デッキガイド:バード・レジェンズ
ここ半年ほどの筆者は(赤)(緑)の神秘的なエンチャント《バード・クラス/Bard Class》を唱えるのに夢中です。
筆者は緊張感のあるテーブルでこのカードを唱えたいという欲望から競技マジックに参加し始め、4回目の挑戦でようやく店舗予選を抜け、エリア予選の参加権利を獲得することができました。記念にnoteを書こうと思ったところ、開封杯でベスト8に残ることができました!望外の成果です。
バード・レジェンズは競技レベルでは使用者が少なく、詳細なデッキガイドも多くありません。しかし実際はtier1のデッキの多くに対し互角かそれ以上で戦うことができる上、回していて飽きない高い快楽値を備えた、パイオニアならでは面白さが詰まっているデッキです。
一見ほぼ負けの盤面からコンボ勝ちできたり、ワンチャンの逆転勝ちを掴むことが出来たりして回していてなかなか飽きません。
こちらはパイオニアのtier1デッキの事をある程度理解して席に座っているのに対し、相手はバード・レジェンズに対して効果的なサイドボードを用意していないことはおろか、何も知らない≒ほぼ分からん殺しを拾えることもしばしば。
デッキを理解されていないのは使用していくうえでメリットではあります。一方で、使用者が少ないとデッキリストが洗練されていかない=デッキが発展していかないのも現実。いろんな人にこのデッキを回してみてほしいので、一旦ここまでのノウハウを整理してみることにしました。
ほぼ初見のクリーチャーのテキストを読んでいる間に殴り殺されてしまった方も、とりあえずスキル0から勝ててそこそこ安いパイオニアのデッキを探している方も、最後までお付き合いいただけると幸いです。全文無料です。
※マッチアップガイドを増量&マッチアップ別マリガン・ガイドを追加し、有料化しました。
最新のリストでは、《アガサの魂の大釜》→《耐え抜くもの、母聖樹》に変更しています。
デッキ概要
バード・レジェンズというデッキの勝ち筋、弱点、フィニッシュ手段はデッキ名を冠するエンチャント《バード・クラス/Bard Class》にすべて記されています。
Bard Class / バード・クラス (赤)(緑)
エンチャント — クラス(Class)
(次のレベルになることはソーサリーとして行う。そのレベルの能力を得る。)
あなたがコントロールしているすべての伝説のクリーチャーは、追加で+1/+1カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。
(赤)(緑):レベル2
あなたが伝説の呪文を唱えるためのコストは(赤)(緑)少なくなる。この効果は、あなたが支払う色マナの点数のみを減らす。
(3)(赤)(緑):レベル3
あなたが伝説の呪文を唱えるたび、あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。このターン、あなたはそれらをプレイしてもよい。
素の状態では伝説のクリーチャーを一回り強化することができるだけのエンチャントですが、重要なのは設置した後にソーサリー・タイミングで起動するレベル2の能力。「あなたがコントロールする伝説の呪文は(赤)(緑)分少なくなる。」このデッキは、この一文を前提に構築されています。
このデッキには2種類の呪文があります。《バード・クラス/Bard Class》とそれ以外です。このカードの重みはほかのカードの比ではありません。《バード・クラス/Bard Class》のLv2を前提とした伝説の呪文は33枚も採用されています。
非伝説カードは20枚の土地と《バード・クラス/Bard Class》、《バード・クラス/Bard Class》を持ってくるための《精霊との融和/Commune with Spirits》のみ。
実にメインデッキの半分以上が伝説の呪文で占められています。
《バード・クラス/Bard Class》のLv2で軽くなるのは伝説の「クリーチャー」ではなく「呪文」なのでクリーチャーはもちろん,エンチャントやプレインズウォーカーも2マナ軽い状態で唱えることができます!
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》は0マナ。
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》は2マナのプレインズウォーカー。
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》の2枚は2024年5月現在エクスプローラーでは使用できません。この2枚がハチャメチャな強さすぎて、バード・レジェンズはエクスプローラーよりもパイオニアの方が2.3段強くなっています。
もちろんクリーチャーのマナコストも軽くなります。《バード・クラス/Bard Class》は素の状態でクリーチャーに+1/+1カウンターを置いてくれるので《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》は0マナ4/4!!!
《迷宮壊し、ミグロズ/Migloz, Maze Crusher》1マナ5/5!!!。
口に出すだけでうっとりしてしまうような破滅的なマナレシオです。
《バード・クラス/Bard Class》を2ターン目に設置すれば、3ターン目に手札にあるだけ、おおむね9マナ分くらいのレジェンドたちを踏み倒して戦場を制圧することができてしまいます。
手札をすべて展開して、そのまま殴って勝利することも夢ではありません。むしろ、体感5ゲームに1回くらいは《バード・クラス/Bard Class》Lv2の暴力で勝利まで持っていくことができます。
それだけでも相当強いのに、《バード・クラス/Bard Class》はさらなる必殺技を用意してくれています。
(3)(赤)(緑):レベル3
あなたが伝説の呪文を唱えるたび、あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を追放する。このターン、あなたはそれらをプレイしてもよい。
Lv3がアンロックされると、そのターン中に50パーセントくらいゲームに勝ててしまいます。仮に手札に着火剤となる伝説のカードがあり、唱えるカードが伝説のカードなら、めくれるのもまた伝説の呪文。0マナ。めくれた0マナの呪文を唱えて、さらにカードをめくって唱え…無限にパラパラと呪文を着地させていきます。
デッキの半分以上が伝説であるため、デッキトップを2枚めくると50%の賭けを2回行うことになり、75%当たります。両方伝説の呪文がめくれる可能性も少なくありません。
中でもめくれて一番うれしいのは《ニッサの誓い/Oath of Nissa》。
0マナでデッキトップを2枚めくって、さらにデッキトップ3枚を見てクリーチャーを手札に加えられるので、5枚のカードの中から3枚をゲームに絡めることになります。禁止カード《表現の反復/Expressive Iteration》が裸足で逃げ出すレベルの爆発的なアドバンテージで、レベル3の最中に《ニッサの誓い/Oath of Nissa》がめくれたらだいたい最後まで決まってしまいます。
