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第2回 老化の理論

第二回の講義担当は、大内尉義先生でした。

大内先生の専門は老年医学で、

テーマは、老化の理論と老年医学の役割でした。
講義リンクはこちら。講義の章立ては以下のとおりでした。

・老化とは
・老化のメカニズム
・日本における高齢化の現状と特徴
・臓器の加齢変化と老年疾患
・successful agingのための具体的な方法
・健康寿命とは

<講義ノート>

老年期の区分
老年前期=65~
老年後期=75~
超高齢期=90~
では、なぜ65歳からが高齢者と定義されているのか?
その起源はビスマルクの社会保障制度であるが、

実は、65という数字にしている根拠はないw

ちなみに75には、臨床医学的に妥当性がある。

この年齢で、身体機能が低下し始める比率が高いから。

寿命が延びる要因

良質なたんぱく質の普及→血管の強化など
日本の医療制度の充実→健康へのアクセス

高齢化の道は、遅かれ早かれ、アジアのどの国も辿る

高齢者の割合による社会状態の名称
高齢化社会ー7%
高齢社会ー14%

超高齢社会ー25%?(数字に根拠はなし)

老年学の誕生
高齢者の問題は複数の学問領域からでないと解決できない、

という発想に基づく

老化(≠加齢)の定義
成熟期の以後、各臓器の機能、あるいはそれらを統合すえる機能が低下し、
個体の恒常性を維持することができなくなり、
死に至ること

アンチエイジングの目的
病的老化を維持する
健康寿命

老化はどのようなメカニズムで起こるのか
遺伝因子と環境因子があり、それらが相互作用する。

老化を説明する古典的学説ー決定的な説はまだない(2008年時点)。説明できるのは老化の一部。
-遺伝子説
-エラー説
-蛋白の編成説
-フリーラジカル説
-免疫異常説...などなど

新しい老化学説もある
-遺伝子・抗老化遺伝子を見つけ出す

-細胞老化とテロメアー老化とテロメアが相関?因果?


老臓器機能の低下が、老年疾患の基盤を形成
動脈硬化、感染症、悪性腫瘍など。
一方、認知症、骨粗鬆症も
後者は、致命的になりにくいがQOLを大きく下げる。

そして、老年疾患が招くものは...?
老年疾患

機能障害ー臓器レベル

能力障害ー個体レベル

要介護状態

実際、寝たきりの主な原因の比率は、脳血管疾患が37%を占める。 

動脈硬化の危険因子の数が重なると、死に至る確率が指数関数的に高まる
※因子と原因のちがい
因子とは、確率が高まる要因のこと

骨粗鬆症
骨の弱さ→骨折しやすさ
女性が多い。特に50代以降。

メカニズムは、
骨は更新される。
古い骨の吸収>新たな骨の形成 になってしまう時

骨粗鬆症への対応は、
遺伝的にかかりやすい人の選別と早期介入。
一方、それが差別につながる懸念もある。
あと、病気の可能性が高い人を特定する際には、必ず治療法とセット。
でないと当事者が困る。


・認知症
認知機能障害とは
-記憶障害ー前向性健忘
-見当識障害
-判断の能力低下

認知症の多様性
-レビー小体型や、甲状腺機能低下症など

-病理
脳の神経細胞が死んでいく

・老化の制御
=老化の進行を人為的に制御しようとすること

・「アンチエイジング」の方法
(本当はアンチエイジング=抗加齢ではなくアンチセネッセンス=抗老化らしい)
-適切な食事ーカロリー制限
-運動
-ホルモン治療
上二つは骨粗しょう症とも共通のアプローチ。

さらに、アルツハイマー病の危険因子は、
心筋梗塞や脳卒中などの因子と共通している
⇒適切な食事と運動は、一石何鳥にもなる!

・アンチエイジングには、
科学的根拠があるものとないもの、うさんくさいものもある

・健康寿命を延ばすことが大事

<感想>

今回は医学的なお話が多かったです。
専門知識に振り回されて、知識の構造化ができてない^^;
でも自分の人生にも有用な情報はたくさんありましたね。
今回のお話の対象は、
既に高齢者になった人よりもこれから高齢者になっていく人でしょう。
つまり介護とは少しずれた領域かもしれませんね。
今回の知の活かす場はどこでしょうか。
家族とか身近なところか?それだけ?どこで役に立ちうるか。
ともあれ、頭の片隅に置いておきます。

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