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めのすのレポート

「SUSA BIRTHDAY LIVE 2019」
2019年11月9日
新宿御苑サントーサガーデン
出演者(敬称略)
須佐光昭/風間庸平
バンドメンバー(敬称略)
ピアノ:嶋村みのり
ティンホイッスル/アイリッシュフルート:越川翔
ギター:フジイハジメ

人生初のライブが須佐さんで良かった。
須佐さん、ありがとう。

私にとって友人たち(精鋭部隊)と実際に会う機会は、数少ない。
そんな機会は舞台観劇だったり、こういったイベント参加の場合が殆んど。
音楽そのものは好きだし、好きなアーティストと言われればGARNET CROWと挙げることはできる。だが、ライブに行ったことはなかった。
実際GARNET CROWの解散ライブ発表されたときは一般販売に挑み失敗し、転売チケットに手を染めかけた。さすがに高すぎた。行けなかった。そのときの喪失感は大きく、ライブに行く機会そのものから遠ざかってしまった。
そんな私のライブ初鑑賞、友人たちのハイテンション。互いに互いをアゲにアゲまくっていた。

セトリ
※①⑨はOP・EDとしてカウントするのかもしれない
①僕こそミュージック(須佐さん)
②ありあまる富(風間さん)
③枯れ葉(嶋村さん)
④ロンドンデリーの歌(越川さん)
⑤アンタ(昼)/さくら散る(夜)(ハジメさん)
⑥未来花(風間さん)
⑦ネバーランド(須佐さん)
⑧糸(須佐さん・風間さん)
⑨365日の紙飛行機(全員)

なにこの神セトリ。

このセトリを前にして私はただ、聴き、観、集中するような・ふんわりと体感するような、1曲/メロディー/歌詞/その姿をしかと焼き付け、心に刻んだ。

須佐さん、ボイトレが以前の音の領域から変わったとおっしゃっていたが、劇的すぎる。かぼちゃ時代には聞いたことがない音高。その音がまさに「須佐光昭」の今の姿、そしてこれからに向かっていく姿。曲の合間のトークでは、須佐さんの過去に触れる場面があり、存じていなかったことを語っていた。

役者さんの過去は、ぶっちゃけお客さんからすれば「知らなくても良い、どうでも良い」ことだと、どこかで聞いた。
演じている人物そのものへの関心ではなく、その作品に生きる人物がどんなものなのか。役者そのものの個性はいっそ無くて良いのだ、と。
役者の個性云々は、その作品を演じるにあたって「いらない」と。
だから、作品への理解を深め、役への理解を深め、その役がどう生き、どう感じるか。そこに役者自身の物差しはいらない、と。

「それは、かなしくない?」

少なくとも、役や作品への理解を進めるにも、過去の経験や学んできた知識は欠かせないんじゃないの?そこに偏りすぎるのは良くないけど、考えるきっかけや手掛かりにはなるんじゃないの?

それに、舞台(に限らず多くのもの)は「一緒につくるもの」でしょう?

一緒につくる仲間、劇団員、スタッフ等々。関わる相手の存在があるもの。
その相手を知ることや、多少なりとも関係が繋がっていないとつくりあげることってできやしないんじゃないの?

そう、私は思ってる。

だから今回、須佐さんが話してくれたことは須佐さんのことを改めて知ることができた。貴重な機会。今までも役者さんとして好いていたが、より須佐さんのパーソナルな部分を知って「あぁ、この人は本当に良い人で、素敵な人だ」と一層感じた。

トークの中で出演者の方々が、須佐さんのことを「まじめ」と何度も表現されていたところも中々にツボでした。かくいう私も馬鹿真面目らしいので(友人談)

素な風間さんってレア度高いな!
舞台に立つ姿やゲーム実況の姿は拝見してきたが、ほぼ素の表情・状態の風間さんは「お兄ちゃん感」がMAXでした。
歌も本当に上手い。風間さんの歌いやすいキー設定に調整された歌、のびのび歌ってて「気持ちよさそうに歌うなぁ」と。
昼の回に赤ちゃんがいたのも相まって、すっごい朗らかな、和やかな笑顔で歌っていて、昼の回終わりに声をかけたら「赤ちゃんが可愛くてずっとニコニコしてた!」と。

どこにもエンジェルが存在するこの世界は幸せすぎる。

須佐さんのボイトレ講師の奥様でいらっしゃる嶋村さん。
ティンホイッスルとアイリッシュフルートの演奏者の越川さん。
お二人とは完全に初対面でしたが、嶋村さんのピアノ演奏と弾き語り調の歌は透き通るような音と声の伸びに圧巻。
越川さんは今回が初のライブとは思えない立ち居振る舞い、堂々とした軽やかな演奏に会場全体が包み込まれた。馴染みの少ない楽器だが、その音色はどこか懐かしさを孕んだ遠い記憶の故郷を感じさせるようだった。それはもしかしたら前世なのかもしれないと思わせるような音だった。

わざわざ大阪から来てくださった、須佐さんとの付き合いの長いフジイハジメさん。声優学校時代の同期で、現在はギター演奏と歌唱をされているとのこと。昼夜に披露された曲は共にハジメさんのオリジナル。しかも夜のときは、あらかじめ作っていた歌詞にメロディーを当日作ったという「半即興」という凄技に観客のみならず全員が驚愕した。ギターの演奏技術の高さ、その柔らかな歌声は、ちょっとぼんやりとした?マイペースな雰囲気とのギャップが激しかった。
個人的には、過去「音でわかる!風雲かぼちゃの馬車」というニコニコ生放送で放送していた際のリスナーの「ハジメさん」がこの方だったという所に驚き、更に私も知ってた(覚えてた)ことに更に驚いた。当時のリスナーが実はこの日、集結していたという。
人の縁って、つよい。

会場となったサントーサガーデンでの飲食も、充分楽しんだ。
本格カリーに焼き立てナン、異国感のある味付けのチキン、まろやかなヨーグルト風味を感じるラッシー。飲食も、良質な音楽も、トークも、会話も、交流も楽しめる、素敵な素敵なライブでした。

私が好きな風雲かぼちゃの馬車。
過去、退団される方が居た際、SNSを介しての報告で知り「あっ……そうなんだ」と、ショックを飲み込んだ。
それ以降、フリーとして活動される様子等は垣間見てきた。

ふと。思う。
なんでこんなにも寂しく感じるのだろう。
ちゃんと報告はあったじゃないか。その後の活動もSNSで発信されていて頑張ってる姿も見せてもらってるじゃないか。実際追いかけて観に行ったことだって。けれど、私は何か空虚なものを感じずにはいられなかった。

そして、今回。
須佐さんの退団のショックが尾を引いていない。
むしろスッキリしていた。
そうか。
私は今回の機会を「区切り」として認識できたのだ。
須佐さんから「今まで応援してくれてありがとう。これからは僕という個人が何を成していくのかを、見ていてほしい。」というメッセージとして受け取ったのだ。
こういったメッセージを須佐さんの姿から、歌から、トークから、その人柄から私は感じたのだと。
今、これから。歩んでいく決意。
その姿に、素直に背中を押していきたいと。これからも。
須佐光昭という存在を、見続けていきたい。

これからの貴方の未来に、幸多からんことを。

2019.11.18
めのす