デッキの中身の20枚以上は、レベル2の状態で0マナとして換算できるカードで、10枚は《モックス・アンバー/Mox Amber》《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》などのマナを増やすことができる呪文です。フルタップでLv3にダイブしたとしても、三分の一の賭けを二回、おおよそ60%の可能性で次につながる、なかなか分がいい賭けです。
戦場にマナを貯めて(0)や(1)という壊れたマナコストで唱えられるようになった仲間たちにマナを相互供給しながらソリティアを続け、デッキの中身をほとんど開帳した後になつかしの《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》で大量のマナを出してさらにデッキを開いていきます。最後に小さなフィニッシャーである《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》に辿り着き、散々出したマナを彼女に注ぎ込んで全体に速攻とトランプルを付与する能力を起動できるだけ起動します。
正確な数字は不明でも、クリーチャーがたくさんいて全員+5修正以上の速攻トランプルなのでまず勝ち!50点くらいありそう!このLv3のグランドフィナーレでクリーチャーをたくさん並べ、《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》でマナを大量に出すために、バード・レジェンズはクリーチャーのピン挿しが肯定されています。
もし仮にLv3でめくれるカードが残念ながら両方とも土地で75%の賭けを外してしまったとしても、デッキの中身の半分以上が伝説なので、次のターンが返ってくれば、デッキトップで50%の賭けを始めることができます。盤面更地でバード・クラスしかないけど、触られなければ50パーセント以上勝てる、というのはそう悪い展開ではありません。
踏み倒しとアドバンテージ獲得と勝利手段を兼ねている《バード・クラス/Bard Class》がある状態でのこのデッキは非常に強力です。
一方で、《バード・クラス/Bard Class》を引けないと弱いデッキである、と思われがち。事実、このスーパーエンチャントが戦場にあるときと比べると、さすがにない時はどうしても見劣りしてしまいます。
ですが、実は《バード・クラス/Bard Class》がないと全然戦えない、というわけでもありません。このデッキの最大の武器は、《バード・クラス/Bard Class》ではなく「テンポ」です。グルールの伝説たちは意外とそこそこやれる子たちが揃っています。それぞれ色々書いてありますが、彼らに共通しているのは「並べて攻撃すると真の効果を発揮する」という点。
《バード・クラス/Bard Class》が引けていないとき、裏を返せば代わりに盤面を展開するための土地か何らかの呪文があるはず。このデッキであれば手札には2マナ、3マナ、4マナの呪文が並んでいる事になるので、少なくともゲーム前半のテンポは確約されています。特定のシチュエーションで役に立つ彼らの能力を見極め、バードクラスがなくても盤面に圧をかけられる手札をキープすることが大事です。
仮にバード・クラスがあったとしてもこのデッキのキル速度は最速で4ターンと、フィニッシュの派手さ、盤面の圧はあるものの環境最速とまでは言えません。バード・クラスがなくてもうまく展開すれば4ターン目までに20点近くのコンバットダメージを与えることはギリ可能。マジックはライフ20点しかないゲームなので、もしかしたら50点以上のダメージを与える必要はないのかもしれません。
また、いかに最強といえども《バード・クラス/Bard Class》は単体で成立しているカードではありません。戦場に同時に投下することができる伝説の呪文が手札にあって初めて効果を発揮するエンチャントです。
太い勝利手段は「クリーチャーで殴る」以外には存在しないので、マナもなくクリーチャーもない、《バード・クラス/Bard Class》しかない状況に立たされてしまうと特に何もしないカードになってしまいます。
むしろこのデッキ最大の弱点は、《バード・クラス/Bard Class》のレベルアップがソーサリータイミングでしか行えないという点。
3ターン目の《バード・クラス/Bard Class》レベルアップに合わせて《力線の束縛/Leyline Binding》や《失せろ/Get Lost》《霊気の疾風/Aether Gust》などのインスタント・タイミングの除去をくらってしまうと致命的なテンポロスとなってしまいます。最大の武器はテンポであるにも関わらず、3ターン目までクロックを一つも立てられていない、アドバンテージ獲得手段も特になし…という大ピンチに立たされてしまいます。
むしろ相手が展開してきたクリーチャーを2ターン目に除去したり、2マナのブロッカーを立てる方が勝利につながる動きであるパターンも多いです。《バード・クラス/Bard Class》を2ターン目に置き、3ターン目にレベルアップするというストレートな作戦が結果的に悪手となることも存在します。
白いデッキ相手であれば、2ターン目に《バード・クラス/Bard Class》を出して、3ターン目は素直に3マナの呪文を唱えるのが正着の場合も多々あります。
《バード・クラス/Bard Class》はあくまでゲームの交渉の道具の一つ。手札にもよりますが、理想はほんのちょっとだけこちらが有利な盤面を継続して殴りきることです。なかなかそううまくも行きませんが、「レベル3起動しちゃうよ!!《失せろ》打つなら今しかありませんよ!!ちなみに盤面にはクロックが並んでいます!!」という場面で起動するのが望ましいです。
幸いなことに、マジックにはカラー・パイの概念が存在します。立っているマナの色的に《バード・クラス/Bard Class》に絶対触られない状況は少なくありません。そして、現在のパイオニア環境に存在するデッキのうちいくつかはそもそもインスタント・タイミングでエンチャントに触ることができません。イゼット・フェニックスの《厚かましい借り手/Brazen Borrower》はすごく多くても2枚で、吸血鬼に至ってはエンチャントに対処する手段を全く持っていないことがほとんどです。
相手の土地からデッキの色を推測して、幸運にも相手がエンチャントに触れなさそうであれば悠々と出して、レベルを上げて勝つことができます。全体除去を食らってからのリカバリーもバード・クラスが戦場に1枚あれば容易で、《太陽降下/Sunfall》の返しに手札に1枚の《モックス・アンバー/Mox Amber》からレベル3で勝利!も十分に有りうるため、幾つかの勝利ラインを同時に走らせながら4~5キルできるのがこのデッキの最大の長所です。
https://www.dndbeyond.com/classes/bard
このカードのモデルであるダンジョンズ・アンド・ドラゴンズの設定では、歌の魔法を操る吟遊詩人をバードと呼ぶとのことです。
彼らの歌に気をよくしたレジェンズたちは強化され、普段よりも安いギャラ(コスト)で戦場に出て、最後はウィーアーザワールドしてくれます。それまでの戦いでせっせと殴っていたクリーチャーたちをみんな並べて殴る快感は、何度やっても飽きることがありません。Lv3で相手の顔面に50点以上のダメージを叩き込んでいるとき、音楽の力を実感します。
