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世界がBTSにfocus onした夜:American Music Awards 2021

JKを捕獲するジン。爆笑するジミンとSUGA。ニコニコとメンバーを見つめるRMとj-hope。なぜか一人でマイクに向かうVさん。

何度見てもじわじわ来るこのヘッダー画像、いつのものか分かります?RUN! BTSじゃないんですよ。とっちらかってるけど、アメリカ三大音楽賞のひとつAmerican Music Awardsで、Artist of The Yearの受賞スピーチのシーンです。

2017年から毎年AMAsにノミネートされていたBTS。2021年はついに『今年の顔』のアーティストを選ぶArtist of The Yearに初ノミネートされて、めでたく受賞!本人たちも予想の斜め上をいく受賞だったようで、スピーチでは動揺しまくってしゃべりすぎたRMをSUGAが回収、どんどん言葉が出なくなるJKをジンが回収、意外にも(?)もっとも落ち着きをキープしていたVさんがその場をシメるという珍しい光景が見れました。

そりゃ驚きますよね。だってArtist of The Yearの候補者って、アリアナ・グランデ、ドレイク、オリビア・ロドリゴ、テイラー・スイフトにウィークエンドですよ。アメリカ国民の認知度90%を超えてそうな、音楽シーンを代表する大人気アーティストばかり。

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これですよ。うへえ、強すぎる。このラインナップの中で受賞しちゃった!韓国のボーイバンドBTSが!WINNERって星がついちゃった!

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そりゃこうなる訳ですよ。focus onの奮闘空しくタイムオーバーで回収されるJKの図。めっちゃ笑顔やん。大舞台の受賞モーメントなのに、みんな素の顔で笑っちゃってる。喜びが団子状態になってます。きっとこれから先、彼らが何度も思い返しては「RM尺取りすぎ」「いやJKだって」「ARMYが喜んでたからOK」と笑い合う幸せな記憶のひとつになりますね。すべてに「アジア初」と冠がつく数々の記録も立派だけど、記録はただの数字でしかない。彼らを真に祝福するのは、こういったかけがえのない瞬間や唯一無二の体験なんだろうなと。

ぶっちゃけ私もメインの賞にノミネートされただけで大満足していたので、プレゼンターが食い気味に「BTS!」と叫んだ瞬間「エーッ!」って声が出ちゃいました。

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RMのスピーチを聞きながらj-hopeが端っこで目をうるませていて、胸がギュッとなりました。長い長い耐えるだけの時間の先にこの賞があったこと、色んな想いが去来したんじゃないかと思います。2年ぶりにAMAsのステージに立って、ARMYの歓声の中で初めて『Butter』を披露して、大勢の観客とセレブリティの前で喜びの言葉を述べる。この体験すべてが、厳しい時期をなんとかやり過ごしながら頑張ってきたBTSへのギフトのようだと思いました。

パンデミック以降、ライブができない辛さやファンに会えない寂しさを度々口にしていたメンバー。でも活動はものすごく精力的で、曲をつくり、MVを撮り、アルバムを出す。ファンのかわりにカメラだけが並ぶだだっぴろい空間で何度もライブして。私はBTSに出会って丸一年くらいですが、彼らの成果物を一方的に受け取るばかりだな~と感じていました。

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メンバーの目線の先にいるARMY。ひとり一人の顔が見える距離。みんな手を伸ばしてハートを作って、想いをメンバーに伝えようとしてます。やっと会えたという互いの気持ちに共鳴しちゃって泣きそうになりました。こうやって直接想いを投げられるのも受けとれるのも、ほんとに幸せなことなんですよね。BTSがもっとも必要としていた瞬間を、やっと手にすることができて嬉しい。レッドカーペットに登場した姿を見てウルウル、ARMYの大歓声と歌声を聴いてまたウルウル。もはや何目線でウルウルしているのか分からない。情緒が完全に混乱しています。

観客が手首につけたライトが宇宙のように輝く客席。ボーカルをかき消す大歓声。歓声で温度が上がるあの感じです。かつて当たり前だった光景が意味が分からないほど美しく見えて泣けました。みんなが同じものを愛していて、大切にしている。同じ方向を向いている。失われつつあったけど、こんなに美しい空間がこの世にあったんですよね。

メンバーの目の輝きも笑顔の出力レベルも全然違った。人間の瞳が物理的にあんなに輝くことを知りました。これが彼らのあるべき姿と生きる場所なんだなと。そしてBTSが嬉しいと私も嬉しい。まるで孫を見守る祖母の気持ちです。

最後の最後に出てきた『Butter』。黄色のアニメーションと黄色成分最大の衣装の組み合わせが、ポップの極みですごくかっこよかった!衣装の黄色が彩度抑え目なのもシックでよいです。『Butter』というタイトルは親しまれているモチーフと覚えやすいワードでアメリカ攻略にぴったりですが、色やテーマでも展開しやすいっていうのは強いですね。色で面を取れるのでインパクトを出せる。

みんな気合バリバリ、ラッパー陣も「BTSにラッパーあり!」と東海岸まで名を轟かせる勢いでかっこよかった。SUGAの「Hate us!」は過去イチ高らか伸びやかで、この舞台にぴったりの煽り具合。シチュエーション的にもハマり過ぎです。ラストのj-hopeのパートの全員ダンス、またアレンジされててライブ感が増してました。j-hopeのダンスブレイクで観客にスイッチしたカメラは体育館裏に呼び出したいですけど。

RMがラップのパートを終えたときにぴょんってジャンプしたんですけど、それがすごく高くて、このアクションはお客さんがいなかったら出てこないやつだろうなと思ったりしました。ジミンの「Thank you!」とかもだけど、観客がいると舞台で生まれるものの数と質が違う。ステージに立つ側だけじゃなくて、ファンとのエネルギーの交換で作られていくものだということを目の当たりにした気がします。

去年も今年もラストの出番。去年は「視聴率稼ぎに引き延ばしやがって…」とBTSをなかなか出さない番組を恨まんばかりでしたが、今年はArtist of The Year受賞後だったせいか、スターが満を持して登場!という雰囲気で、出るならここしかないでしょくらいの気持ち。出演順は変わらないないのに、文脈でこれだけ違う解釈ができる人間の脳ってスゴイですね笑。

今夜はグラミー賞のノミネート発表。ノミネートは堅いと思いますが、まったく予測がつかないのがグラミー賞。Song Of The Yearには入りたい…!頼んだよグラミー賞。空気を読んでねグラミー賞。とつぶやきつつ、布団に入りたいと思います。

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SUGAのスピーチを聞きながら、出番に備えてストレッチするJKさん。



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