アメリカ海兵隊を読了、素人的軍事的戦略

この本は良書であり、お勧めする。

1.軍隊のトレンド

アリカ海兵隊の変容があり、この点は後でデジタルトランスフォーメーションで記載するが、軍隊のトレンドもなんとなくであるが分かってきたので、自分のメモとして記載する。

この本、少し古い部分として、インターネットにおけるサイバーアタックなどは記載されていない。さらに、戦争で大事な広報活動など、混乱扇動の類は触れていない。戦略とは、戦う前に勝つことであり、そのあたりについては違う本で記載されていると信じたい。ここでは戦術レベルでのオペレーションと組織論が議論されている認識だ。

情報戦略と同盟戦略は、おそらく政府が計画などを立てているのであろう。政府としては、国民を説得する技法として、衝撃的な写真、動画を使い、機運を高めつつ、相手方を威圧する。出所を隠して、諜報活動をし、かつ、適切な情報が流れないように調整弁を使いこなす。

過去は、諜報部隊(攪乱も含む)、飛行機などの航空兵、戦車、射撃兵を含んだ陸軍、海軍などがあるであろう。現代は、原水爆、宇宙、サイバー攻撃、無人兵による攻撃など、安全地帯からの攻撃も容易になった。

サイバー攻撃により、水や電気を止めて、民衆を混乱に陥らせる。SNSその他の手法で情報を流して攪乱させる。攻める場合でも由来不明の無人兵(ドローン、機械兵など)を使用して、参謀や要人を殺して、混乱してから宣戦布告をしていくであろう。

アメリカ海兵隊がこのあたりまでケアできるかといえば、できない気がする。あくまでも、有人対有人の戦いなのだろうと想像できる。

と思いきや以下の記事があった。名前は海兵隊ではあるが、もはやアメリカ複合部隊なのかもしれない。

2.海兵隊の経緯と役割の変化

アメリカの独立から創立(艦上勤務)

揺籃期(前進基地防御)

第一次世界大戦(陸軍支援部隊)

太平洋戦争(前進基地奪取、水陸両用強襲部隊)

朝鮮戦争(水陸両用強襲部隊)

ベトナム戦争(即応部隊)

レーガン時代(全世界的有事即応部隊)

現在(民族対立、人種対立、宗教紛争、テロなどを含めた広範囲な全世界的有事即応部隊)

これを見ると、日本の陸軍との比較が面白い。失敗の本質を見る限り、陸軍が如何に失敗を繰り返したかが明らかにされている。陸軍は、明治維新から存在し、古くから存在した。海軍は徐々に勃興し、力を発揮するのは後の話だ。日本の陸軍は、明治維新等に活躍しすぎたということもあり、形式的になり精神論と前例、上意下達などが重点に置かれていたように思われる。

アメリカにおいても同じことがあったかもしれないが、アメリカにおいては以上の不遇の歴史を持ちながら、常に海兵隊は変化を繰り返している。縦割り的な軍隊において、以上の通り複合的な役割を果たすのは至難の業である。個人の暗黙知から取り出して常に新しいものを作り出して、進化を遂げている。おそらく陸軍、海軍など縦割りであれば、このようなイノベーションは生まれなかったであろう。

海軍でありながら、陸軍のような機能を有し、航空隊のような装置をもち、トータルで戦うことができる仕組みを作っている。海兵隊は、アメリカの覇権国家を維持するうえで大事な機能だ。


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