アキレス腱・シンスプ・足底などが痛いと言われた時に私が確認すること(下半身のみ)

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足部の評価といえば、エビデンス的にはFPI-6とかありますけど、その辺の中から個人的にこういうところ確認することが多いなーってのをまとめます。

「確認した方が良いこと」をあげだすとキリはないのですが、あくまでもこの辺は結構確認するなーという列挙なので、これしかやらないわけではないし、これを全員に全部やってるわけでもないのはご承知くださいね。
特に今回は骨盤より上は除外しています。
個人的には下肢障害は下肢から見ていき、必要に応じて上に上がっていくことが多いです。

足部の状態は本当に千差万別なので、100点の理想の形を目指すというよりは、「痛みが出てるってことはどこかの機能が赤点取ってるはずなので、まずはそこを最低限痛みが少ない方と同じレベルにまでは持っていこう」みたいな感覚です。
なので、背屈角度何度を目指すとかよりも、過剰な左右差が少なくなることを目指す。という目標を立てることが多いです。
まぁ左右差ゼロ、左右非対称を目指すのが正解かといえばそれはそれで違うんですが、それは今回は割愛させてください。

という建前をした上で、つらつら書いていきます。

立位

  • 足趾の状態

    • 外反母趾

    • 内反小趾

    • 爪の状態

      • 黒くなってないか

    • 指がまっすぐかどうか

      • 浮指とか、地面常に噛んでる状態かとか

  • 踵の傾き

    • 内側外側に倒れていないか

    • アキレス腱がまっすぐかどうか

  • 土踏まずの高さ

  • アキレス腱〜踵にかけての皮膚の状態(ガサガサになっていないか)

立位での足部の状態は「普段どんな風に下肢を使っているのか」が見えてきやすいので、まず確認します。

はじめにも書きましたが、一番大切にしているのは左右差です。

片方だけ外反母趾が強いとか、土踏まずが低いとか、爪がやたら黒いとか、その辺を確認します。
厚底シューズが流行り出してから、足趾の機能が落ちてる選手は増えたなーという感覚はあります。

足趾は「速く走る」ということに関しては重要性が下がったけど、「ケガせず練習を積む」ということに関しては重要だと考えているので、足趾は個別でのエクササイズ・トレーニングを行なっていった方が良いんじゃないかなぁという個人的感想です。

踵の傾きはざっくり土踏まずの高さにも関わってくるので確認はします。(厳密には後足部が〜、舟状骨が〜ってありますが、今はざっくりです。)

踵〜アキレス腱にかけての乾燥感に関しては、冷え性とか代謝の問題がありそうだなぁ〜という印象です。
でも意外と外からクリームとか塗って保湿してもらうだけでも良い影響があるケースも多いので、皮膚は奥深いです。


しゃがみ込み

  • つま先の向き

  • 詰まり感

  • 体重がどこに乗るか

次にそのまましゃがんでもらいます。
つま先の向きとかも特に指示せず、いわゆるうんこ座りです。

そこでまずはつま先の向きを確認します。
無意識に外向けてしまう方があることが多いです。
つま先と膝の向きが一致しているかも確認します。
いわゆるニーインとかニーアウトになっていないかですね。

その後、つま先の角度・膝の角度を左右揃えてしゃがんでもらいます。
まずはつま先をまっすぐ向けて行なってもらいますが、この時、股関節が詰まって曲がらないケースなども多いので、その際は少し外向けにしてもらいます。(こっちの股関節が詰まってるんだなぁ〜も大切な情報です)
特に身体のデカい重量系のアスリートの場合、詰まってなくても肉厚の問題でしゃがめないケースもあるので要注意です。

しゃがんでもらった時に踵が地面に着くか着かないかは個人的には気にしません。
やはり着目するのは左右差です。

こちらから客観的に見た左右差と、本人の感覚を擦り合わせます。
その後、どこで止まっている感じがするかの確認をします。

ふくらはぎが張って止まっているのか、もっと奥の筋肉が張ってる感じがするのか(長母趾屈筋の可能性とかありそうですね)、それとも前側で詰まってる感じがするのか、とかですね。

「実際どうなってるか」もですが、「選手がどう感じているか」も大切にしています。

そして、しゃがんだ状態で体重が右足左足にバランスよく乗っているかの確認もします。
これもどっちに乗っているのが良いというよりは、確認したいのは左右差です。
無意識に痛みを抱えている側にはあまり乗れていないケースが多いなぁ〜という感じです。
聞いてみて初めて選手が認識するケースも多いので、確認は大切ですね。

左右差だけでなく、足の中のどこに体重を乗せているかも確認します。
親指側に乗せてたり、小指側に乗せてたり。結構左右で違ったりしますね。

カーフレイズ

  • 荷重

  • 踵の高さ

  • 重心移動

  • 指噛んでないか

  • 膝曲げてヒラメ筋

次は立位で踵を上げてもらいます。
流れとしてはこれまでと同じです。

踵を上げた時の高さに差がないか。
荷重が親指側・小指側に過剰に乗っていないか。
片方だけ指で地面を噛んでいないか。

経験的には、小指側(外側)に荷重が逃げてしまうケースが多いように感じます。
これもまず大切にしているのは左右差です。

あとは、踵を上げる時に上に伸び上がれず、前への重心移動が多い選手も結構いるように感じます。ここの重心移動も確認しています。

膝伸ばしてのカーフレイズは問題なく出来るけど、膝曲げると上がらなくなるケースも多いので、確認します。

レベルの高いアスリートの場合、両足のカーフレイズでは負荷が低くごまかせている場合もあるので、片足で行ってもらうこともあります。

片足のしゃがみ込み

  • 重心移動

  • 骨盤を含めた上半身の動き

  • 荷重

片足でのしゃがみ込みを行ってもらいます。
片足のスクワットみたいな感じですね。

ここではしゃがむ深さは参考程度なので、「戻って来れる範囲でしゃがんでください」ということが多いです。
しつこいですが、気にするのは左右差です。

しゃがんでいく際にバランスが取れているのか、揺れた時に上半身でバランスを取ったり、骨盤ごと動かしたり、色々見えてきます。
いわゆるニーイントーアウトとかも見えたりしますね。
指を噛んでバランスを取ったり、土踏まずを強く潰す選手もいます。