採用カード
《モックス・アンバー/Mox Amber》×4
伝説デッキの特権。デッキの中身の多くは伝説のクリーチャーなので、手札にある《モックス・アンバー/Mox Amber》が完全にマナを出せない状態にはなりづらいです。2ターン目にバード・クラスを置かれずに安心している相手に対して、《モックス・アンバー/Mox Amber》を使って2マナから4マナへジャンプし、速攻のクリーチャー3体を並べて殴る!という動きだけで案外ゲームの主導権を握ることができるときもあります。
複数枚の《モックス・アンバー/Mox Amber》からゲームの序盤に大きく動き、盤面を取って頑張って戦い、そうこうしている間にバード・クラスを引いてくる、というのも理想のゲームの流れの一つです。
1マナ分先の未来にたどり着いて、先手後手を入れ替えたり、脅威に対してこちらよりも少ないマナで盤面に対応させるモックス・シリーズの強力さは、モダン環境で長らく唯一のモックスであった《オパールのモックス/Mox Opal》が禁止されてしまったことからも明らかです。それだけ、早いターンにマナをジャンプして大きく動くことが強力であるということが伺えます。
アーティファクトこそあまり使いませんが、モックスが強力に使えるビートダウン・デッキであるという点で、バード・レジェンズはパイオニアの親和デッキなのかもしれません。デッキの中のほとんどのカードが金色の枠を持っている様子は、手札が銀色になっている古のモダンの親和デッキを思い起こさせます。
かつての純粋な「親和」デッキは4枚の《オパールのモックス/Mox Opal》が禁止されてからというもの、トーナメントではほとんど姿を見なくなってしまいました。しかし、現在バード・レジェンズはモックスを8枚使うことができます。
《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》×4
バグってます。明らかに強くデザインされたカードです。なぜか速攻がついている奇妙な伝説のマナクリーチャー。
一見2マナから1マナ出すだけのカードですが発売から半年ほどでプロモ・カードが印刷された理由は、バード・レジェンズでの動きを見ればすぐにご理解いただけることでしょう。
バード・クラスがレベル2まで上がっている状態であればルビーは0マナで1マナ出す、実質5枚目以降のモックスとして機能します。彼女自身が伝説なので、《モックス・アンバー/Mox Amber》からもマナが出せる上、伝説なので戦場に降り立って即座に《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》を起動することができます。2ターン目にこのカード素出し→相手のハサミを母聖樹で破壊、はめちゃめちゃ気持ちよくなれるので、マリガンしても狙いに行く価値があります。
このスーパーカードによって2ターン目に彼女を展開しながら《モックス・アンバー/Mox Amber》からもマナを出し、《倦怠の宝珠/Torpor Orb》も設置する、といった圧倒的なテンポ感を手にしました。2ターン目に4マナ分動けます。
さらに、このカードは5枚目のモックスであるのみならず、戦闘開始時に隣にパワー4以上のクリーチャーがいれば2/2修正がかかるというメリット効果までついています。
盤面に展開したいカードがなく、もはやマナが必要ない状況であれば逃げも隠れもしない4/5速攻として殴りに行けます。偉すぎる。。ここまでやれとは言ってません!
序盤後半いつ引いても彼女が腐ることはなく、最後は伝説を並べたいという欲望ゆえにピン挿しのカードが多くなりがちなバード・レジェンズにおいてもこのカードは4枚フル投入となっています。
2/3で殴るのと4/5で殴るのでは相手に与えられる圧が全く違うので、ルビーのためにパワー4以上のクリーチャーを準備できるかどうかがこのデッキのマリガン基準となります。
人類最古の楽器は「弓」だと言われています。バード・レジェンズの主人公であるルビーが弓(ボウガン)を構えたアートになっているのは偶然ではないのかもしれません。
現在はプロモ版を使用していますが、古の調整をミスってしまったカード群の趣がある通常版のイラストも渋くて最高です。
《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》×3
2マナ3/3にメリット効果がついています!すごい!バード・レジェンズはアグロデッキでありながら《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》によって全体除去にある程度の耐性を持っています。(赤)(緑)の伝説のクリーチャーは0マナでキャストできる時点でどれも必須級の強さだと考えていますが、中でもこいつはスタッツの時点で、見ればわかる明らかな強力カードです。
彼自身が3/3、バード・クラス下で4/4のサイズであるのは非常に頼もしく、《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》+《勇敢な追跡者、ルビー/Ruby, Daring Tracker》でルビーが4/5で殴っていくというのがバード・レジェンズのテンプレの一つ。
サクリファイスして伝説のクリーチャーすべてに破壊不能付与&+1/0修正も非常に強力。サクリファイスは召喚酔いの影響を受けず、起動にタップも必要ないので殴りながらこの効果を使えるのが非常にトリッキーで、要所に置いて一見微妙な+1/0の修正はコンバット・トリックとしても使えます。
最終局面で《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》のパワーを上げてフィニッシュにつなげたり、サクリファイスによって味方のパワー4以上を達成してルビーを強化+破壊不能を付与したりと非常に便利。この効果はたくさん使いたいので、軽い気持ちで効果を起動し、《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》があったらまず彼を煮込んで呪いを継承しましょう。
大釜と《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》を組み合わせて、ブロックされたところを生贄に捧げて相手の顔面にダメージを与えたり、のトリックはぜひ使ってうまぶりたいところです。
ビートダウン戦では2マナ3/3,あるいは0マナ4/4というサイズは単純に脅威となり、コントロール戦では《放浪皇/The Wandering Emperor》や《太陽降下/Sunfall》などの追放除去から最重要カード《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》をギリギリ信心が足りない状態に持ち込み、非クリーチャー状態にして守ることができます。
ずっと女の子だと思っていたのですが、実は男性の様です。めちゃめちゃカッコいいコンセプト・アートが公開されています。
《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》×2
