見出し画像

赤の他人が「大谷さんは嘘をつかない」と判断するのは知的無謀

エンゼルス時代から公私にわたってパートナーを務めてきた水原氏については「信頼していた方の過ちというのはショック」と表現し、「うまく言葉では表せないような感覚でこの1週間ぐらいはずっと過ごしてきた」と複雑な胸中も明かした。

https://www.sankei.com/article/20240326-PHNYTIWT25FWDIOI5JSQYDGPXY/

大谷翔平さんはこのように述べています。つまり2018年から一緒に働いてきたけれども信用を裏切られてしまった、人となりを見誤っていた、分かっていなかった… ということですね。

6年身近に働いた大谷さんですら、水原さんがそのような人だと分からなかったというのです。そうだとすれば、大谷さんと接触したことのない赤の他人である人々が「大谷さんは嘘をつくはずがない、私には分かる」なんて正しく判断できる訳がないんです。

いや自分には分かる!大谷さんが嘘をつくことはない!と考えている方も、実際いらっしゃると思います。しかし大谷さんも「水原さんが嘘をつくはずはない」と思っていたはずです。それでも信頼を裏切られてしまったわけです。身近で6年働いていても、そうなんですね。

あの大谷さんですら失敗した… という主張を無視して、軽々しく「信じて」しまうのが正しいことだとは思いません。あなたが大谷さんを尊敬しているのであればなおさら「身近な人ですら真実は分からない」という大谷さんの失敗に学ぶべきです。

ですからこのような事案において、赤の他人が「自分には分かる、この人は嘘をついている/ついていない」と憶測を持つべきではありません。それはシンプルに無謀だからです。

そうではなくて、事態の不確実さを受け入れて「自分に真実は分からないけれど、いまは大谷さんの言うことを信じる/信じない」という態度を取るべきです。

大谷さんに限らず、いわゆる「事件の犯人」であったり、著名人や政治家の不祥事であっても同じことが言えます。所詮我々は神ならぬ人間、知らない他人のことなんか分かるはずもないんです。なので簡単に「嘘つきだ」とか「いい人だ、悪い人だ」とか断定しない方がいいです、何もいいことないので。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?