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こんなところにバナナかよ!?

奇跡のバナナ?

バナナが一本ありました 青い南の空の下♪
ここは南の空の下?
いや、違う? ここは下関のゆっくり小学校。
3年がかりで、ハーブ園の露地にようやく実ったバナナ。
西田ようむ員が手塩にかけて育ててきたものだけど、奇跡なんかじゃなさそうだ。
だって、暑い! 暑いんだもん。こんなに暑くしたの、誰だ!

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ゆっくり小のハーブ園に立ち並ぶバナナの木


暑くしたのは、ぼく自身

いまぼくは、プランター栽培の本を編集中で、植物のこと、土壌のこと、物質循環のことなどをしつこく調べている。
地球史全体で見れば、寒くなったり、暑くなったりを繰り返しているから、
現在の地球温暖化について楽観視する学者もいるけれど、この暑さは間違いなく近代の人類が引き起こしたもの。生命界にとって、危機的な状況です。
地球の奥深くに眠っていた有機物をひっぱりだしてきて、じゃんじゃん燃やしているわけだから、生態系のバランスが崩れるのも当然……、
と、エアコンの効いた部屋でパソコンのキーボードを打っているぼくこそ、
地球を温めている一人。
エアコンないと、死んじゃうかな。わ、どうしたらいいんだろう?


シータと同じこと、言いたい

ゆっくり小の農園に、自然農実践家の村山直通さんに来てもらうようになって5年、大地に人が関わることで、周囲の生態系が確実に豊かになっていく様を体感してきました。
コロナ騒ぎがはじまって、自分にできることに向き合う日々を過ごすなかで、答えはここにしかないと思い至っています。
『天空の城ラピュタ』でのシータの名言、「土から離れては生きられない」と、言える自分になりたい。
土の上に立ったとしても、農薬や化学肥料を使って、人間だけが作物を搾取し、生態系を衰退させるかかわり方では意味がありません。
カビや細菌、ミミズやダンゴムシ、モグラ、コガネムシたちと協働し、
「種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌いたい」
あ、またシータの言葉出ました……。


チャドクガ・パンデミック!?

自然界には危険もいっぱいです。
初夏は、コロナよりチャドクガに怯え、チャドクガのパンデミック状態かよ~と怖れていました。
チャドクガとは、サザンカやツバキなどにつく、毒のある蛾の幼虫。
毛虫の毒針毛に触れると、猛烈にかゆみのあるブツブツができるんです。

二ホンミツバチによる、アナフィラキシーショックも起きました。暑い中での農作業も大変です。シータの言葉に忠実でいるのは簡単ではありません。

でも言いたい。田舎はいい。自然はいい。都会はもういい。
みなさん、「土に根を下ろし、風と共に生きよう」よ。
あ、またシータのセリフ……。

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チャドクガの棲みかになっていた? チシャノキを伐採し、萌芽の更新

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近隣の除草剤にも負けない、たくましい二ホンミツバチたち


変化は起きている

こんなに暑い中なのに、まわりの田んぼではもう稲刈りが始まっています。
早生の品種が悪いわけではないけれど、なにもかも、経済効率優先のよう。
早いもの勝ちってことなのでしょう。
コロナウイルスくらいでは、社会全体に劇的な変化はなさそうだけど、静かに少しずつ変化は起こっている、そう思います。
コロナ騒ぎ以降、ゆっくり小の小さな自然農教室に人々が集ってくれるようになりました。暑い暑い陽ざしの下であっても、です。

恥ずかしながら、この日ぼくは、短時間、写真を撮っているだけの参加。
いまだにデスクワーク中心のぼくこそ、シータの言葉を受け入れるときが、やってきたんです。

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炎天下の中、ゆっくり小の自然農教室に集ってくれたみなさん

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夏の恵みは、井戸水で冷えたとれたてのスイカ


バナナン、バナナン

うちの田んぼの稲たちは、やっと頭を垂れてきた頃。これから秋に向かうにつれて、熟してくれるのでしょう。太陽と風と水、微生物たちに助けてもらいながら。

江戸時代の哲学者、三浦梅園の言葉、
「枯れ木に花咲きたりといふとも、先ず、生木に花さく故をたづぬべし」
(枯れ木に花咲くを驚くより、生木に花咲くを驚け)ではないけれど、
当たり前のように、稲穂が毎年成ってくれるのってやっぱり嬉しい。

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ゆっくり小の田んぼの風景

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ミニトマトと猫じゃらし(エノコログサ)との共生が愛らしい

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あっこちゃんが育ててくれたホーリーバジル、まもなく満開


といいつつも、秋の台風でバナナが飛んでいきやしないか、心配です笑。
「とんでったバナナ」の歌詞の通りに。

バナナはどこへいったかな
バナナン、バナナン、バナナ♪

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