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【MLBトレード】ランドール・グリチャックのCOL入り

 COLがTORからランドール・グリチャック(残り2年)と金銭9.7Mを獲得しました。見返りにライメル・タピア(残り2年)、エイドリアン・ピント(残り6年)。

〇ファーストインプレッション

 TORがエクステンションしながらも使いどころのなかったグリチャックを巧く処分できたと思います。残り契約2年分の年俸のうち、約半分を負担する形なので相応の痛みはありますが、その分プロスペクトのピントを獲得。COLは2年10MでCFもいけるレギュラーOFを獲得できたと考えると、悪くない便乗トレードでしょう。

〇COLサイド

 新型コロナ流行に係る財政難を背景に補強が滞った2020年シーズンオフにアレナドの怒りを買い、2021年もストーリーにオファーを断られたCOLですが、クリス・ブライアントを7年182Mで獲得し、マクマホーンともエクステンションしました。他には目立った大型契約はないものの、短期契約の中堅選手を揃え、ギリギリWCとデッドライン転売をにらみ、ブライアントとマクマホーンの2人を核にチームのリストラを進めていくものと思われます。

 こうした中でのグリチャックの位置付けは、クロン等と同様にFA前までの転売要員の公算が大きいと思われます。2021年こそ不調でしたが、2020年はCFとしては十分な打撃成績を残しましたし、クアーズでなら数字を盛れる可能性も低くないでしょう。2年10M程度という安い年俸もバウンスバックした場合のトレードバリューに寄与しそうです。

〇TORサイド

 CFスプリンガー、RFテオスカー・ヘルナンデス、LFルルデス・グリエルと盤石なレギュラーが居座る一方、控えに高年俸で元レギュラーのグリチャックというのはアンバランスでしたが、タピアの加入でちょうどいいバランスになりました。

 2020年のようにそこそこ好調でもコンテンダーのレギュラーには物足りなく、2021年のように落ちれば、使いどころの少ない10M選手になってしまうグリチャック。半面、元より打てなくても守れさえすれば、年俸的にも契約年数的にも問題のないタピアの方がTORというコンテンダーの控えにはピッタリです。

 また、年俸負担は痛かったものの、その分ピントを獲得しており、コンテンダーの位置にいながらもファームシステムの厚みも維持する意図が感じられ非常に巧いマネジメントだと言えます。ピントは二遊間を守れるうえにRkながら18歳で迎えたプロ1年目をOPS1.000超で終えており、ロマン枠としては十分でしょう。

〇総評

 互いに異なるチーム状況で不要な選手を放出し、欲しい選手を得られたトレードと言えそうです。COLは金銭負担を受けたことで非コンテンダーであればレギュラーを務められる外野手を2年10Mで獲得できた形となり、将来の転売価値を見積もれば、ピント1人をファームに温存するよりも大きな見返りだと言えます。

 また、TORは高年俸で控えとしては使い勝手の悪い元レギュラーを金銭負担と引き換えにちょうどいい控え外野手を手に入れ、プロスペクト獲得でファームを少しだけ補強できました。 

※画像はMLB公式


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