アイドル彼女は素っ気なくて甘くて 第20話
俺と蓮加さんが顔を赤くし、
会場内が静まり返る
カオスな状況。
蓮加:…
聖来:そんなに蓮加が言うならなぁ?
美月:撤収〜
祐希:もっとなでなでしたかった…
麻衣:はいはい、そろそろみんなご飯食べよ?
メンバーたちが
それぞれの席に散っていった。
◯◯:あの、蓮加さん…
蓮加:わ!…わ、私も席につかなきゃ。
蓮加さんは隣の席に座ると、
俯いたっきり
喋らなくなってしまった。
逆隣の遥香を見ると、
遥香:むぅ…
すんごい睨むじゃん…
さっきからこの子は
何がしたいんだろうね。
…
…
その後、
俺たちは、運ばれてきた料理や
会話を楽しんだ。
食べ始めてからちょっと経ち、
長机を囲む形で
着席している俺達。
俺の前にいる"山下美月"さん…
ちょっと名前は自信ないけど、
その人から質問をされた。
美月:ねぇ、松尾くん、"ここ"どうしたの?
◯◯:どこですか?
美月:そーこ。
俺の左のこめかみを
指さしているようだ。
◯◯:あー、これは…
回答を躊躇っていると、
遥香:良いよ?…話しても。
◯◯:え?
遥香:乃木坂のメンバーさんなら、信頼できるよ。皆さん優しいし、こんな私でも受け入れてくれたもん。
◯◯:まあ、黙ってる訳にもいかないよな。
俺は一呼吸置き、
◯◯:この"傷"は…
ーーーーーー
俺は、
蓮加さんに話したように、
俺と遥香の過去を話した。
さくら:そうだったんだ…
◯◯:だから、俺は顔を出したくなくて、皆さんにも失礼な感じで。すみません…
祐希:良いんだよ、私たちこそごめんね。
遥香:わ、私…ずっと◯◯に"後ろめたさ"とか"申し訳ない気持ち"を感じてて…
◯◯:そんなこと…
遥香:でも、そんな時に白石先生に「乃木坂」に誘われて、メンバーの皆さんに暖かく迎えられて。
遥香は一息つくと
話を続ける。
遥香:今の私があるのは、私を気にかけてくれた人や両親…それと◯◯のお陰なんです。
◯◯:…
遥香:だから、これからは"私"がそんな人たちのために、"私なりの"恩返しがしたくて…
…
…
そこまで遥香が話すと、
遥香の隣に座っていた
"早川さん"が遥香に抱きついた。
聖来:1人で抱え込んでたんやね…
美月:遥香ちゃん、松尾くん。改めて「乃木坂46」は、あなたたちを歓迎するよ。これから一緒に頑張ろう!
山下さんに続くように、
メンバーみんなが声を上げる。
◯◯遥香:よろしくお願いします!
麻衣:仲間意識の再確認はできたかな?まあみんなご飯も食べただろうから、これからは自由にしてて〜。
全員:はーい。
麻衣:あ、◯◯くんは隅で私と面談ね〜。
◯◯:え?…はい、分かりました。
ーーーーーー
俺と白石先生は、
みんなとは少し離れた
会場の隅にいた。
◯◯:面談って、何ですか?
麻衣:イケメンくん、モテ期到来じゃない。
◯◯:わざわざそんなこと言うために、呼び出したんですか?
麻衣:違うけど。みんなの顔と名前くらい、予習してきた?
◯◯:ええ、まぁ。
麻衣:流石、優等生ね。まあ補足として、みんなの紹介を先生がしてあ・げ・る♡
◯◯:ありがたいですけど、その語尾何とかなりませんか?
麻衣:はいはい、あの子、2年生"山下美月"。今の乃木坂のキャプテンみたいな立ち位置ね。アイドルとして完璧な女性をとても良く演出できる子。まあ、ホントはズボラでテキトー人間なんだけどね。あ、今も"素手"で何か食ったし。
◯◯:ホントだ…
麻衣:その隣の子、"与田祐希"。暁翔くんの姉。基本ボケ〜っとしてるし授業中とか寝まくるけど、スイッチ入るとすごく輝ける能力がある子よ。
◯◯:天性の"アイドル"ですか。ってかもう寝てますね。
麻衣:遥香ちゃんを囲んでるのは、ショートカットの子が"掛橋沙耶香"、暁翔くんの「彼女」。で後の2人が"早川聖来"と"田村真佑"。ここら辺の"扱い"は気をつけなさいね、これ助言。
◯◯:…は、はい。
麻衣:あっちはロングの子が"久保史緒里"、特進科在籍のあなたの先輩。いつもは静かなんだけどねぇ…。で、その隣の子が"遠藤さくら"。今のところ目立った悪さはしてない感じ。
◯◯:悪さって…
麻衣:補足事項終了、あなたもメンバーとしゃべってきなさいよ〜。
◯◯:分かりました。
ーーーーーー
続く。
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