過剰に外に体重を乗せたり、骨盤がスウェイしていたり、土踏まずを過剰に潰したりしていても、本人がそれでバランスを取ることに慣れていることは多く、客観的に見て問題のある側でも「問題なくバランス取れています」と本人が言うケースは結構多いので、それはそれとして受け止め、客観的な視点と組み合わせたいところです。

仰臥位

  • ふくらはぎの張感

  • 背屈底屈

  • 足底の張感

  • 足首の動き

  • 足底の感覚

  • 踵の動き

  • 指の可動域

  • 股関節内外転筋力

  • 股関節詰まり感

ベッドに寝てもらって、まずはふくらはぎ触ります。
筋肉の張感・硬さは参考にはしますが、指標にはあまりしないことが多いです。
エビデンス的に考えても、術者がそこを追い求めるのはケガの治療という観点からは微妙かなと。
選手本人が緩んだ感を求めるのは問題ないとは思います。
選手の感覚と触った感覚に大きな違いがないかの確認はします。

足首の背屈底屈と、ぐるっと回してもらうのもします。
これは本人に動かしてもらうのと、こちらで動かすのと、両方やります。

底背屈では立位時との差(客観的・主観的共に)と、背屈の方向(運動軸からズレていないか)、能動的に動かしてもらうときは指の筋肉が一緒に働いていないかなども確認します。

足底の張感は、足底筋膜部ではなく、母趾外転筋とかに感じてるケースも多いので、場所の擦り合わせは丁寧に行います。軟部組織ではなく神経の問題のケースも多いように感じます。

足底の感覚も確認します。
ふわっと触るだけです。
痛みのある側は感覚が薄いケースがあります。

踵の動きも確認します。
立位時で踵の傾きの確認をしましたが、徒手で動かせるのか、硬くなっているのか、の確認です。
経験的には、内向き外向きどちらかの動きだけ硬くなってるケースが多いですが、ゆるゆるのケースもたまにあります。
これも左右差を確認します。

指の動きも確認します。
まずは動かせるか。
親指を単独で動かせるか(長母趾屈筋は他の指に停止するパターンもあるので見極め大切です)、小指を単独で動かせるか、MP関節で曲げれるか、とかとかです。
ようは「それぞれの筋肉を単独で動かせるか」です。
全部は無理ですけどね。
足首〜指の筋肉!とひとまとめで使うしか出来ないのは勿体無いよ、休めるときは休ませよう、そのためにも働くべき時に必要な人には働かせよう。って感じです。

そもそも足の指の可動域が硬くなっている人も多いので、それはぐりぐり触ってあげてください。

最後にせっかく上向いてるので股関節も動かします。
まずはグルグル動くかどうか。
これも大切にしているのは左右差です。
本人の詰まり感も大切にしたいです。

あとは内転と外転の筋力も確認します。
ここではあまりどの筋肉とかは気にせず、こっちの外転は入りづらそうだなぁ〜めっちゃ代償入るな〜とかで良いです。


伏臥位

伏臥位でも仰臥位と同じようなことをします。
仰臥位では膝を伸ばした状態で行いやすいですが、伏臥位では膝を曲げた状態で行いやすいので、仰臥位で気になった部分を伏臥位では変化出るかな〜と確認します。


終わり

というところまでをザーッと確認して、気になったところを細かく触ったり筋力チェックしたりしながら、自分の中でここがこうなってるからこうなるんじゃないかな〜とストーリーを組み立てながら、施術に当たることが多いです。

文章にまとめているので、順番がありますが、実際は問診しながら触診しながらで結構順番はバラバラになりがちです。
一旦全部情報収集してからというよりは、やりながら確認しながら変化見ながらで、結局この辺確認してたよね〜って感じになることが多いです。

痛みを取るということだけを考えると、圧痛点に的確に鍼刺して該当部位に刺激を与え回復を促していけば良い。みたいな感じになりますが(それはそれで的確にやるのはとても難しく誰にでも出来ることではない)その先も見据えてやっていきたいなぁと思いつつも、限られた時間の中でまずは痛みを取るというのと、再発予防のためにも原因を探ることのバランスはいつまで経っても明確な答えは出ず、永遠の悩みです…ぜひ諸先輩方色々教えてください。

評価が一定だと、他の同業者とチームを組んで選手の対応に当たりやすいし、前向きな議論もしやすいなと思います。
評価が同じで、目指す方向も同じであれば、方法が手技でも鍼でも物療でも運動でも、選手にとってマイナスな事にはならないと思います。


アスリートの皆様


専門家に確認してもらいながらでないと難しいものもあるかと思いますが、自分で確認出来る部分も沢山あるかと思いますので、出来そうなものは確認して左右差などを感じてもらい、その辺りの情報を持って治療院・トレーナーさんの元へ行ってもらうと「こいつなかなか自分の身体のこと分かっとるな」と思ってもらえるかもしれません。
いくつかの確認を日々行うことで、最近ここが変やな〜の感度が上がれば、予防できるケガは増えるはずです。



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