バード・レジェンズ影の主人公、令和の神です。墓地をふんわり対策しながら2点ドレインする置物としての優秀さを買われ様々なデッキで採用されている彼女ですが,バード・レジェンズにおける《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》の重要性はグルール・機体や5cニヴ=ミゼットの比ではありません。なんてったってこのデッキであれば、信心7は一瞬で溜まります。このカードを一番強く使えるのは間違いなくこのデッキでしょう。
・《ニッサの誓い/Oath of Nissa》+《バード・クラス/Bard Class》+何かしら赤緑のクリーチャーの組み合わせで簡単に毎ターン簡単に顕現し、
・ルビーを強化できるパワー4以上の肉であり、
・破壊不能のアタッカー
として対戦相手の前に立ちはだかります。肉として強いうえに墓地を使わない相手に対してもドレインが強力で、幅広い相手に対してとりあえず有利に立つことができます。墓地を使う相手に対しての強さはもはや言うまでもないでしょう。
ゲーム中に必ず引きたい1枚ですが、《精霊との融和/Commune with Spirits》《ニッサの誓い/Oath of Nissa》の2種類のドローソースに対応していて、高確率でゲームに絡めることができるため採用枚数は2枚に落ち着いています。
誘発がドローステップ後なのも便利で、引いてきたカードを見てからクロ―ティスがマナを加速してさらなる脅威を対戦相手に与えるか、ドレインでゲーム終了までのカウントダウンを刻むかを選ぶことができます。とにかくドローステップ後の誘発を忘れないようになって初めて一人前です(自戒)
勇者シリーズの趣きさえあるあまりにも鮮やかなアートで、foil版がカッコいいのかダサいのかは意見が分かれるところ。カッコいいです。
このバージョンで印刷して欲しい。
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》×2
数奇な運命を辿ってきた一枚です。スタンダード当時は3000円したようですが、現在は50円程度の安レア。しかし現在はバード・レジェンズ最重要コンボパーツの1枚として、ストーリー上の後釜の神である《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》と共にデッキを支えています。
この枠には、エクスプローラーでは《語りの神、ビルギ/Birgi, God of Storytelling》が入りがちですが、《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》の[+1】能力は対抗馬である《語りの神、ビルギ/Birgi, God of Storytelling》のそれをはるかに超えています。
「呪文を唱えるたび赤マナを加える」ビルギは一見バード・クラスのLv3の能力と相性抜群ですが、ビルギは必ず先に出してから呪文を唱えないとマナ加速できないのに対し、彼は好きなだけクリーチャーを並べてから最後に+能力を起動することができます。また、ビルギが赤マナしか出せないのに対して、彼は色マナも緑か赤の好きな数を選べます。これは、《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》にマナを注いでいく上では重要なポイントです。
ゼナゴスは[0]能力もなかなか強力で、速攻を持っていながらも場に残る不思議なトークンを生成し続けることができます。飛行がいないデッキであれば彼はそこそこ生存率が高く、速攻持ちのトークンはコントロール・デッキに対してとても有用。対処に複数枚のカードを要求します。
なお、盤面形成力だけで見ると平成のカードパワーなので、放浪皇など令和のPWたちとガチるとさすがに負けてしまいます。火力でトークンを焼かれた末に相手のフェニックスが帰還し静かに戦場を去っていく様子は、とても、かなしいです。
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》×2
自身のパワー分クリーチャー起動型能力のコストを軽くする常在型能力と,自身を除く全体に速攻とトランプルと修正を付与する起動型能力の2つを持っています。下の能力は一見6マナと書いてあるように見えますが、実際は彼女の常在型能力があるので5マナです。彼女自身の起動型能力は最軽量で(赤)(緑)まで軽くなります。
彼女のパワーを大きくすればするほどおいしい展開が待っているので、《結ばれた者、ハラナとアレイナ/Halana and Alena, Partners》などの強化アクションは彼女のために用意することになる、魔性の頂き女子。
バード・クラスLv3下では彼女にゼナゴスから出たマナを注ぎ込み、修正値だけで50点以上のダメージ+クリーチャーのパワー分のダメージを叩き込むというのが最高に気持ちいいフィニッシュです。
《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》や《迷宮壊し、ミグロズ/Migloz, Maze Crusher》などの獣たちと非常に相性が良く、バード・クラス下でスタッツを2/2にして戦場に降り立ったが最後,ターグナールは2マナでパワーが倍になり,ミグロズは全ての効果が1マナで起動できるようになります。
じゃじゃ馬のビーストたちを従えて、全体に力を与える姿はまさに魔女そのものですが、単体では効果を発揮しないうえ、自身のスタッツが1/1と小さいという弱点が存在し、基本的にはゲーム後半(6-7ターン目くらい)に欲しいカードです。
2ターン目に彼女を置くというのはバード・レジェンズ最弱の動きなので、もし絶対にそれをしなければいけない手札だったらマリガンを推奨します。丁重に扱いましょう。
《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》×1
推しです。キーワード能力なしの2/2のガチの熊。ノールと呼ばれる種族らしいですが、見た目もどう見ても熊です。2ターン目に戦場に降り立った時には集団攻撃もパワー・タフネス倍もどちらも一見起動できず、ぱっと見どうでも良さそうに見えるところがこいつの真の強さ。その実、かなり高いキルレートを叩き出しています。こいつを含めてパワー6点以上でアタックした時に加わる集団攻撃の+1/0修正はクリーチャーが4体以上並んでいる状態だと、ゲームの趨勢をひっくり返すのに十分。3ターン目にはモックス・アンバーを絡めてガリアや《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》から10点以上のダメージを叩き出すことも可能な、このデッキの起爆剤です。
パワー・タフネスを倍にする能力も隣に《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》がいると複数回起動でき、人の命は《悪魔牙のノール、ターグ・ナール/Targ Nar, Demon-Fang Gnoll》の能力複数回起動で簡単になくなってしまいます。
ノールはMTGWIKIによると、
とのこと。熊じゃん。
《迷宮壊し、ミグロズ/Migloz, Maze Crusher》×1
