うたプリと私と友だちと。
私がうたプリと初めて出会ったのはもう10年以上前になる小学生のころ。5つ程年の離れたお姉さんがいる友だちからST☆RISH(セシル加入前)のクリアファイルを見せられ、「この中だと誰が好き?」と聞かれたのが初めてだったと思う。
当時は1番可愛いなと思った翔くんが好きだと言った気がする。性格も声も名前も分からずただただ見た目が好みだった。アニメや漫画にほとんど興味のなかった小学生の私はその後、うたプリについてそれ以上の情報を得ることなく過ごしていった。
それから数年後、中学2年生になった私はうたプリと再会することになる。小学生のときとはまた別の友だちが乙女ゲームにはまったようで、薄桜鬼やDIABOLIKLOVERS、うたプリのアニメを布教してきた。とりあえずそれぞれ1話だけ見たが、乙女ゲームに馴染みがなかったこともあり、ここでも私ははまらず。ただ、マジLOVE1000%は何度も繰り返し聞いたし大好きだった。
中学2年生になってボーカロイドやニコ動を知り、黒子のバスケの赤司征十郎くんの夢女子になっていた私はオタクとして花開きかけていた。ニコ動最盛期だったこともあり、マジLOVE1000%はたくさんの歌ってみた、踊ってみたが投稿されていて、いわゆる「イケボ」を聞きたいがために歌い手さんのマジLOVE1000%をずっと聞いていました。(原曲を対して知らないくせして歌ってみたや空耳バージョンばかり聞いていたので大変申し訳ない気持ち)。
そんなこんなで、うたプリのキャラクターも名前も性格もストーリーも知らないが、マジLOVE1000%だけ知っているという状態に出来上がってしまった。
また時間が過ぎて高校生になったとき、私とうたプリが繋がり始めた。美風藍というキャラクターを認識したのだ。水色の髪に白い肌、中性的な顔立ち、感情を表に出さない淡々とした性格……。
どうしよう!好みどストライク過ぎる!
私の歴代の推したちは、ロールパンナ(アンパンマン)、おんぷちゃん(おジャ魔女どれみ)、クラピカ(HUNTER × HUNTER)、エンヴィー(鋼の錬金術師)、赤司征十郎(黒子のバスケ)といった面々で美風藍こと、藍ちゃんももれなく推しになった。
あれ?この子もうたプリの子だよな?小学生とか中学生のときに見たことなかったよな〜なんでだろう?と思いつつ、藍ちゃんへの知識をひたすらに深めていった。そう、藍ちゃんに対する知識だけを。
はまったら一直線だけども、視野がとっても狭かった高校生の私。うたプリ全体ではなく、なぜか美風藍についてのみ調べていた。そのため、この時点でも語感の似ている「一十木音也」と「一ノ瀬トキヤ」の区別が付いていなかったし、髪色が同系色の「一ノ瀬トキヤ」と「聖川真斗」の区別も付いていなかった。名前と顔が一致していたのは小学生のときに好きだと思った「来栖翔」だけだった。
うたプリについて、マジLOVE1000%と美風藍だけしか知らないまま高校を卒業した。
そしてついに、大学で私とうたプリに革命が起こる。
中学生から創作するタイプのオタクだったけれど、周りに公言はしていなかったし、同じクラスのオタクとはあまり推し方が合わなかったので、リアルのオタク友だちがほとんどいなかった。
SNSを覗けば、同趣味のオタクがたくさんいるのに現実世界で会うことはなく、オタクって幻の生き物なのかなとさえ思っていた。そんな私の目の前に現れたのがタイトルにある友だちである。
彼女たちは本物のうたプリファンだった。マジLOVE1000%のときから波はあれど、ずっとずっとうたプリが好きなふたり。御曹司が好きな真斗担と翔くん担、ふたりの推し方やオタクとしての価値観は私も共感するところが多くて、気づいたら仲良くなっていた。
