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【MLBトレード】テオスカー・ヘルナンデスのSEA入り

 SEAがTORからテオスカー・ヘルナンデス(残り1年)を獲得しました。TORはエリック・スワンソン(残り3年)、アダム・マッコ(残り6年)を獲得。

〇ファーストインプレッション

 SEAがFAとなったミッチ・ハニガーの代替になりうる選手をファームを傷付けずに獲得したのは巧かったと思います。一方、TORもソリッドなリリーバー3年と1人のプロスペクトと、FAまで1年のコーナーフィルダーを巧く売りさばきました。

〇SEAサイド

 シーズンが終わってわずかの間に比較的小さな犠牲でミッチ・ハニガー流出のカバーができました。21年ぶりのプレーオフ進出を果たし、来季以降もコンテンダーとして戦ううえで妥当な立ち回りだったと思います。ちなみにBaseball Referenceによるとテオスカー・ヘルナンデスに最も似た成績の選手はハニガーのようです。

 ただ、懸念点もあり、インパクトプレーヤーとしての活躍は2020年と2021年の2シーズンのみで、それ以外はレギュラーとしてそれほど突出してはいません。その安定感の無さも合わせてハニガーに似ていますが、少なくともRFについては2022年並を維持できそうです。

 また、MLBでソリッドなリリーバーの3年と傘下のミドルプロスペクトという組み合わせは、1年限りでFAのコーナーフィルダーには、やや過大にも見えますが、SEAはリリーバーを掘り出すのが巧いので、チームの特性を考慮すると損失は限定的ではないかと思います。

〇TORサイド

 SEAとは対照的にリリーバーの育成に苦労し、トレードでのザック・ポップやアンソニー・バス獲得、FAでのイミ・ガルシア獲得と外部獲得の多いTORがFAまで残り1年のヘルナンデスでリリーバーを厚くしました。こちらもFA市場で野手を物色すればいいという前提の下、FAまで1年のコーナーフィルダーを最大限高く売れたと思います。Trade Valuesによれば、TORの方が大分御得なようで弱点を改善しながら得なトレードができたのはよかったのではないでしょうか。

 懸念点としては、スワンソンが2022年シーズン出来過ぎだったかもしれないというところですが、ERA3点台50登板を下限と考えれば、ここからの3年間クリアできない可能性の方が低いように見えます。プロスペクトのマッコは、肩のケガでしばしば離脱するようです。ファストボールは93-94mphレンジで最大で97-98mph程度、高スピンのカーブの左腕ということでスペックは高そうですが、肩に不安があるようだとディベロップメントにも影響するでしょうし、ハイリスクと言えそうです。

〇総評

 SEAが新リリーバーを発掘できるという自身の強みを活かして、ややオーバーペイながらも弱点を上手く改善しました。TORもSEAの需要に対して最大限の見返りが得られたのではないでしょうか。なお、3-4チームが競合してこの結果だったようなのでテオスカー・ヘルナンデスのトレード市場での価値は、彼のイメージよりはやや小さかったのかもしれません。

※画像はMLB公式


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