シン・エヴァンゲリオンの感想(ネタバレ有)

 こんばんは。

 せっかく長い間追ってきた作品の最終話を観てきたので、ちょっと感想でもまとめようかなと思い、文章にしてみました。ネタバレが含まれるうえ、ネガティブな内容も多いので、爽やかな気分でエヴァを見送れた人、まだ見てない人は続きを読まない方がいいです。


 取り合えず良かったところから。

1、ちゃんと終わった。

 これで終わりです、もうエヴァンゲリオンはこの世界からなくなりました、という風に終わったのは、分かり易くて良かった。その後世界はこうなりました、ってのもちゃんと描かれていて、これでもう本当にお話はおしまいです。てのがはっきり分かった。

2、新しく登場したエヴァンゲリオンのデザインが格好良かった。

 マリが最初に乗ってた乗ってたエヴァンゲリオンの腕が非人間的な動きをする、機械のアームと人型が混ざったデザイン、地続きというか、合理性を分かり易く訴えかけてきて格好良かった。こういう発想をシリーズで見れたら面白いだろうな。

3、轟音上映で見に行ったので、銃声が腹に響いた。

 ガトリングガンの発射音がすごい良かった。巨大な人型がそのサイズに合った銃をぶっぱなしてるのを体で感じて、映画館に来てよかったと思った。

4、人物の行動や時系列について、かなり明確な示唆があった。

 カヲルくんとか。サードインパクトの時誰が何をしようとしていたかとか。分からないところもあるけど、ストーリーを理解するうえで最低限以上の描写はあった、と思う。登場人物の役割を曖昧にしなかったのは、個人的には良かったことだと思う。ちょっとズレるけど、パリに残ってた前任者のメッセージ。あれだけで、耐久時間過ぎても無理矢理爪痕残したんだなって伝わってきてジンときた。ああいう演出に弱い。

5、やっぱエヴァ初号機って格好いいよね。

 何だかんだ、エヴァ初号機が口開けて咆えるところが一番好きな人間なので。出て動くだけで嬉しい。


 好きになれなかったところ。

1、セリフが安っぽい。

 セリフはそれっぽいこと言ってるだけだなあ、と思った。ケンジの「サードインパクトで~悪いことばかりじゃない」は本当に雰囲気だけ。ちょっとした切欠であの二人くっ付いてたような気もするし、そうならなくても独力で良いパートナー見つけられそうな二人だと思っているので。シンジくんへの慰めにしても空虚。

 リツコさんは「な、なんだって!」みたいなことずっと言ってた。パターン化し過ぎて天丼みたいになってて気になった。

 初期ロットレイとその周りの会話もなんか。別におかしくはないんだけど。テンプレっぽくてキャラクターの生々しさはなかった。

2、シンジくんの扱いが酷い。

 シンジくんの扱いもまあまあ酷い。14歳の少年を子ども扱いする人が誰もいないってのも大分アレだけど。心を通わせた人が死んだり消えたりしていく中で、手を差し伸べる人が誰もいない。優しくしてくれる人はいたけど、最終的に自分で立ち上がってた。心情の変化が良く分からなかった。周りに碌な大人がいないから自分が大人にならざるを得なかった、というか。まあ、尺の都合で立ち直ったように見えた。

3、終盤の演出が幾何学的過ぎてつまらない。

 最後の方の、色々なオブジェクトについて。Qの頃からちょっと気になってたんだけど、全般的に凄みがない。物というよりデータって感じ。アニメ的ではなかった。

4、話が盛り上がらない。

 お話について。盛り上がらなかった。粛々とストーリーが進んでいった。登場人物の情動の激しい変化とかなくて、平和なシーンも緊迫感のあるシーンも同じテンションで見てました。

5、結局14歳の少年少女に世界の命運を握らせ続けていた大人の責任の所在は? という疑問

 大人の責任について。これもう本当に誰も言及しない。そういった大人達の弱み、引け目みたいなとなんもなくて、ただシンジくんをサードインパクトの原因扱いしてたのは胸糞悪かった。ミサトさんはそこそこあったか。でも、組織的にそういうことしてたんだから、せめて旧ネルフ職員の人達はなんか思うところないのか。


まとめると。

 カッコイイところもあるけど、もやもやすることも多いアニメだった。映像として見ると飽きないけど、お話としては好きになれない。

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