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BTSを全部盛り!最強ラインナップの『Permission to Dance』LIVE

どうしてBTSはこんなに売れてるの?と質問をされると、いつもうまく答えられない。でもライブを見ると、いつも同じ言葉が口をついて出る。「そりゃみんな好きになるでしょ」と。

RUN! BTSでゲラゲラ笑い合う姿も、IN THE SOOPでぼんやりしている寝癖姿も、どの瞬間も魅力いっぱいだけど、やっぱりアーティストとしての彼らが大好き。ステージに立つBTSを見ると愛があふれまくる。BTSが好きだー!と大声で叫びたくなる。かっこよくて愛おしい、最大級リスペクトの対象がステージの上にあるのです。

オンラインライブ『Permission to Dance on Stage』は、BTSの8年間をぎゅぎゅっと濃縮して「これが僕たちです」とポンとテーブルに乗せたような、最強ラインナップの最強ステージでした。

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リードトラックだらけのセットリストが最強

『DOPE』に『Airplane pt.2』に『I NEED YOU』。各年代のリード級ナンバーのオンパレードで、セットリストの濃度がすごかった。メドレーをおりまぜながらヒット曲につぐヒット曲は総数24。これが当たり前のように全曲いいんですわ!BTSがいつの時代もかっこいい音楽を鳴らしていたことが分かる。次から次に熱い曲が降ってきて、息継ぎを忘れるくらいにテンション急上昇。

膨大な名曲レパートリーがあるので、色んな時代の曲を自在に組み合わせてストーリーを作れるのが強いところ。特に『Blue & Grey』からの『Black Swan』、『Stay』からの『So What』は、クゥ~!てなりました。新しいファンも馴染みのファンも、誰一人取り残さないサステナブル少年団。BTSのソングブックの分厚さは鈍器本並みです

そして曲のアレンジ力が際立っていた。いつにも増してすごかった。私もオンラインライブ3回目になるので、彼らがしれっと過去曲をアレンジしてくるのには慣れてきたんですよ。だけど今回のライブは、アレンジ量が多かった。24曲のうち半数くらいに手を入れてるんじゃなかろうか(体感です)。そしてアレンジのクオリティがすごいんですわ!

しょっぱな2曲目の『FIRE』。トラップっぽくなってて不穏さ2倍増し。治安悪い少年より治安悪い大人の方がずっと怖いんですね。かっこよすぎて喉の奥から超音波みたいな悲鳴が出ました。

『Boy With Love』はライブでやる度に最高値を更新してくる。2020年BANG BANG CON The Liveのアレンジが狂おしいほど好きだったけど、今回はディスコ風味のベースラインのBWL。最高か。バンドサウンド少年団にはある種の円熟味を感じます

『Dynamite』は去年のBBMAsで披露した大好きなfunk & soul ver.だし、『I Need You』は『Save Me』とマッシュアップしてませんでした?なんで皆さん動じずに歌ってるの?こっちは動揺しっぱなしというのに。生ドラムの『IDOL』に至っては血圧が10くらい上昇しました。最近低血圧気味なので予期せぬ健康促進です。

ライブを見るたびに心をひきつけてやまない、BTSの豊かな音楽性と遂行力の高さ。毎度お馴染みSUGAパパの人格が降りてきて「一度BTSのライブに行くと止められないんだよ~」と告げています(誰に)。リミックスver.をいろいろ出すのもいいけど、こっちも販売して欲しい。音源化求む!

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四季のように色を変える演出が最強

映像を挟んだ舞台転換の度に、まるで季節が移り行くように異なるコンセプトで展開されるステージは、どれも見ごたえありまくりでした。万華鏡がカチッと回転して全く違う模様を描き出すみたいに、次々に違う表情を見せてくれる。

BTSの真骨頂その壱は『ON』。闘う彼らの強い意志と王者の貫禄。ライブのオープニング曲として創られたような曲ですね。空気の質量が1トンくらいに膨らんだように感じます。濃くて、分厚くて、重たいパフォーマンス。そこからの『FIRE』『DOPE』『DNA』は熱い息を吐きながらどこまでも全力疾走するBTS。

から場面が変わって冷たい冬の訪れ。『Blue & Grey』で7人はもう一人の内なる自分に向き合っていたのでしょうか?現実と少しずつズレて行くような映像に胸がギュッとなりました。ジンの透明な声が雪の結晶のよう。純度が高くて儚くて、目頭に猛烈な圧が。そこにJKのまろやかな低音が混ざると言葉を失う美しさですね。この2人の声は質感も持ち味も真逆なのに、こんなに美しく溶け合うとは。

『Black Swan』では空気が凍りつきそうな冷たさ。ダンサーが後ろ手でパタパタ入ってくるところは、ちょっとペンギンぽくて可愛かったですけど。ペンギンは寒い地方に住むほど体が大きくなるそうですね。舞い散る白い羽は映像で、黒い羽根はリアル。黒い羽根がハラハラと降ってくるステージは完全に異世界です。『Black Swan』もパフォーマンスの度に芸術点を更新しますが、これだけ高い完成度でライブのステージに幻想的な空間を作り上げられる芸術性、これも唯一無二のBTSの魅力だと思います。彼らの世界にひゅっと意識を連れていかれる。続く『Blood Sweat & Tears』『Fake Love』とダークな内面を剥き出しにするようなBTSの冬の季節が続きました。

