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否定的な感想をソーシャルネットワークに書けば書くほど損なので、なるべく書かない方がいいです

ソーシャルネットワーク、別に問題ないよ!全然いいよ!けども私はそのテキストあんまり好きじゃないかな〜〜ゴメンね〜〜〜!!!!みたいなテキストに出くわすことが多いです。いいんだけどちょっと嫌、みたいなね。

なんでコレ書いたのかな。いやもう全然いいんですけど。いいんですけど、それは飲み会とか家の夕飯とかで言っとけばアハハで済む話だし、現代のインターネットに書かなくてもいいんじゃないかな?ということが多数あります。という話をします。

収録されたサンプルテキストは架空のものですが、すべて類似した参照例があります。

具体的に見かけたテキスト

他業界や業態の包括的な否定

  • 運送や建築、ITみたいな悪い業界だ

  • エージェントは中抜きの中間搾取だ

百歩譲って、自分が属している業界のことを悪様に書くのはまだ分かります(それも個人的には少し苦手だけど)。あるいはケースによりますが、自分が被害を受けている現状を告発するような場合はもちろん異なる問題です。

しかし、叩きやすい業界を手癖でまとめて適当に叩く(叩けばウケると考える)ような発言はあんまり好きではないです。なんかちょっと発想が迂闊すぎませんか?

私はソフトウエアエンジニアなのですが、インターネットで聞き齧った人から「ITって酷い業界らしいね〜転職したら?改善してきたら?」などと言われて嬉しくなることはないです。あんまり嬉しい人は多くないと思いますよ。

他人の金儲けの否定

  • Adobe税

  • 値上げはボッタクリ

これも結構見かけるのですが、見るたびに少しざわついた気持ちになっています。もちろん大企業と中小事業者・消費者のあいだに緊張関係があることは理解できます。そもそも親しみを込めてこう書いたり、それが明瞭に読み取れる(ざわつかない)場合もあるのですが… でもなんかちょっとザワザワします。

これが例えば「クリエイター税が高いから、安い人に替えるほうが得」なんて言ってる人がいたら、あんまりいい気持ちはしないですよね。どういう世界観の人なのかなと思っちゃう。あらゆる金儲けを否定する立場の人なら、そういうこともあるかもしれませんが。

サービスに対する度が過ぎた否定

  • すぐBANされる使い物にならないサービス

  • なんの役にも立たない無能ゴミ運営

無理に褒めろ!いいことだけ言え!とかは思わないです。実際に私も「なんだこのゴミみたいなプロダクト…?」と思うことはあります。というかソーシャルネットワークはそういう悪口を浴びせたり浴びたりするのが楽しいまである。そこにソーシャルネットワークがあれば、その感想をそのまま書いちゃう気持ち、分かります。

ということで書く気持ちはメチャクチャ分かる。分かるけど… でも、それってわざわざ書かなくてよくないですか?なんで書いたんでしょうね?

自分自身、あるいは自分の甥姪の商売なんかがそれ言われてたらどんなもんでしょうか。もしも店頭で「使えないコンビニだな〜!潰すぞ〜!」とか言ってる人がいたら相当ビックリじゃないですか。私はわりとそういう気持ちになるんですよね。

なんでなのか

思うにソーシャルネットワークが進化して世間に浸透し過ぎたせいだと思います。かつてはソーシャルネットワークにも「普段の生活から切り離された空間で、普通なら言えないことを言い合い、身内で楽しむ」という閉鎖的な共犯関係みたいなものがありました。そこでは上で書いたようなことを書いても、あまり違和感がなかった。狭い範囲でしか見られていない前提ですからね。

でも検索とフォロー外サジェストの発達した現代において、身内向けのハイコンテキスト発言は「身内でウケるので醤油ペロペロした」とかと同じこと。実際はもう身内でもなんでもない、世間様が全員見ている行為なんですよね。

技術進歩とサービスの規模的成長によりコミュニケーションの性質が変化した。あわせて私自身のなかでも感覚が変わってきてしまった。それで「前なら平気だったけど今はちょっと違うな〜」みたいなズレが起きているのかと思います。

で、こういうズレは今後もいくらでも起こりうるし、そのたび自分のズレに気づくのは相当難しそうである… そもそもの話、感想を書いた結果として私がアホ晒して恥ずかしいだけならまあいいですが、死ぬまで追い詰められたりするのは流石に困るし、やらかして他人を傷つけたりすれば取り返しがつかないとも思う。リスクが青天井すぎて文字通り命に関わる。これはもう仕組み自体に問題がある。

というわけで、否定的な感想をソーシャルネットワークに書けば書くほど損なので、なるべく書かない方がいいと思っています。感想を書くならまとまったテキストのほうが向いているんじゃないでしょうか。私は当面、ソーシャルネットワークになにも書かない方向で生きていきたいと思います。

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