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今さら聞けないフランチャイズの歴史と仕組みとは?

偕老同穴(かいろうどうけつ)
→ 契りを固く結んだ夫婦のたとえ。

夫婦は結婚という契約を結んだ関係のことをいう。

その関係の大前提は、どちらか先に死別するまでは続くというものである。

つまり、夫婦とは固い絆で結ばれており、ビジネスとしても夫婦で始めて大成功を収めるということもある。

よく例として挙がるのが、国内最大手のカレーチェーン店であるCoCo壱番屋ではないだろうか。

創業者の宗次德二氏が夫婦で始めたCoCo壱番屋、通称ココイチはフランチャイズ(FC)として全国に拡がっており、夫婦でフランチャイズを始めるという場合も多いという。

今回は、そんなフランチャイズの歴史と仕組みについてまとめてみよう。

フランチャイズビジネスの始まり

フランチャイズ(FC)はアメリカで始まったといわれている。

その起源は1850年代びシンガー社が、販売権を持つ小売店を全米に設置したことに由来するとされている。

シンガー社は、販売店に対し特定の販売地域を指定してシンガー・ソーイング・ミシンの販売権を付与し、販売割合に対してその対価を徴収する方式を取った。

そして、シンガーミシンという名称を使用することがFCの主な内容だった。

それから同様のスタイルのフランチャイズが、1900年ごろ急速に発展した自動車や自動車の部品供給、石油スタンド、ドラッグストアなどの業界で発展した。

このシステムは、伝統的フランチャイズシステムといわれ、1920年代から30年代にかけて流通業界で確立された。

また、このシステムは、商標ライセンス型フランチャイズシステムとも呼ばれている。

フランチャイズ(FC)の発展

1900年初頭に登場したフランチャイズは、第二次世界大戦を経たアメリカ社会の変遷により形を変えていく。

若い世代が増えると自動車が常用されるようになり、戦争から復員兵が帰還し就職先を探すようにもなった。

こういったこ環境変化の中で新しいフランチャイズ(FC)システムが成長していくのである。

その代表例が、マクドナルドやケンタッキーフライドチキン(KFC)である。

時代は1950年代で、FC加盟者に対するノウハウの伝授や研修や継続的な指導などに注力し、FCチェーン全体の統一的な店舗運営を確立して店舗を増やしていくというスタンスを確立した。

この新しいシステムを、ビジネスフォーマット型フランチャイズと呼び、様々な業界に拡がっていく。

アメリカの社会に受け入れられると、フードサービス業、小売業などの流通業界に携わる企業が次々とFCシステムを採用した。

そして、フランチャイズブームと呼ばれるほど、社会に対して大きな影響を与えるようになった。

現在のフランチャイズ(FC)の基礎は1950年代から続いていると考えるといいだろう。

日本初のフランチャイズ(FC)とは?

1956年(昭和31年)に日本コカコーラボトリングが日本で初めてフランチャイズ(FC)を展開したといわれている。

ただ、この時のフランチャイズは商品商標提供型フランチャイジングと呼ばれるものだった。

自社の商品の流通や販売権を供与するシステムで、いわゆる代理店契約のような形で、運営ノウハウの提供は行われていないというものだ。

現在、一般的にイメージされているフランチャイズ(FC)であるビジネスフォーマット型FCシステムの導入の先陣を切ったのは1963年のダスキン愛の店、不二家である。

中小企業基本法の公布や第一次資本自由化など、法の施行による後押しもあり、1960年代は現在の大手フランチャイザーが姿を現し始める。

その後、1969年に第二次資本の自由化が行われると、運営ノウハウが提供されるFCが増えていく流れが加速した。

1970年代初頭には、ケンタッキーフライドチキン、ミスタードーナツ、マクドナルドなどが続々と登場するのである。

1973年には、西友ストアがファミリーマート、ダイエーがローソンの展開を開始した。

1974年には、ヨークセブン(イトーヨーカ堂の子会社)がセブンイレブンを開店している。

今やコンビニエンスストア業界でNo.1の地位に君臨しているセブンイレブンが、実は後発だったことも面白い。

フランチャイズ(FC)のおさらい

今一度、フランチャイズの根本的な仕組みを振り返っておこう。

フランチャイズとは、フランチャイズに加盟したいという個人や法人が、フランチャイズ本部から、お店の看板、確立されたサービスや商品を使う権利をもらうところから始まる。

そして、加盟した個人や法人は、その対価としてフランチャイズ本部に支払うという仕組みである。

また、フランチャイズの形態における加盟店のことをフランチャイジーといい、フランチャイズ本部をフランチャイザーと呼ぶ。

フランチャイザー(フランチャイズ本部)は、随時新しいオーナーを迎え入れ、短期間で成果の出る店をつくっていく。

仕入れ、販売、集客、採用、商品開発など、ビジネスを行う上で必要な各要素をパッケージにすることで、未経験からでもしっかりとビジネスを行うことができる。

一般的にノウハウは専門的な知識と経験が必要なのでフランチャイジー(加盟店)はそのノウハウを一度に手に入れることができるのが、フランチャイズの最大のメリットだ。

そんなノウハウを受け取る代わりにフランチャイジー(加盟店)オーナーは、ロイヤリティを本部に支払うビジネス構造である。

まとめ

こうして日本でもすっかり定着したフランチャイズ(FC)ビジネスは、今や売上高が20兆円を超えるほどの巨大市場になっている。

普段何気なく利用しているお店が、実はFCオーナーによる経営だったということも珍しくなくなっている。

それから、紹介してきたフランチャイズ(FC)の形態以外にも様々なタイプが登場している。

・商標ライセンス型
・ビジネスフォーマット型
・コンバージョン型
・ターンキー型
・エリアフランチャイズ
・マスターフランチャイズ

フランチャイズ(FC)の歴史を振り返ると、約100年前からあるということは、それだけ長く続いている優秀なビジネスモデルだということもできる。

歴史を知ることが大切だと私が主張する理由は、このように先人に学ぶことからビジネスチャンスが見つかる場合もあるからである。

今後も自分自身のためにも、同様に様々な業界について紹介していこうと思う。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。