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BTSのLAコンサート配信を観て思うこと

日本時間12/3に配信されたBTSのPTD・LAコンサートを、当日観られなかったのでディレイで観た。

10月のオンラインは見ていたが、待ちに待ったオフラインコンサートなので、観る側としても少し緊張していた。

それと、少し心配ごともあった。オンコンの際はテヒョンさんが足を怪我したり、他のメンバーもなんとなくモチベーションがイマイチに感じたから。過去のライブ映像など見ていると、もっと踊って元気な姿でパフォーマンスしているのが印象的だったので、少し心配になっていた。

しかしライブが始まって、一瞬でその心配は杞憂になった。

画面の向こうには瞳に炎を宿したBTS。覇気のようなものが伝わってくる感じ。

オンコンの時はできなかった、7人全員での「ON」は息を呑んだし、続く「FIRE」「DOPE」とたたみかけられて、観てるこちらもメンバーと同じくらい汗をかいてるんじゃないかと思うほどの高揚感と熱気を感じた。

「Black Swan」はオンコンの時、演出のすごさに圧倒されつつも、ユンギさんが出てくるところでダンサーさんにぶつかっていたりと、未完成な部分もあったのかなと思っていたのだが、今回は完璧に、本当にまるで白鳥が舞うような演出が完成されていて圧巻。

一番好きだと思ったパートが「Airplane pt.2」から「So What」。オンコンでも好きだと思ったけど、ここではほとんど踊らず、トロッコで会場を練り歩いたり、みんな自由に飛んだり跳ねたり縦横無尽にステージを走り回ったりしていて、これが本当の彼らの姿だと思ったし、型にはまらず各々が全身で"楽しい!"を表現しているように感じた。

「Save ME」では恒例になってしまった(笑)ジミンさんの手の振りをみんなでいじったりするのも、ライブを通して生まれたものだし、醍醐味だ。

そんなふうに幸せをはちきれんばかりに見せてくれる彼らを見ていたらずっと笑顔で観られていて、泣かないで終わりそうと思っていたけど、アンコールの「HOME」「Mikrokosmos」では涙腺が決壊。
テヒョンさんが後ろを向いて涙を流して、会場全体を愛おしそうに、大切なものを目に焼き付けるようにゆっくり見渡している姿を見て、泣かないわけはないがなかった。あと、最後のメントでのテヒョンさんの顔の涙の痕。

さらに最後のメントでは、ナムさんが「35歳、40歳になっても歌い続けます」と力強く語っていて、BTSが自分たちの未来について語ることが、こんなにも重く尊いことかと胸が締め付けられた。

最後の最後は「Permission To Dance」で幸せ最高潮で終わるかと思いきや、ここでクリス・マーティンが登場して、「My Universe」ではもうなんとも言えない気持ちになった。AMAsでColdplayとの共演が叶っていたけど、BTSのステージでも叶うとは! アミを喜ばせる天才かと思った。

そんなこんなで、結局大号泣して観終わった念願のLAコン最終日でした。

ここまでざっと感想でしたが、ずっと思っていたことがあって。

前述したとおり、オンコンではモチベーションがイマイチだった気がしていて。もちろん素晴らしいパフォーマンスだったけど、晴れやかなものではなかったのかなと。

そこからさらに準備をして、万全にしたLAコン1日目は、本人たちも心底緊張しただろうし不安だったと思う。だって"2年"だ。メンバーがメントで言っていたように、アミがまだ自分たちを好きでいてくれるのかとか、目の前に何も見えない中で何のために自分たちは頑張っているんだろうと、ずっと雲をつかむような気持ちだっただろうし、本当にしんどかったと思う。

あるアーティストが「2年間、目の前にお客さんがいない中でやってきて、いきなり大勢のお客さんの前でライブをするのは、メンタルが追い付かない」という旨を話していたのを思い出して、万全な準備をして臨んだオフラインコンサートだけど、感覚を取り戻すのがまず大変だったろうし、BTSともなれば何万人規模を前にしなければならず、もちろん嬉しいという気持ちが一番だろうけど、その反面、精神的なものを調整するのが大変だったのではと思う。

