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【2021TDLレビュー】CHC、10年ぶりの再建

 CHCはデッドラインの約二週間前に売り手になることを表明し、既にジョク・ピーダーソンを放出していましたが、デッドラインでは8件ものトレードを決め、売り手のスタンスを鮮明にしました。2011年にエプスタイン氏が編成トップに就任して以来、10年ぶりの再建が始まりました。

〇CHCの主要なトレード一覧

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※ Pro Rkはプロスペクトランキングの略。MLB公式のランキングを用いている。全は全体の順位。#は旧所属における順位。外は旧所属TOP30外

〇レビュー

 表を見れば一目瞭然ですが、テペラのトレードを除けば少なくとも1人は各球団の傘下TOP10レベルのプロスペクトを獲得しています。ILのままMLSを消費しつつも、アクティブロスター45日未満であるためにMLSが4.5年なのに未だにプロスペクトステータスのエスピノーザという闇物件が含まれてはいますが。。。

 とはいえ、キンブレルのトレードでは、既にプロスペクトを卒業しているものの、若くてコントローラブルでプレミアムな存在になりうるマドリガルを獲得しています。その他にも昨年のNYMのドライチであるピート・クロウ=アームストロングも獲得しており、全体的に見れば再建に向けて好発進を切ったのではないでしょうか。

 ブライアント、バイエズ、リゾは素晴らしい選手ですがレンタルでしたし、キンブレルも2022年にチームオプションがあるとはいえ高額なので、個人的には思った以上に高値で売れたのではないかと感じました。

〇2022年以降の見通し

 引き続き再建が続くと思います。まずは、2023年までコントロール可能なヘンドリクス(2024年べスティングオプションあり)、コントレラスでいかにいい売りトレードができるかがカギです。いずれも今オフになれば残り1~2年なのでトレード候補に挙がるでしょう。

 ヘンドリクスは条件達成での自動行使オプションがありますが、それでも最終年が34歳であるうえに金額がロックされているので比較的高く売れると思われます。コントレラスはロックされていない分、調停でどこまで上がるかがリスクではありますが、多くの球団では許容範囲なので同様にいい商売ができるのではないでしょうか。

 CHCのマイナーを見ると、先発投手がかなり悲惨で多くのクラスでローテはERA5点台です。また、唯一チーム防御率がリーグ平均を上回るAAAでは、ローテを守っているのがMLBデビュー済みの20代後半。いわゆるAAAA投手なのでMLBに近いスタータープロスペクトに厚みを持たせ、MLBのローテ再構築につなげたいところだと思います。

 今夏のデッドラインも野手の獲得がメインだったのでローテーションを担えるコントローラブルな若手かトッププロスペクトを確保することが今後の課題でしょう。

※画像はMLB公式


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