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【2020年〜2021年】世界のEVシフトの実態について

雲竜井蛙(うんりょうせいあ)
→ 地位の上下、賢さ愚かさの差が非常に大きいことのたとえ。
ふとしたことで地位が上下したり、大きく差が開いたりする。

今まさに注目されている業界といえば、自動車業界だろう。

ここ数年、ガソリン自動車から電気自動車へのいわゆるEVシフトが進む中で、各メーカーがしのぎを削っている。

日本ではまだまだ遅れをとっているが、他のエリアではどうなのか共有しておこう。

アメリカのEV市場

2021年4〜6月のアメリカでの自動車販売は、前年と比較して大幅に増加した。

GMの2021年4〜6月販売は、前年同期比40%増の68万8,236台と好調に推移しています。

消費活動の再開でスポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップトラックの販売が好調ということである。

一方で、世界的な半導体不足による在庫不足が販売持ち直しのペースを抑える構図が続いている。

同時に電気自動車(EV)の販売も好調である。

ガソリン車の販売台数が落ち込んだパンデミックのときでさえも電気自動車の販売台数は増加しており、まさに転換期が訪れている。

アナリストたちは、大きなブームはまだまだこれからだと予測しており、テスラの株価高騰がそれを象徴している。

株価チャートからみるEV市場の盛り上がり

世界中でガソリン車の販売が終了に向かっている。

純粋に環境に考慮した考え方が拡がっており、10年にはガソリン車の製造販売を禁止する国も出てきている。

そんな中、時代の主役は電気自動車、いわゆるEVへ変遷しつつある。

日本ではEVシフトが全く進んでいないことが、しばしばネガティブに取り上げられている。

では、アメリカでは圧倒的にEVシフトが進んでいるのかといえば、実はまだまだこれからというのが現状だ。

確かにアメリカは日本に比べると規制緩和されて先進的なイメージがあるが、意外と保守的な人も多い。

エリアによって全く価値観が異なるといっても過言ではなく、先進的なところもあれば全くアナログなところもある。

それは、2020年にアメリカで販売されたEV車数は約23万1,000台だが、アメリカの新車市場のわずか2%に過ぎないものだったというデータがなによりもエビデンスになる。

つまり、100台の新車が売れた中でEV車は2台という比率に過ぎないのである。

それから、世界の2020年のEV販売台数は320万台で、これは世界の自動車市場全体の5%に過ぎない。

アメリカに限らず、まだまだEV車が浸透しているとはいえないのが現状である。

でも、裏を返せば伸びしろが十分にあるということだ。

実際に販売は活性化しており、2040年までには全乗用車販売台数の57%、そして世界の乗用車の30%以上が電気自動車になると多くのアナリストが予測している。

そして、これはその後も何十年と続くメガトレンドになることは間違いない。

長期的な投資を目的としている投資家からすると、まさにもってこいのジャンルである。

それでは、2021年はどういった動きになっているのかも書いていこう。

2021年第1四半期の全世界における売上高は154%増加と絶好調だ。

ブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンスの調査によると、EV車の年間販売台数は52%増の470万台という驚異的な数字になる見込みだ。

これでもまだまだ小さい割合で伸びしろがある状態ではあるが、それでも勢いを十分に感じ取れるだろう。

実はこの動きを牽引しているのは、アメリカではなく、中国とヨーロッパであることにも注目しておきたい。

中国とヨーロッパで総販売台数の84%を占めており、それぞれが少なくとも200万台の乗用EV車を販売している。

EV車に連動して売れていくもの

EV車に欠かせないものはといえば、多くの人がすぐに答えることができるだろう。

EV車とは電気自動車なので、必要になるものは電池だ。

今のEV車に使われているスタンダードはリチウム電池である。

リチウム電池はその名のとおり、リチウムが使われている。

2020年のリチウムの世界生産量は8万2,000トンで、2010年以降、世界の生産量は3倍に増加している。

ただ、これだけでは圧倒的に不足しているのが現状である。

EVに限らず、グリッド・ストレージのリチウム需要は、長期的にはEVよりも大きくなる可能性がある。

グリッド・ストレージとは巨大な送電網(グリッド)の内部で電力を備蓄するシステムのことだ。

電気は発電しても結局、蓄電できなければ意味がない。

という意味でも、この分野もまだまだ伸びしろの大きなところである。

このリチウムについては、各国が激しい競争をくり返している。

中国は世界の精製リチウムの60%を生産していおり、欧米諸国は中国がその生産量を武器とすることを嫌っている。

そのため、より友好的な国でより多くのリチウムを生産するための競争が始まっているのだ。

リチウムは世界で最もありふれた元素の1つだが、経済的に採掘可能な量のリチウムが集まることは非常に稀だ。

金属価格が2018年にピークに達した後、昨年に入っても下落し続けていたが、リチウムの価格は再び上昇し始めている。

チャートからすると、確かに底を打ったように見えており、厳選されたリチウム関連銘柄は、今後さらなる高みを目指すことができるはずだとするアナリストが多い。

まとめ

世間では電気自動車のCMも増え、EVシフトを推進していることは明らかである。

ただ、現状は普及するまでにはまだまだ時間がかかるといったところだ。

とはいえ、この流れを止めることは不可避で、長期投資を考えている人にとっては絶好のジャンルであることは間違いない。

もちろん、投資は自己責任だが、この2020年〜2021年にかけての世界のEVシフト事情を少しでも参考にしてもらえたらありがたい。

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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。