油の分だけ効果を使える偉いビースト。単純にサイズがいいので盤面をいい感じに持たせてくれます。威迫・警戒の能力は劣勢盤面から切り返すときになかなか便利で、3マナ起動で置物を破壊できるのもうれしく、レジェンズたちを《一時的封鎖/Temporary Lockdown》から救い出すことができます。パワー4なので5回の能力を威迫・警戒に使いきったらゲームに勝利できているはず。《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》とミグロズの組み合わせはバード・レジェンズ最強の構えとされています。
油をすべて使いきったら彼はしっかり仕事をしています。ケチらずなるべく使い切ってから落としましょう。
《終わりなき踊りのガリア/Gallia of the Endless Dance》×1
このデッキの貴重なアドバンテージ源です。クリーチャー3体以上で殴るとカード1枚捨てて2枚ドローできます。「クリーチャー3体以上で殴る」というのは一見難しいように見えますが、《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》の着地の次のターンや、《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》のトークン等で割と簡単に達成できます。このデッキは伝説のカードが並ぶ都合上、神河の魂力土地サイクルを非常に強く使えるというのもポイントです。《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》を1マナで起動してしまったらもう元の自分には戻れません。
微妙にアドバンテージを稼いでいくからか、晴れる屋でバード・レジェンズのカバー画像になっているからか、実際の性能以上に除去を食らいやすいかわいそうな子です。なんだかんだサテュロス・ロードなのでゼナゴスのトークンと一緒に殴れるとお得で嬉しいです。
元気ハツラツなイラストも明るくて映えています。カードゲーマーはいらない手札を捨ててドローに変換できるだけでこんなにも笑顔になることができる生き物です。
《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》×1
このデッキの真に面白い部分は、スタンダード当時ギリギリ環境に届かなかった安レア伝説たちの力を組み合わせて過去10年で最強のカード達を倒していくことです。《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》はスタン現役で、最も売れなかったであろう『機械兵団の進軍:決戦の後に』の神話レアでありながらも400円。残念ながら現状でもスタンダード環境に届いていない、カス気味のレアとなってしまっています。
いかにキーワード能力がたくさんついていようとも、2/3というサイズのままでは《墓地の侵入者/Graveyard Trespasser》や《分派の説教者/Preacher of the Schism》に一方取られてしまうので心もとないのかもしれません。
しかし何らかの手段での強化で+1/+1カウンターを乗せることで彼女の強度は格段に増し、アドバンテージを稼ぎながら地上を止める要塞と化します。《放浪皇/The Wandering Emperor》の[‐2]能力をかわし、《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》や《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》の速攻持ちトークンと殴りながらドローしていく快楽は堪えられません。3枚もドローすれば、もう勝てます。一度使えばこのカードの強さにビビるはず。
《ギシャスの初子、イツキンス/Itzquinth, Firstborn of Gishath》×1
かわいいやつです。戦場に出たときに2マナ払うと恐竜1体のパワー分のダメージをクリーチャーにのみ与えることができます。一見2点しか飛ばないように見えますが、出たとき能力に誘発スタックで《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》や《忠実な護衛、ハジャール/Hajar, Loyal Bodyguard》の能力を起動することで意外と大柄のクリーチャーを処理することもできてしまいます。
ついでのように寓話のトークンや《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》を片付けながら速攻で相手の顔面に飛び込んでいくのはなかなか痛快です。倦怠の宝珠が当たりがちな、クリーチャーを並べるデッキ相手に打ちたい能力ですが、自身もそれに引っかかってしまいます。かわいいやつだ。
《太陽の執事長、インティ/Inti, Seneschal of the Sun》×1
(赤)(1)、唯一の単色のクリーチャーです。単色のクリーチャーは(赤)(緑)(1)の3マナのクリーチャーとの競争になるので厳しいですが、それでも遜色ないほど彼は強力。
手札を捨てたときに誘発する衝動ドローは魂力土地や《終わりなき踊りのガリア/Gallia of the Endless Dance》とシナジーを形成していて、ガリア→インティの順番で能力を解決すれば、1枚捨ててインティが誘発、デッキトップを追放し、引いてきた2枚の中から1枚捨てて戦場のクリーチャーを強化、またデッキトップを追放し、手札1枚から2枚分の衝動ドローを得ることができます。もしめくったカードが0マナだったら、こんなに幸せなことはありません。勝ちです。
《バード・クラス/Bard Class》がない時に強く、ルビーをアタッカーとして機能させるために必要なパワー4以上という条件を達成する手助けもしてくれる、デッキの潤滑油となる1枚です。
《鐘突きのズルゴ/Zurgo Bellstriker》×1
明らかに貧弱だけどそこがいい1マナ2/2のデメリット・アタッカー。1ターン目に引いたら最強出し得ですが、それ以外では相手のブロッカーの前にもじもじしてあまり役に立たなそう…
なんですが、疾駆という能力がとにかく強力。
・コントロール相手に疾駆で殴り続けたり、
・毎ターン疾駆して《ナクタムンの侍臣、サムト/Samut, Vizier of Naktamun》でドローしてアドバンテージを稼いでいけたり、
・自分のターンだけギリギリ《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》を顕現させて処理されないようにしたり、
・《バード・クラス/Bard Class》Lv3ガチャを外してもいいように疾駆で出しておいたり、
・《モックス・アンバー/Mox Amber》絡めて2ターン目に《運命の神、クローティス/Klothys, God of Destiny》を設置したり、あると嬉しい姑息な1枚です。こいつを上手に扱えれば一人前のバード・レジェンズ使いだと言ってもいいでしょう。
意外とギリギリ赤単にも強く、果敢がついていない状態の速槍をギリギリ一方取れるので、あまりおいしくない呪文の使い方をさせることができます。
こういう雑に扱えるカードが1枚入ってるととてもプレイが楽です。こいつがいるときに僧院の速槍が殴ってきたら、へ―こいつ除去るために呪文使っちゃうんだ?とほくそ笑みましょう。普通に顔に火力が飛んでくるだけなんですが。
