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Vol.005 縦にして撮るか?横にして撮るか?〜なんとなくではダメな縦横の話〜



前回の更新から、時間が経ってしまい申し訳ありません。
今回より、本腰を入れてまいります。
と言いましたが、今回は一度デイリーでお話ししたことの焼き直しです。
でも、重要な話なのでもう一度。

カメラでもスマホでも、どちらでもいいのですが、普段写真を撮るときに、最初にどちらで構えますか?1眼レフやミラーレスカメラなら、なんとなく横位置で構えると思います。スマホなら、その逆の縦位置で構えるのかもしれません。


さて、質問です。なぜ横で構えますか?縦で構えますか?
「なんとなく。」「そのほうが撮りやすかった。」
と、理由はあるでしょうが、それではクリエイターとしては不合格です。
口すっぱく言いますが、横と縦を切り替えるのにも、やはり目的と意味がなければいけません。

じゃ、スクエアフォーマットのカメラはどうなんだろう?
はい、縦横関係ないです。笑


横位置の写真は、当然ながら横に広がりを感じる写真になります。余白などが多く取れるので、それを生かした写真を得ることができます。
そして一番の利点が、人間の視野角も同じく縦より横に広いので
自分や第三者が見ているであろう視野に近く、自然な表現が可能であるということです。(目が縦についている人にとっては不自然かもしれませんが。)

横の広がりを強調するなら、やはり横位置で


縦位置の写真は、人間の視野角とは正反対なので、自然さという点では不利かもしれません。その代わりに背景と被写体を分離させ、被写体を強調することができます。
また、縦のラインが強調され画面の中心に鑑賞者の視点が集まりやすいので、高さのあるものや縦に配置すると映える被写体の場合は、縦位置で撮影するのがいいでしょう。
また、前後の遠近感などを表現しやすいのも縦位置です。

例えば、昔の西洋の肖像画や肖像写真などはおおよそ縦位置で描かれています。
それは、被写体の人物をぐっと強調させるためにという意味もありますし、
縦位置の方が、より多く画面上で表現できる(横位置だと、余白が多く人物も小さくなりがち)利点があるからです。

東京タワーはやはり縦位置で!!!
モナリザが横位置だったら、どう見えるのだろうか??

横位置 →「横の広がりを表現したい」「より自然に見せたい」
縦位置 →「高さを強調したい」「主題をはっきりさせたい」

必ずしも、これが正解とは言いませんがそれぞれの位置に適しているのはこんな感じです。
ですが、撮っているときにどっちがいいのかが瞬時に判断できない時もあります。その時は、両方で撮っておくとよいでしょう。
実践的なお話をすると、横位置で撮っておくと、あとで縦にトリミングする必要が出てきた場合にも、対応しやすいです。しかし、縦位置の写真を横にトリミングはなかなか難しい。
時間がない!どちらか?という時は横位置で撮っておくのがいいのかもしれません。(でも、基本は両方で!)

横位置・縦位置の決定は、それぞれが持つ特性に合わせてだけではなくデザインのレイアウトの都合というのも当然あります。
WEBのバナーであれば、当然横位置でしょうし、雑誌の表紙なら縦位置が基本だと思います。
このように、最初から決まっている場合はその位置に合わせてファインダー内で構図を整理したり、被写体が動かせるなら適正な位置に配置することになります。
当然、写真に合わせてレイアウトすることもあると思います。
どちらが先か?ということに正解はありません。
最終的に、一番良く見えるにはどうしたらいいか?その最終地点から逆算して、レイアウトを考えたり、カメラマンに縦と横どちらを撮ってもらうかをディレクションすることが肝心です。
ただ、そう簡単に切り替えられないのが商業写真です。
コーディネーターさんもカメラマンも、それぞれのカメラの向きに合わせて小道具を配置したり、ライティングを決めているので、カメラの回転させてはいOK!!とは行きません。倍の労力とは言いませんが、それに近いことをもう一度やることになるというのは肝に命じておくといいと思います。

コース料理などは、最初に撮る位置を決めてからレイアウトするので横位置も欲しい!と言われると最初からやり直しになってしまうのです。


なんとなくですが、WEBで使用する写真は横位置で!という決まり事のようなものがありました。
ですが、最近はスマホやタブレットでWEBサイトを見ることの方が主流になり、TOPやメインとなるイメージカットもあえて縦位置で撮ることも増えました。
「縦も横も撮っておいて」という注文は、保険の意味合いではなく必要に迫られてということになります。
写真に限らず動画でも、スマホ用の動画やTikTokに代表される「縦位置動画」のニーズも増してきました。

縦位置、横位置のそれぞれの必要性が増えたのでカメラマンも撮るカットが増えてなかなか大変です。笑
動画は、パンやティルトなどのカメラの動きで縦や横の流れを強調できますが、写真は そうは行きません。
なので、繰り返し言いますが

撮る前にどちらで撮るのがいいのかを考えて見る。

目的や理由をはっきりさせる。

ことが、なにより大切だと思います。


動画は強調したい方向に動かせるのが利点です

今回はこの辺で!ありがとうございました。



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