お父さんお母さんのための中学数学~方程式

突然、ご自身のお子さんや家族ぐるみでおつきあいしている方のお子さんに「ここ教えて」と言われてひるんだ方もいらっしゃるようです。この記事は、私自身が数学を教えてくれと言われたときに備えた備忘録のようなものでもあります。
この記事を執筆している時期的に2学期ということもあり、また中一数学のつまづきやすい単元でもある方程式についてをまとめました。

もしも多くの方のお役に立っているようであれば、正負の数などもまとめていきたいと思います。

※テキスト形式での記事になるため、分数の表記がみづらいことになっていますが、ご了承ください。
 また、方程式の解説内容については無料ですべて読むことができます。

そもそも方程式ってなんだ?

方程式という言葉は、いかにも数学という印象があります。
その言葉だけで拒否反応を示す方もいらっしゃるかもしれません。

この方程式というのは、砕いていうと
「数式の中にあるxやaといった文字に、ある数字をあてはめた時だけ式が成立するようなもの」
です。

たとえば

 3x ー 4 = 2

ですね。
このとき、xを2に置き換えると

 6-4=2

になります。
xを他の数字に置き換えてしまうと、式が成り立ちません。

このときの x を 未知なる数(未知数) といいます。
要するに、どのような数なのかまだわかってない数のことです。

そして、x=2 のときに式が成立するわけですが、この式を成り立たせる数のことを「」といいます。

等式の性質

等式というものを砕いて説明すると

「=」が成り立つ式

です。
先ほどの 6-4=2 も等式ですし、方程式も等式の一部です。

この等式の左側を左辺、右側を右辺というのですが、等式の右辺左辺(両辺)に同じものを足したり引いたり掛けたり割ったり(加減乗除)などをしても、等式のままというのが、等式の性質です。

どういうことかというと、
6-4=2 の両辺に たとえば 3 を足しても等式のままです。
6-4(+3)=2(+3)
足し算だけではなく、引き算や掛け算割り算なんかでも成り立ちます。
ただし、0で割ることはできませんよ、念のため。

なんで0で割ることができないのか。
これを話し出すと長くなってしまいそうなので、また別の機会にでも。

左右の天秤が釣り合っている状態のときに、片方だけに重りを乗せてしまうとバランスを崩してしまうけれども、左右両方に同じ重りを乗せてもバランスは崩れないというイメージだと、わかりやすいかもしれません。

方程式の解き方

先ほどの
 3x ー 4 = 2
の解き方ですが、単純に言うと、等式の法則をつかって
 x =
の形にもっていけばいいということです。

具体的には、まず左辺にある「-4」を右辺にもっていきます。
 3x -4 +4 = 2 +4
 3x = 6
さらに、両辺に(1/3)を掛けてあげることで左辺が x= の形になりますね。
 3x ×(1/3) = 6 ×(1/3)
 x = 2
となります。

x= という形にするために、両辺に(1/3)を掛けました。
このように、ある数に掛けてあげることで1になる数字を「逆数」といいます。
もう少し別の言い方をすると、
2つの積が1になるとき、一方が他方の逆数
ということになります。

負の数の逆数も負の数になります。たとえば、 -3の 逆数は -1/3  です。

別解

先ほどは、先に「-4」を右辺に持っていき、そのあとにxの係数の逆数を両辺に掛けました。

※係数とは、xにくっついている数字のことです。より単元がすすむと、この係数がaだったりということもあります。

では、先にxの係数から処理するとどうなるのでしょうか。
xの係数は3なので、その逆数である(1/3)を両辺に掛けることになります。

( 3x ー 4 )×(1/3)= 2 ×(1/3)
そして分配法則を使って
 x - 4/3 = 2/3
 x - 4/3 + 4/3 = 2/3 + 4/3
 x = 6/3 = 2
ちゃんと解くことができました。

すでに習っている分配法則を使うことになります。
このように、先に習っていることは、あとになって使うというのは数学ではよくあることです。

さて、もう1問解いてみましょう。
 -2x + 4 = 2
先ほどと同じように、まず4を右辺に持っていきます。
 -2x + 4 -4 = 2 -4
 -2x = -2
このとき、xの係数は「-2」です。
そしてー2の逆数は -1/2 です。

このあたりについては正負の数の単元の復習ですね。

そこで、両辺に「-1/2」を掛けると、
 -2x × (-1/2) = -2 × (-1/2)
 x = 1
となります。

検算してみよう

これまでの2つの方程式を解いてみたけれども、あっているかどうかを確認することを検算といいます。

 3x ー 4 = 2 を解くと x = 2 でした。
実際に x に 2 を入れてみると(これを代入といいます)、
 3 × 2 - 4 = 6 - 4 =2
しっかり等式が成り立っています。