《結ばれた者、ハラナとアレイナ/Halana and Alena, Partners》×1
各種パワー修正カードと相性が良く、0マナのクリーチャーを走らせながら飛行を止めることができます。《モックス・アンバー/Mox Amber》を絡めた2→4のジャンプでは3ターン目に《結ばれた者、ハラナとアレイナ/Halana and Alena, Partners》を出すのが最強。
《穢れの大釜、アガサ/Agatha of the Vile Cauldron》にカウンターを乗せて速攻をつけ、戦闘開始時に軽くなったアガサの起動型能力で全体にトランプルを付与するのが最高に気持ちいい1枚。クリーチャー除去の少ないミラーマッチでは最強で、生き残ったほうが勝ちます。「みんなで殴る」がバード・レジェンズの裏コンセプトなので、同じ4マナ帯である《地震土竜、アンズラグ/Anzrag, the Quake-Mole》よりも後続を生かしやすく強いシチュエーションが多いです。彼女たちが生き残ったらすぐにレジェンズやミシュラランドは手が付けられなくなるはず。貴重な到達持ちブロッカーなので大切に使いましょう。
《アガサの魂の大釜/Agatha's Soul Cauldron》×1
マジックで一番好きな一枚。1つ目の効果を読んでカードパワーを確信し、2つ目の効果を読んであまりのヤバさに驚愕、3つ目の効果を読んでおかしくなってしまってずっと1つ目の効果から読み返し続けています。
わずか2マナでありながらクリーチャーの本質を抽出し、自軍の生物たちに死んでいった者たちの魂を継承することができます。最後は+1/+1カウンターが置かれている生物すべてが異常強化され、最悪の1体を作り上げることができてしまうクリーチャーコンボの最終兵器です。
…とはいえ、実際はそううまくも行きません。アーティファクトであるこのカードは簡単に破壊され、このカードを見るや墓地は「真っ白」で対処され、そもそも乗せる先のクリーチャーがいないとせっかくの呪いも意味をなさなくなってしまいます。モダンでは超絶に危険な一枚ですが、このデッキで煮込みたい筆頭はハジャール。次点でルビー、ターグ・ナール。地味な効果なのでゆるしてください。
とはいえ、パワー4以上が重視されるこのデッキでは、場に残ったクリーチャーをインスタントタイミングで少しずつ強化していくだけでもかなり有利にゲームを進めることができます。相手によってはフェニックスやパルヘリオンを追放してデッキに大打撃を与えることも可能。このカードがアンタップ状態であるだけで相手だけプレイングがぐっと難しくなります。
元々はこのカードを使うデッキ(スタンの青単アガサの魔改造)をパイオニアで回していたところ、バード・レジェンズにたどり着くことができました。アーティファクトゆえの脆さはあるものの、数多くのカードに新たな使い方を与えた、悪魔的な魅力を持つカード。このカードをタップすることをみんなが「大釜で煮込む」と表現できるのは、いかに大釜のゲームデザインが優れているのかを示しています。
《ボーラスの壊乱者、ドムリ/Domri, Anarch of Bolas》×1
除去付きのアンセムです。基本的にはマイナスでヤバいクリーチャーを除去し、あとはマナを出し続ける任務を持っています。クリーチャーさえ処理すれば彼自身は脅威度が少ないので、結構放置されがちなプレインズウォーカーですが、パワー4以上を確保したい関係上永続的な+1/0修正は沁みわたっています。
コントロール相手に強力な+1と、ビートダウンデッキに強いー2、両方揃っていて非常に便利です。自身でマナを出せるので実質0マナなのもおいしいところ。
《ニッサの誓い/Oath of Nissa》×4
かつてのパイオニア環境において、様々なデッキの強さと安定性に大きく貢献し、また色拘束を無視し大量の3マナのプレインズウォーカーをプレイできるという好ましくないプレイパターンをつくり出していたことから、2019年11月4日の禁止改定において禁止カードに指定されていたエンチャント(原文ママ)ですが、このデッキにおいては禁止される原因となった色マナ無視の文言はインクの染みです。
バード・レジェンズにおいては伝説の呪文であることと(緑)のみのマナコストが重要。0マナで5枚デッキを掘ってうち3枚が使えるという対戦相手にとって好ましくないプレイパターンをつくり出しています。
易々と表現の反復を超える圧倒的なドロー性能を持ち,Lv3下での《ニッサの誓い/Oath of Nissa》キャストはほぼ勝ち確実と言っても過言ではありません。《精霊との融和/Commune with Spirits》と違って、土地を持ってくる信頼性が実は高くないうえ、大切なバード・クラスをデッキの下に送ってしまう事もあるため、初手に撃つことは推奨できません。土地が止まるまで手札で温存し、《バード・クラス/Bard Class》Lv2の状態で使える激強ドロースペルとして運用するのがおすすめです。ただし、サイド後の緑色のデッキに対しては《毒を選べ/Pick Your Poison》から《バード・クラス/Bard Class》を守るという重要な使命があるので、すぐキャストしましょう。
《チャンドラの誓い/Oath of Chandra》×2
見てわかる通り、このカードはあまり強くありません。ソーサリータイミングの3点火力です。ですが、生き残ると負ける《帳簿裂き/Ledger Shredder》《照光の巨匠/Illuminator Virtuoso》《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》を2ターン目に対処できる3点火力は除去としてギリギリ耐えています。メインからこういう火力があるのは嬉しいところで、この枠をなくしてしまうと、彼らにいいように蹂躙されてしまいます。
《精霊との融和/Commune with Spirits》から持ってくることができる伝説のエンチャントであるところもポイントで、《精霊との融和/Commune with Spirits》からむりやりLv3のコンボをつなげたり、融和を外してそのまま負ける確率を少しだけ下げてくれるところもおいしい1枚です。《ニッサの誓い/Oath of Nissa》がなかったらとっくにデッキから抜けているはずのカードですが、ニッサの存在がチャンドラの存在を肯定しているところはマジックのストーリー的になかなかフレーバー豊かだと考えると、なかなか0にはできません。これらが気にならないようであれば、普通に《塔の点火/Torch the Tower》の方が強い可能性は十分にあります。
後半の2点顔に飛ばす能力はよく忘れます。しっかり誘発出来て初めて一人前です(戒め)(2回目)
《精霊との融和/Commune with Spirits》×3
このデッキで最も扱いが難しいのがこの《精霊との融和/Commune with Spirits》です。初手にキャストできれば、53枚のデッキの中から4枚引いた先の未来を見て、27%の確率で《バード・クラス/Bard Class》をハンドに加えることができます。土地が1枚の時は86%もう一枚の土地を持ってきて、喜ばしい2マナをかき集めることができます!