入学してから約3ヶ月、ふたりは私の誕生日にカラオケに連れて行ってくれた。歌は苦手だしみんながわかる流行りの歌を選ばないといけない雰囲気があって、あまり好きじゃなかった、この日までは。ふたりはひたすらにうたプリの歌を歌っていた。本人映像でアニメが流れればキャーキャー騒いで、上手い下手とか(ふたりはとても歌が上手い)関係なく、ライブみたいにずっと楽しんでいた。
急に店員さんがノックしてパフェを持ってきてくれた。そういえばこのパフェは少し前にどっちが好きか聞かれたものだったような、ふたりが誕生祝いとして頼んでくれたんだろうか、嬉しいなあと思った次の瞬間、何やら楽しげなイントロが流れ始めた。
カラオケの画面には『溺愛テンプテーション』の文字。翔くん担の友だちが受付で借りてきたマラカスを振りながらダンス付きで歌い始めたときはびっくりした。初めて聞く曲のはずなのにもう好きになった。『溺愛テンプテーション』は私たちみんなが好きな曲で、今後のカラオケでは誰が歌うかで取り合いになるほどだった。
ふたりが「〜歌える?」「ハモれる?」など会話してから入れられたのが『ORIGINAL RESONANCE』。カラオケでのハモリを初めて聞いた。ライブみたいに楽しかった。その後もうたプリの曲をいっぱい歌って、プリライの映像を見て、オールでカラオケをし続けた。徹夜したのも、もちろんカラオケオールも初めてでヘトヘトになったはずだけど、どこか充実感すら覚える疲れだった。
SNSでしか見たことがなかったようなカラオケの楽しみ方が本当にあるんだなと思った。そして今後は彼女たちと私も一緒に歌えるんだということが何より嬉しかった。
真斗担の友だちは持っているCD等を全部貸してくれて私はやっとマジLOVE1000%以外の曲を覚え始めた。ふたりが好きなうたプリを私ももっとちゃんと知りたいと思ってアニメを全て見た。私はうたプリを初めて知った小学生のときから10年ほど経って、ようやく本当にうたプリを好きになった。
推し概念のイヤリングをふたりにプレゼントした。御曹司をイメージしたものと、翔くんをイメージしたもの。初めてアクセサリーをつくったので不恰好だったけれど、喜んでくれた。いつしか私が描く彼女たちのイメージカラーは青とピンクになっていて、プレゼントはその色を選んでしまいがちになった。
その後も私たちは何回もカラオケに行った。マイクを人数分借りて、3人ユニットの曲をそれぞれの推しパートずつ歌ったり、ハモリあったり。藍ちゃんが好きだった私は『月明かりのDEAREST』をいっぱい歌ったなあ。カミュの下ハモをいつもお願いしていたからか友だちは普通に曲を聞く時も下ハモしか聞こえなくなっていたらしい。
大学1年生の夏、サークルの合宿中にシャニライのガチャを回した。その時は確か、遊園地の翔くんURが出る期間だった。ガチャは本当に不思議なもので、欲のある人へはなかなか出ないし、他人の推しほど当たる。私と真斗担が翔くんを引いて、結局翔くん担の元へは来なかったんだっけ。お互いの推しほどいつも引いてしまうからその度に笑いあってた。
シャニライと言えば、クリスマスの日を思い出す。真斗の誕生日ガチャが発表され、真斗担が祈りを込めながら回したときだ。そのときもちょうどサークルのクリスマス会前で、3人でドキドキしながら見守った。いつも推しほど出ない私たちだったけれど、クリスマス効果なのかなんなんのか真斗は来てくれた。クリスマス会はまだなのに、私たちは大はしゃぎだった。
大学生活、本当に楽しかったな。中高生の私に「焦らなくても最高のオタクの友だちができるから待っててね」って教えてあげたい。うたプリに限らず彼女たちとはずっと憧れてたようなオタクの遊びがたくさんできた。そのひとつひとつを全部書きたいけれど、長くなりすぎるので割愛する。
