熱力学 note
「高分子溶液熱力学 — 相平衡の理解 — 奈良女子大学名誉教授 榮永 義之」を勉強するノート
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1.1 定義
熱力学は自然界を2つに分けて議論する。
1. 系(system)...考察の対象になるもの
2. 外界(surroundings)...その他
考察の対象になる『系』の状態変化は『外界』との相互作用によって引き起こされる。
『系』は『外界』との関わり方によって3つに分類できる。
1. 閉鎖系...エネルギーのやりとりはするが物質のやりとりはしない
2. 開放系...エネルギーも物質も行き来できる
3. 孤立系...エネルギーも物質も行き来できない
『系』は成分から構成される。
成分は独立に分子量を変化させることができるものである。
成分の数によって1成分系, 2成分系など呼ばれる。
『系』の状態によって決まる量や『系』の状態を規定する量を状態量とよぶ。
状態量は『系』の大きさに依存するものとしないものがある。
・示強性状態量...大きさに依存しない量(温度、圧力、密度、濃度、屈折率、誘電率等)
・示量性状態量...大きさに依存する量(体積、質量、エネルギー、エントロピー等)
同じ成分の2つの示量性状態量の比は示強性状態量になる。
示強性状態量が均一な空間(つまり同じ分子が状態である空間)を相という。そして『系』の相の示強性状態量が時間に対して一定で空間に対して均一であるときを平衡状態といい、その『系』を平衡系という。
『系』の状態を表すのに必要かつ充分な数の状態量を状態変数 (state variable)と云う。
状態変数は相と成分の数に依存する。
示強性状態変数は「Gibbsの相律」によって関係性が与えられている。
Φ = C + 2 − P
Φ : 自由度...示強性状態変数の数
C : 成分の数
P : 相の数
示量性状態変数については必要かつ充分な数は Φ + 1 個。
『系』を平衡に保つためには『外界』の状態変数が一定でないといけない(外的束縛条件)。
1.2 熱力学第一法則
熱力学第一法則はエネルギー保存則
『系』と『外界』をあわせたエネルギーは不変(一定である)
dU = dQ + dW
U : 『系』の内部エネルギー
Q : 『系』と『外界』とでやりとりするエネルギー
W : 仕事
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