土地かエンチャントを持ってきて、《バード・クラス/Bard Class》を2ターン目にキャストするための必須パーツ…なのですが,筆者の体感30%の確率で《精霊との融和/Commune with Spirits》は外れます。これは欲しいものが見つからない、という意味ではなく、土地もエンチャントもなく、クリーチャーや《モックス・アンバー/Mox Amber》ばかりで、1枚も手札に加えられないというセルフハンデスを示しています。
そして,アドバンテージ回復手段に乏しいバード・レジェンズは精霊との融和を完全に外し、セルフハンデスとなってしまったゲームを高確率で落としてしまいます。体感、3マリガンより《精霊との融和/Commune with Spirits》を一回完全に外した時の方が負けやすいです。《精霊との融和/Commune with Spirits》が4枚の不要牌をろ過してくれていることを願いましょう。
さらにサイドボードから大量のインスタント・ソーサリーの除去カードが積まれた後に、《精霊との融和/Commune with Spirits》のパワーは絶望的なレベルにまで低下しています。めちゃめちゃ欲しい《引き裂く流弾/Rending Volley》をデッキボトムに送り、しぶしぶタップインの《バグベアの居住地/Den of the Bugbear》を持ってくることも。
《精霊との融和/Commune with Spirits》や《ニッサの誓い/Oath of Nissa》を複数枚引いてしまい、《バード・クラス/Bard Class》もない初手はテンポが悪く負ける可能性が高いのでマリガンしましょう。
基本的に初手キャストして2枚目の土地を探したり、クロ―ティスや《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》を探しにいく目的でキャストします。ごくまれに、Lv3の途中で《ニッサの誓い/Oath of Nissa》を探しに行くこともあります。
とはいえ7割は2枚目の土地を持ってきたり、4ターン先のバードクラスを持ってきたりしておいしい思いをできたので、現在も採用していますが、忘れないでください。このカードは3割は外します。ここを減らして全て魂力ランドにすることも検討していいと思います。
《湧き出る源、ジェガンサ/Jegantha, the Wellspring》相棒
8マナ5/5バニラと呼ばれることも少なくないかわいそうな鹿ですが、このデッキのジェガンサは彼の歴史上最強です。
・伝説であり
・パワー4以上であり
・何よりデッキ外から確保できる追加アクション
と本体デッキと強力なシナジーがあるので、8マナ払って戦場に送り込む価値があります。出たら最後《致命的な一押し/Fatal Push》や火力が当たらないので場持ちもよく、バードクラスLv3の最後の着火剤として活躍することもしばしばあります。
そこら辺のジェガンサとうちのジェガンサでは重みが違います。こっちの方が1マナ軽い。相手のジェガンサに対して7マナ6/6の一回り強力なジェガンサを叩きつけましょう。
マナ・ベースに関しても少しだけ。
1《山》
2《森》
1《カープルーザンの森》
4《踏み鳴らされる地》
4《銅線の地溝》
1《バグベアの居住地》
1《ハイドラの巣》
2《落石の谷間》
3《耐え抜くもの、母聖樹》
1《反逆のるつぼ、霜剣山》
絶対に出したいマナは2ターン目の(赤)(緑)のみ。本来はデッキに土地が18枚入っていればいい計算です。緑マナ17枚、赤マナ14枚、11枚ある両方の色が出るランドのどれかを引けばほぼキープできる算段でマナベースを組んでいます。ただ、(赤)(緑)の色マナが2ターン目に出ない魂の洞窟、変わり谷、一見シナジーがありそうな英雄の公有地でさえも、2ターン目赤緑に寄与しないので、実際に回してみるとかなり厳しいです。
その代わり、伝説のクリーチャーをたくさん並べられるバード・レジェンズは魂力土地サイクルを非常にうまく使いこなします。
《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》の強さに議論の余地なく、一見このデッキへの回答である一時的封鎖や力戦の束縛を出た瞬間に叩き割ることができ、ズルゴが誘い出してブロックしに来たストーム・ジャイアントを破壊できます。土地がやっていい事ではありません。《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》は緑最強のスペルの一つです。
初手7枚が《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures》から出る緑マナ1枚であれば《ニッサの誓い/Oath of Nissa》や《精霊との融和/Commune with Spirits》頼りにギリギリキープできる可能性があります。
一般的なリストでは2枚の採用にとどまっていますが、初手の緑マナになるうえ確定アンタップインなので増量し、現在は3枚採用となっています。一枚入れれば2枚目は読まれづらいので積極的に撃ちたいカードです。4枚入れている時期もあります。3,5枚くらい欲しい。
《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》は多くのクリーチャーとシナジーがありますが、赤マナだけではキープできないのが悩みどころ。
ダメージランドは1ターン目からアンタップインできるのが長所ですが、毎ターン(赤)(緑)を使用する都合上、《バード・クラス/Bard Class》が引けなかった場合土地から4ー5点喰らってしまうパターンが多いので、最初のターンのタップインを許容し、3ターン目以降気楽にアンタップインできるスロー・ランドを2枚採用しています。
サイドボード
《引き裂く流弾/Rending Volley》×2
《塔の点火/Torch the Tower》×2
ヤバいやつらに打ちたい火力。特に言うことはありません。
《毒を選べ/Pick Your Poison》×3