今回このnoteを書きたくなったのはマジLOVEスターリッシュツアーズを見たからだ。マジLOVEキングダムも見ていたので、楽しみにしていたけれど、まあ1.2回見れたらいいかなと思っていた。スタツアはそんなもんじゃなかった。公開から3週間ほど、私はもう10回以上見に行っている。何回見ても初見の気分で、音也ソロのかっこよさで全てが吹き飛ぶ。
ずっと藍ちゃんが好きだったはずなのに、気づいたら音也が好きになっていた。今までの推しと系統も違うので自分でもよくわからない。いつから好きになったのかもはっきり覚えていないけれど、アニメ4期の音也回は泣きながら見ていたし、マジLOVEキングダムのときは赤いペンライトを付けていたような気がする。
初日は御曹司が好きな真斗担と入った。社会人になったらふたりと遊べることも少なくなるんだろうか、と思っていたけれど、就職先の関係でむしろ私たちの家の距離は近くなった。車で15分あれば着くくらいだ。うたプリを、そして御曹司の歴史を教えてくれた真斗担。私は彼女の御曹司への想いをずっと聞いていたので、ライブ中は彼女が帰りの車を運転できるのかどうか心配になった。
私はそもそも同室組が好きなのだけれど、とくにルレのふたりが好きだ。キングダムでもふたりはハグをしていたし今回も何かあるかな〜と思っていた。でも、御曹司については予想していなくて、真斗ソロでパニックを起こしたし、アンコールは幻覚だと思った。自分の見ている映像が信じられなくて、でも嬉しくて、あまりの興奮で脳が破裂しそうだった。
帰りの車で、お互いの見たものが幻覚じゃないと確認するためにすぐ次の鑑賞予定を決めた。
その日は翔くん担とは一緒に見れなかったのだけど、私はどうしても彼女にも早くスタツアを見てほしくなった。中華モチーフの翔くんの舞台は絶対に大好きだし、セシルソロも好きなコンセプトに違いない。そして、各メンバーがバックダンサーとして出る演出はあまりにも刺さりまくるだろう。
スタツア公開から2週目、音也とトキヤからアンコールでメッセージがあるというので金曜日にひとりで見に行った。ダブルアンコールのマジLOVE1000%でありえないくらい泣いてしまった。ST☆RISHの歴史と一緒に、私のうたプリ人生が走馬灯みたいに流れて、彼女たちに出会ったことを心の底から感謝した。私にうたプリを教えてくれてありがとう。
そして、先週末ついに3人でスタツアを見に行くことができた。翔くん担へはSNSをどうか見ないでくれとお願いして何も知らない状態で連れていった。ふたりで翔くん担を挟む形でライブを見て、彼女のペンライトが止まる瞬間が初見の私と同じでわかるよ!!!と思って抱きしめたくなった。
そのままカラオケに直行して、何年ぶりかにうたプリだらけのカラオケ祭りが始まった。すごく楽しいのに、懐かしくて涙が出そうだった。社会人になって大人になったけど、私たち変わってないね。
スタツア上映後に真斗担が「うたプリに出会って12年、ふたりに出会って6年。同じ熱量でうたプリを話せる人がずっといなかったから自分のうたプリ人生のちょうど半分でふたりで出会えたんだなって改めて思って、マジLOVE1000%で泣けた」と言っていた。そんなこと言わないでよ、私もまた泣けてくるよ。
うたプリがあったから彼女たちと出会えてここまで仲良くなれたと思うから感謝しかない。逆に、彼女たちと出会わなければうたプリを知らなかったと思う。初めてカラオケに行った日に『溺愛テンプテーション』を聞いてから私のうたプリ人生は始まった。ふたりとも、本当にありがとう。ふたりのおかけで、私は今本当に楽しくて幸せです。
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