ゲーオ対野杁から考えるK-1の問題点

昨日、新生K-1として初めてさいたまスーパーアリーナで開催されました。

疑惑の判定となってしまったゲーオ対野杁について触れたいと思います。

どっちが優れていたかについては、一旦置いておいて、結果として野杁が新チャンピオンとなった事実は確かです。

K-1の疑惑判定は新生K-1以前から存在していました。

改めて今回の判定を受けて、K-1の採点に対する問題点があると考えています。

それは、採点基準がわかりづらいということです。

改めてK-1のルールを確認してみました。

K-1ルール第11条【採点基準】第2項を確認しました。

採点の優先順位は以下の通りのようです。

1.ダウン数

2.相手に与えたダメージの有無

3.クリーンヒット数

4.アグレッシブ度(攻撃点) ※手数と捉えれば良いと思います。

これだけだとやはり野杁が優っていた部分がわかりづらいですね。

さらに、宮田プロデューサーの総括ではゲーオは組み付きがマイナスだったとのコメントがありましたが、採点基準に全く記載されていません。


新生K-1の象徴、武尊はK-1をブームではなく、カルチャーにしたいと言っていました。その言葉を借りれば、K-1をカルチャーにするためにはもっとはっきりした採点基準が必要になるかと思います。

例えば、K-1では反則の組みつきの回数も採点基準としてみなすとか、キックよりもパンチを重視するとかはっきりさせてしまった方が良いと思います。

レフェリーのジャッジが良かったとは思いませんが、確かに昨日ゲーオの方が組みつきに対して注意を多く受けていました。仮にジャッジがそこを採点基準としたのなら、ラウンド中に原点とならなくても組みつきの少ないファイターを評価する採点基準を明確にすべきです。

また、どの攻撃をよりポイント高くとるのかもよくわからず、基本的にはキックよりもパンチで圧力をかけた方がポイントを取っているように見えますが、実際のところはどういう基準なのかわかりません。

パンチに関しては昨日は明らかにゲーオの方が上でした。

今の状態は極端な話、KOでなければいくらでも試合を操作できてしまうと感じます。ただ、日本人は自国の選手であっても贔屓されて勝ったと思うと認めない厳しい面があるので、早く基準は定めた方が競技としても良いことだと思います。

実は立ち技でこの基準が明確になっている格闘技があります。

それはムエタイです。

ムエタイはパンチよりもキックや膝蹴り、キックならローキックよりミドルキック、他には首相撲の主導権など基準がはっきりしています。K-1を見慣れたファンがムエタイの試合を見ると、パンチを何発もヒットさせた選手が負ける試合も普通にあり、驚くかもしれません。ただ、ムエタイの基準で考えると妥当なのです。だからタイ人はまずはジャブではなく、ミドルキックを蹴れと言います。

もちろんムエタイを真似してミドルキックの評価を高くするのではなく、K-1ルールにはK-1ルールならではの良さがあるので、それを前面に出す採点基準を決めてほしいものです。


最後に、一夜明け会見で野杁ももちろんインタビューを受け、早くも動画がYouTubeに上がっていましたが、低評価の数が圧倒的に上回っていました。

今回の結果に関しては、確かにゲーオが勝ったと思います。解説席の魔裟斗、会場の佐藤嘉洋、グレイシャア亜紀もゲーオが勝ったと見ており、素人、プロ問わずゲーオが勝ったという声が大半であることは事実です。

判定に関して、非難の声があるのはしょうがないことなのかもしれませんが、その声が野杁本人に向かないでほしいと思います。


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