 -2x + 4 = 2 を解くと x = 1 でした。
こちらも x に 1 を代入してみると、
 (-2)× 1 + 4 = -2 + 4 = 2
間違いありませんね。

もう少し数字がややこしい方程式も解いてみましょう。
 1/4x + 3 = 0.2x - 2
係数が分数だし小数もあるしで、かなり面倒そうです。
まず小数はわかりにくいので、分数にしてしまいましょう。
0.2というのは 2/10 ですね。
 1/4x ー 3 = 2/10x - 2
分数というのは足し算引き算を含めてミスしやすいです。
そこで、分数が混じらない等式にしてしまいたいので、
4 と 10 の最小公倍数 である 20 を両辺に掛けます。
 (1/4x ー 3)×20 = (2/10x - 2)×20
分配法則で
 1/4x × 20 ー 3×20 = 2/10x × 20 - 2×20
 5x ー 60 = 4x - 40
これでだいぶ計算しやすくなりました。

両辺に掛けるのは最小公倍数以外でも問題はありません。
ただ、あまりにも大きな数になってしまうと、それはそれで計算ミスをしそうというだけです。
今回であれば 4×10=40 を両辺に掛けてももちろん解けます。

等式の性質を使って、x= の形に持っていくと、
 5x ー 60 -4x= 4x -40 -4x
 x ー 60 = -40
 x - 60 + 60 = -40 + 60
 x = 20

ここでも検算をしてみましょう。
 左辺)1/4 × 20 + 3 = 5 + 3 =8
 右辺)0.2 × 20 - 2 = 10 - 2 =8
間違いありませんでした。

比例式

x : y = x/y の この x/y が比の値なのですが、
どうして分母がyなんだよ、xじゃダメなの?
という質問が飛んできそうで、そもそも比の値ってなんだよってところから説明が必要な気がします。

x : y を日本語になおすと
yを基準(単位量)としたときのxの大きさ
となります。
なんでyが基準なんだよという質問が投げつけられそうですね。
そう定義されているのだから仕方がないと割り切ることもできますが、こう考えることもできます。

お国が変わってドイツになるのですが、ドイツでは割り算の記号が「÷」ではなく「:」と表すようです。
x ÷ y = x/y
これは、だいぶなじみ深くなりましたね。
定義の問題ではあるのですが、こう考えると忘れにくくなるように思います。
そして、比例式というのは、この比が含まれている等式のことを指します。
たとえば x : 12 = 3 : 4 などです。

さて、ではこの比例式である方程式をどうやって解けばいいのでしょうか。
先ほど、比の値について説明しました。
そこで、この等式はこのように書き直すことができます。
 x/12 = 3/4
等式の法則を使って両辺に12を掛けると、
 x/12 ×12 = 3/4 ×12
 x = 9
となります。

そして、この比例式というのは次のような性質があると教科書に書かれていると思います。

a : b = m : n が成立するならば、 na = mb

これは、先ほどの比の値を使って考えるとすぐに解決できます。
 a : b = m : n
 a/b = m/n
ここで等式の法則で、両辺にnbを掛けると
 a/b × nb = m/n × nb
 an = mb

少し複雑な比例式を解いてみましょう。
 x/3 : 2 = (x+2):3
比例式の法則から
 x/3 × 3 = 2×(x+2)
右辺は分配法則を使って
 x = 2x + 4
 x-2x = 2x + 4 -2x
 -x = 4
両辺に「-1」の逆数である「-1」を掛けると
 x = -4
となります。

比例式にマイナスが含まれていてもしっかり等式は成立します。
検算をしてみると、
左辺)-4/3 : 2 = (-4/3)/2
ちょっとまって、分数の中に分数があると思ったかもしれません。
別に分子や分母が整数でなければいけないという決まりはなく、分子分母に1/2を掛けてあげると、
{(-4/3)×(1/2)}/{2×(1/2)}=(-4/3)×(1/2)/1
 =(-4/3)×(1/2)
 =-4/6 = -2/3

右辺)(-4+2):3 = -2 : 3
 = -2/3

確かに等式が成立していますね。

この、分数の中に分数があるということと、分母を1にしてあげれば形がすっきするということに気づけば、分数の割り算なども説明がしやすいのですが、小学生の段階では少し難しい気がします。
これさえ理解できてしまえば、「どうしてひっくり返して掛ければいいの?」という質問にも答えられるのですが。

おわりに

とりあえずは、ここまでです。
反響がよさそうであれば、割合・速度を含めた方程式の文章問題の解き方教え方についても記事にしていきたいと考えています。
ただ、ある程度自分自身のためとはいえ、有料記事にするかもしれないことをあらかじめご了承ください。

また、有料部分はほとんど何も記載されていないのですが、今後もこのような記事を執筆するモチベーションを応援してくださる方がいらっしゃるのであれば、購入いただけると大変ありがたく思います。

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