最初に効果を見たときは目を疑いましたが、《血管切り裂き魔/Vein Ripper》が出た後はこのくらいないとやってられないな…と思うようになりました。《血管切り裂き魔/Vein Ripper》、二ヴ=ミゼット相手にはフル投入しましょう。現在のパイオニア環境で緑のデッキをやる理由になっている、緑最強の除去カード。いろんなデッキを見ていると、サイドに入る枚数がどんどん増えていきます。これも特に言うことはありません。バンバン撃ちましょう。
バード・レジェンズはクリーチャーデッキでありながら、このデッキで倦怠の宝珠の煽りを受けるのはイツキンス君くらい。彼には悪いですが、スピリット、ボロス召集、白単、ハサミ、探検など幅広く刺さります。異形化にもサイドインしていますが、根本的な解決にはなっていないかもしれません。
《タミヨウの保管/Tamiyo's Safekeeping》
1枚取っておくと何かと安心できるカードです。バード・クラスのLv3起動を守ったり,白行進からクローティスを守ったり。コントロールマッチで《廃墟の地/Field of Ruin》指定ミシュラランドに対して撃つとテンポを取ることが出来るので、一応択には入れておきましょう。ライフゲインがついているので、赤単相手にもサイドインし、コンバット・トリックとして使えます。黒いデッキに一度手札で腐っているところを見られるとめちゃめちゃ弱くなってしまうところが弱点です。
《燃えがら地獄/Cinderclasm》
とにかくインスタントなのがすごくうれしいです。アグロデッキ全般にサイドインしましょう。ラクドス・ミッドレンジ相手に撃つとミシュラン、寓話、税血をまとめて倒せることもあるのでわくわくしながらサイドインしたいです。
《燃えがら蔦/Cindervines》
赤緑の代表的なアンチ・スペルカードです。ちくちく1点で維持するもよし、2点の本体バーン付きの置物破壊として使うもよし。コントロール相手にはこれで培養器などを割ってフィニッシュできると気持ちいいです。3マナのバーン付き置物としても悪くありません。これもまた、ハジャールと同じくクロ―ティスを能動的に顕現解除できる1枚です。
《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》
2枚目の《燃えがら蔦/Cindervines》として採用しています。《燃えがら蔦/Cindervines》は重ね貼りにあまり意味がなく、単体で倒せるカードではありませんが、ルーリク・サーは6/6,あるいは7/7の巨大な肉であり、対処札を探していたらゲームが終わってしまう破壊力を持っています。
ネックになるのはやはり6マナという重さ。バード・クラスがあれば4マナとなり余裕で射程圏内となるサイズではありますが、ずっと手札で堂々と鎮座している悲しい展開もしばしば。
ですがひとたび戦場に出すと確実に相手のライフをかっさらってくれます。これを唱えるだけで終わるゲームも少なくありません。ズルゴが役に立たなそうなマッチアップはこの決定的なファッティを堂々サイドインして怪獣最終戦争の覇者となりましょう。2枚目の《燃えがら蔦/Cindervines》としては《魔道士封じのトカゲ/Magebane Lizard》も試しましたが、やはりルーリク・サーを叩きつける悦びには代え難く、このデッキならではのラスボスとしてサイドボードに鎮座しています。
《形成師の聖域/Shapers' Sanctuary》
1枚でできるピン除去対策。イゼット・フェニックスやラクドス・ミッドレンジに対して貼ると緑のアンリコ!…と言いたいところですが、布告除去、全体除去など抜け道も多い。とはいえ1マナのエンチャントなので、相手が焦熱の衝動などをキャストするのを躊躇してくれれば十分です。鏡割りの寓話で大量に捨てられる《致命的な一押し/Fatal Push》を見る気分は最高です。青白コントロール、赤単にも入ります。イラストがカッコいい!
《自然に帰れ/Back to Nature》
劇的に効くカードが好きなので入れています。バード・クラスも巻き込んでしまうのでは?と思われるかもしれませんが、ターゲットは《力線の束縛/Leyline Binding》。ハサミにも入れてよし、寓話・豆の木、力線をまとめてとれる二ヴ相手にはぜひ入れて、いつ撃ってやろうか楽しみに待ちましょう。
マリガン指針
「バード・クラスが来るまでマリガン」は不毛です。「2回マリガンしてもバード・クラスが来ないから負けた」というレジェンドたちに失礼な考え方になってしまいます。相手に思考囲いがあったら《バード・クラス/Bard Class》を抜かれてしまいますし、土地2ー3枚程度+2ターン目、3ターン目のよさげなカードがあったらキープしましょう。
サイドカードや除去、その場に合わせたものを求めて、2回くらいはマリガンしても大丈夫なイメージです。パイオニアはテンポ環境なので、序盤4-5ターンで失ったテンポはなかなか取り返せません。どうせ手札が1枚多かろうと失ったテンポを取り返せるわけでもないですし、マリガンしたら見違えるほど強力な初手をもらえることがあるのがこのバード・レジェンズというデッキです。
「そこそこ強力な初手」をもらえるまでマリガンするのが吉だと考えています。4積みのカードは1回マリガンすれば60%は手に入りますし、7枚ものカードを同時に見られる機会は、ゲーム中二度と来ません。
バード・クラスが初手になくても強力な手札の組み合わせはたくさん存在します。サイドカードや強力なマナ基盤を求めて、欲深くマリガンしましょう。でもただ一つだけ、土地2枚とバードクラスが来たら全部無視してキープ!!あとのことはなんとかなるなる!でOKです!なんてったってバード・クラスとシナジーのあるカードはデッキに33枚もあるので!
「バード・クラスが来るまでキープできない」ではなく、「バード・クラスあると伸びやかな気持ちで楽にキープできる」が正しいです。バード・クラスがあるのは上振れ。引けたときにうれしい気持ちを忘れないようにするのがこのデッキを気分よく回すコツです。
マリガン・ガイドは実際に引いてきた手札を例示しながら、ここにキープ理由・マリガン理由を提示しています。また、マッチアップ別にされたら嫌なプレイ、したらおおむね勝ちなプレイをいくつか書いておきました。もし握っていて勝てない、あるいは急にバード・レジェンズに勝たなければいけないタイミングがやってきた際にはご購入下さい。
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