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めのすのレポート

「セイジャの静寂」
2020年2月6日~2月9日
シアターシャイン
出演者(敬称略)
牟田朱梨沙/小口美雪/嵯峨利輝斗/鈴木美和/須佐光昭/戌岡あやめ/後藤瑠美/鈴木歩/和泉柚那/片岡文/朝倉利彦

舞台の儚さと桜の儚さをかけているところがとても洒落ていると思います。

初見の団体さんの観劇は何時ぶりだろう。ここ暫くは風雲かぼちゃの馬車に色濃く染まっていたが、他にもこんなに素敵なものを創る団体さんがいらっしゃったとは、とても良い発見だった。

観劇に行くきっかけになった須佐さんには、また良い縁を繋いでもらったなぁ。須佐さんありがとう。

「セイジャの静寂」あらすじ(チラシ参照)

不良女子高生、空。生まれつき、斑に白い髪と灰色の瞳をもち、気味悪がられていた。そんな空の元に、ある日突然堕ちてきた真っ白な少女"アロス"
彼女から"なにか"を感じる空。アロスの世話を焼きながら、空は少しずつ彼女に心を開いていったが……空とアロスは襲われた
明かされる物語、事情、過去。自分が"なんであるか"
「私はどこでなら生きてていいんだろう」
そして、長い長い物語の終わりがはじまる……

私はここに書き記そう。もう時間がない
既に消えゆく記憶をたどり
確実にここに生きた
愚かで醜い、天使たちの物語を

※以下、ネタバレあり感想

空から女の子がー!黒い天使がー!須佐さんがー!←

観劇のきっかけになった須佐さんの役、ミカル。仕事の出来る頼もしい系お兄さんキャラ。でも友人との約束を果たせずに「今度こそは!」と意気込んじゃってて、自分自身の思いと約束を主役の空ちゃんにどこか押し付けて「俺が守る!」ってなってしまったが故の結末を迎えてしまったように思えます。そりゃ空ちゃんからすれば勝手だよね。感情が爆発しちゃうのは仕方がない。でも空ちゃんが冷静を取り戻すことになるきっかけが葉さん刺すってのがマジで悲しすぎるわ。ミカルも「俺守!(俺が守る)」に一人で走ってしまったのは悪手だったんだよなー。うむ。どこまで語ろう←

ビジュアルはデスノート風、中身はどこかBLEACH風。この脚本書かれた方はBLEACH好きなのかしら?奇遇ですね私もです。

冒頭の空がヤンキーに絡まれてる所、空の部屋で空とアロスのやり取り、等々。空の設定にある斑な白い髪とか。天使たちの能力の具現化といった表現、ルファの武器の大刀、随所にあったギャグ展開、等々。BLEACH好きな方がいるのかしら?奇遇ですね私もです。

初見の演者さんが多かったが、声量・演技力共にgood。殺陣は劇場の狭さからか、使う武器の形状からか、アクション面は戦闘シーンが欲しかったから入れてみた、といったところか。衣装も特徴的であったから動きづらいところがあったのかもしれない。どちらかというとアクション<世界観・演出の印象。

天使や堕天使といった「人・人間」とは違う存在も登場したことからも、2.5次元的であったかもしれない。が、突飛なキャラクターでもその「人」としての感情や想い、会話のやり取りから、一人の人としてそれぞれが丁寧に表現されているようだった。なんというか、突飛なキャラクター設定でも「あぁ、納得できるな」と思わせるような、そんな存在感。天使だろうが堕天使だろうが、特殊な力があるだけの「人」ということを納得できた、といったところかな。

そんなことから漫画的といえば漫画のようであったかな。見る側とすれば理解しやすいとは思う。でも120分はちょっと長かったかな。もう少し詰められるところはあったかもしれない。私個人としてはあっという間で楽しんだが、客席内でイビキを掻いて大爆睡決め込んでる人もいらっしゃった。とりあえずその帽子を外すところから始めましょうかねぇ(イライラ)

演者やスタッフ、団体さんそのものの質は悪くなかった。受付や物販の対応等、みなテキパキと実直丁寧でお客さんを大事に思っているような感覚が伝わってきた。素晴らしい。それに比べて観客側の素行ひとつで堕ちる。私も常々観劇の際は気を配るが、さすがに上演中にあそこまでの爆睡決められると如何ともできないし、集中力が削がれた。あーチクショウ勿体ねぇなぁ!!!

最後はまさかの語り部独り残して皆死亡とか残酷すぎやしませんかい?ぞわっとした。そして、あのシーンに至る、という終わり方。梨乃ちゃん、強く生きておくれよ…。

あぁ~、女の子が可愛いんじゃ~~。男性たちもイケメン。なんというビジュアルの完成度。ツイッターで見た写真で「あ、これは行こう」と実は即決していた。写真だけでなく、実際に生でお会いしても、舞台の上の姿を見てもビジュアルの気合がすごい。

カラコン、ウィッグ、衣装、ブーツ、アクセサリーの組み合わせが完成度の高いコスプレイヤーさんのよう。今回の天使や堕天使といった題材も相まって、コスプレのように思えたが演者さんの声量・演技力に熱を感じた。そう、オリジナル作品の2.5次元系舞台のような感覚。

照明、映像、音響の効果がとてつもなくすごい。照明・映像の使い方がこのキャパシティの舞台で見てもよいものなのか?キャパ間違えてる。スタッフさん凄すぎる。映像すごいのに、客席と舞台が近すぎるせいで若干見づらかった。舞台上の演者を見るべきか、映像を見るべきか、目が足りない現象。もっと大きい空間で、映像ももっと大きくして活き活きとしたものをやってほしいなぁ。

これ3000円とかめちゃくちゃ安すぎるわ。コスパ最強か。これでvol.2の団体さんなの?え?怖い。

とりあえずツイッターでフォローかましてこよう。もっとチケット買っておけば良かったぜ!

良き舞台でした。

2020/2/12
めのす