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運転の身体性

車を運転して家路につきながら,ふと車の運転における身体性について考えていた.”車と対話をする”という言葉もあるが,どういうことだろうか.

車を走らせていると,アクセルを踏み込んでいなくてもエンジンの回転数が上がることがある.これは,エアコンなどによるエンジンへの負荷が高くなることによるものである.僕はこのことを,メーターを見なくとも,エンジンの音や車の推進力の変化,ブレーキペダルやアクセルペダルから足に伝わってくる感覚などから感じ取る.エンジンの回転数が変わると,当然走っている車の挙動も若干変化するので,車からの情報をもとにアクセルの踏み加減を調整したり,停まるときのブレーキの踏み加減を調整したりする.

車からの情報は他にもある.ハンドルの重さのように,ハンドルから伝わってくる感覚や,足や尻に伝わってくる振動などもそのひとつである.僕はこの感覚から,タイヤの接地面のことを思う.車が足を着けている路面がどのような状況で,どれくらい路面を捉えているかを感じ取る.それに応じて,曲がるときの速度を調整したり,ハンドルの操舵角を調整したりする.

車を運転するということは,日常で当たり前となっていて,日頃多くのことを気にすることはないが,改めて考えてみると,結構色々なことをやってるんだなぁと思う.車からの情報をきちんと捉え,ドライバーとして行動を返す.”車と対話する”ということ.これは,適した運転へとつながり,事故防止に一定の効果があるのかもしれない.運転を楽しむということにもつながるだろう.技術も大切だが,まずは運転に対する捉え方から変革してみるのも面白いだろう.

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