。
一方で行政事件訴訟は裁判を行います。
裁判を行う。ここが一番大きなポイントです。この性質から行政事件訴訟法の性格が見えてきます。
2つの法律を比較するために図を用意してみました。
裁判所で行うから法律に反している→違法な活動にしか口出しできない→行政不服審査法は不当までカバーしている。
裁判所で行うから、不服申立に比べて厳格な手続きが約束されるが、その分時間が掛ってしまう→行政不服審査法は簡易迅速な手続きを行う。
現在の段階ではこれくらいのイメージで十分でしょう。
繰り返しになりますが、2つの法律を比較する際には「裁判所で行うから」という視点を持っておくことをオススメします。
行政事件訴訟法とは「取消訴訟」である。
行政事件訴訟法では、訴訟の目的によって訴訟類型という分類分けがされています。以下の図をご覧ください。
………多いですね(笑)
最終的にはこれら全てをどんなものなのか解説できるようになっていなければなりません。もちろんその訴訟のルールについても細かく出題されます。
この辺りは記述問題でも頻出ですから、しっかりと頭に入れておかなければなりません。正直、大変です。
しかしながら、これは「全体像を捉える」を目的とした【行政書士試験FIRST STEP】です。あえてこう言わせてください。
行政事件訴訟法とは「取消訴訟」であると。
数多くある訴訟類型ですが、基本の形は全て取消訴訟(処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴え)であり、取消訴訟のルールがあって、それに付随して義務付けの訴えや差し止めの訴え等が存在しているわけです。
行政事件訴訟法とは「取消訴訟」であるというのはそういう理由なのです。
取消訴訟を中心に考える重要度のイメージ
下の図は行政事件訴訟法で重要な部分についてのイメージについてまとめてみました。
このように多くの論点が取消訴訟を中心に展開し、それぞれが密接に関連付けられています。
これを見れば、まずは完璧に取消訴訟を理解することが行政事件訴訟法を理解する近道と言っても過言ではありません。
今後は上の図に記載したこれらの論点について解説していきます。
次回予告
次回は早速、取消訴訟の中でも特に暗記が必須になる「訴訟要件」。特に原告適格について解説していきます。
丸暗記を始める前に全体像を把握していきましょう!
次回もお楽しみに。
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