だから、4日間のコンサートだったのだろうし、配信は最終日だけだったのだと思う。初日配信してほしかったという声や、配信しないことへの不満を多く見たが、まず初日のそんな不安がある中のパフォーマンスを、目の前のアミに見せることで精一杯であろう状態で、さらに世界へ配信するとなったら、それこそメンバーへの精神的負担が大きすぎてしまう。ファンは不完全でもいいから観たいと言うだろうけど、そのクオリティのものを世界へ見せることに、まずメンバーたち本人が納得しないと思う。

そして、3日間かけて体と精神を慣らしていって、4日目にすべてを最高潮に持っていくために調整していたのだと思う。実際、現地で観た人で書いている人がいたけど、4日目のコンサートは一層力が入っていたと。それは、配信があることはもちろんだろうけど、ここに向けて全ての最終調整をしたということだろう。

事実、今回の配信を観て、10月のオンコンとはまるで別物で、"水を得た魚"とはまさにこのことだった。先に述べたように飛んだり跳ねたり走り回ったりはもちろん、ダンスパフォーマンスでの頭のてっぺんから指先、足の先に至るまでの魅せ方、全方位の観客への配慮、ステージに立つ上での余裕すら感じさせる、その場を掌握しているような圧倒的存在感。全てが完璧なBTSだった。

そして、まるで今全てが燃え尽きてもいいと思うほどの全力のパフォーマンスは、それはそれは息を呑む美しさ・強さ・儚さで、誰しもが魅了されるはずだという王者の風格すら漂わせる。アミを実際に目の前にするとこれほどかと思うほど。

これが、8年間積み上げてきたBTSであるし、これからのBTSでもあると思った。

BTSは、これを世界の人々へ見せたかったんだと思ったら、最終日だけでも配信してくれたのは本当にありがたかった。この目で観られて、BTSの証明になれて(ナムさんのメント引用)光栄です。

さらに、別の視点から配信について言及すると、まず、そもそもオンラインライブというものはコロナ禍の前はほとんどなかったと思う(映画館などでのライブビューイング以外は)。その上で、最終日だけでも配信してくれたことは、時代の変化と技術の進歩を感じた。

BTSの配信ライブは相当な規模の人数が見るもので、それに耐え得る環境が必要で、それを整備するのが大変だと思う。それを4日間維持するには、技術やお金をかければできるのかもしれないが、前述したようにメンバーの負担や、プラス、スタッフの負担を考えるとあまり現実的ではない。また、YouTube Theaterで流せてるのになんで配信できないのという声もあったけど、近くのYouTube Theaterで流すのと、世界へ向けた配信をするのとでは訳が違う。配信は、様々な国で様々な人が様々な環境で観る。そのどの環境で観ても問題ないように配信を準備するのは、本当に大変なこと。それを整備したうえでの最終日配信、世界で何十万人が見ただろう。本当に配信スタッフさんには頭が下がる。

実際、海外配信というのはさまざまな障壁があり、事故なく配信するためには相当念入りな準備が必要なはずなので、前述したとおり、準備の時間や関わるスタッフの数などの負担を考えたら、まず全日配信は現実的ではないし、初日の配信がなかったのもリスクヘッジのためだと思うので、最終日の配信は本当に感謝しかないのです。

とまあ、自分もエンタメ業界に携わっている者として、事務所が色々言われているのを見て少し言及させていただきました。
だけど、上記で述べたことは私の知る限りの中での憶測も含まれてるので、実際問題はわからない。

でも、どうか、最終日だけでも配信され問題なく観られたことに、メンバー、スタッフの皆さんへ、感謝の意が届いて欲しいと思う。

とにかく、BTSがいま、やっと、ARMYの前で悔いなくコンサートができて、幸せな気持ちになってくれたことが本当に嬉しかったし、それを支えたスタッフさんにも敬意を表したいと思います。

ありがとうございました。

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