『Life Goes On』からは泣く子も喜ぶ大ヒットナンバーの応酬。それまでステージの端で一人、椅子に座って歌っていたVさんが、メンバーと同じセットに入って笑顔を見せていたのでホッとしました。立って踊れなくても表情や仕草で楽しませてくれて、座っていても巨大な存在感。とはいえ、気持ちが切れないように保つのは大変だったんじゃないかと思います。

『Dynamite』のダンスブレイクは、「これがBTSだ!」と世界に見せつけたいくらい華やかで鮮やかにかっこいい。いま地球上でこんなステージを見せられるのはBTSだけじゃないですか?世界を歌とダンスで明るく照らすポップスターですよ。そこからの『Butter』の流れと入りが完璧すぎてもう声が出ない。これを発明した演出家の方になんらかの賞を差し上げたい。世界よ刮目せよ。これが現代エンターテインメントの最高峰だ!(大声)

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癖(へき)ど真ん中の衣装が最高

『ON』の歴代衣装がどれも好きで、「BTS『ON』の衣装が好きすぎて集めたら自分の癖(へき)が見えてきた 」という記事を下書きのまま半年寝かせているくらいなんですが、この日の『ON』も最高でした。機能性ゼロの紐がピロピロ出ていたり、動かしても何も起きないジッパーがついてたり、整合性のとれないカットやシルエットがあったりする服が大好きなんです。MVと同じくRick Owensの服がメイン。あつらえたみたいに一人ひとりの個性を輝かせていて、全員とってもかっこよかった。

特にj-hopeさん。MVでは黒のジャンプスーツの下部分だけ着用するという「ならフツーのパンツ履けばいいんじゃ…」と素人には読み解きにくいコーディネートでしたが、この日は首元まできっちり閉めたザ・つなぎが最高です。強めのサングラスをかけた姿はポップの申し子。世界広しといえども、このスタイルを完璧に着こなせるのはhopeさんしかいません(断言)。RMは「筋肉が最高のアクセサリー」の生き証人となっていました。

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『Black Swan』では、スーパースターのスタイリストと癖(へき)がかぶるという幸せを噛み締めました。なんですかあのボディチェーンに棘だらけのハンドカフ。ジミンさんなんて裸ジャケットにボディチェーンですよ。けしからんが過ぎます。「どうせ脱ぐなら着なけりゃいいじゃない」だとしたら、それは逆ですジミンさん。そのパターンで脱ぐのは通常はジャケットの方です。

JKはどこをとっても寸足らずな、けしからん丈のジャケットとロングブーツ。個性的なスタイルだけど、腰の位置が高いJKにぴったりでかっこよかった。Vさんもデコラティブな衣装が、らしさ全開。進化したボディタトゥーは反則です。お花が一輪咲いているのがVさんっぽいと思ったけど、誰のアイデアなのかな?

SUGAは前撮り映像ではジャケットに合わせた深いVネックインナーを着ていたのに、ステージでは首回りがつまった黒インナーでしっかりガード(何を)。スカートまで着用してカテナチオばりの鉄壁の防御力を見せつけます。見せたい派と隠したい派にきっちり分かれている少年団。大人の彼らだから上品に着こなせる、エレガントとセクシーが同居している衣装でした。

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「7人でステージに立ち続ける」という挑戦

歌、ダンス、音楽性、演出、衣装とレーダーチャートのように7人の魅力を色んな角度から見せてくれて、ダレる瞬間はゼロ。ソロもユニットもなし、休憩できるのは転換の短い時間のみ。体力的には相当きついのではないでしょうか。

ハードなステージをこなすために、振付ありとなしの曲をうまく混ぜていたので、結果的に両方の良さが楽しめる美味しいとこどりに。振付なしはライブならではの自然発生的なノリが味わえるし、振付がある曲は完成度が高くてかっこいい。『IDOL』はラスサビにだけダンスを入れてたけど、めちゃくちゃ効果的ですね。曲の締まり方がすごい。久しぶりに見る『Save Me』、ダンスこんなにかっこよかったっけ?

映像のコンセプトは、パンデミックからの脱出なのかな?収監されたメンバーが脱獄して、音楽の魔法の粉を発明してばらまき、歌とダンスで世界征服、みたいな。悲観的でも感傷的でもなくて、遊び心や悪戯っぽさがあるところが好きでした。もうパンデミックには心底うんざり、必要以上に嘆かず悲観せず、大切なものを守って生きていく。そんなメッセージにも見えたり。

現時点では日本もパンデミックの状況はやや落ち着いていますが、1か月後は分からないし、次のライブがいつになるかも分からない。次が見えないからこそ、一部メドレーにしてもたくさんの曲を聴かせてくれて、彼らが精いっぱい「この瞬間」を楽しませようとしてくれていると感じました。

「全員が2時間半ステージに立つ」方式を選んだのは、長くライブができない状況の中で、現在のBTSの7人としての姿勢を伝えたかったのでしょうか。『Young Forever』『Spring Day』という大切な2曲から『Permission To Dance』の流れに、ふとそんな気持ちが生まれました。

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LAのライブ、配信が決まって嬉しいです。願わくば、大切な初日の配信もありますように!

写真はすべてBTSのFacebookからお借りしました。団体写真はきちんと7人が写っているものばかりでしたね。

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戦友登場…!


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