K-1が発展したことで生じていること

昨日K-1ウェルター級チャンピオンの久保優太がベルトを返上し、ボクシングに転向し、オリンピックと世界王者を目指すことが発表されました。

最近のK-1で気になることが出てきています。

それはK-1のトップファイターがK-1という箱に収まらなくなってきているという点です。

新生K-1は100年続くK-1を目標にK-1の中での物語を展開してきました。

ファンからは鎖国と言われ避難されることも多い独占契約ですが、その一方選手のプロモーションも地道に真面目に行ってきて、王者でなくても高い人気、知名度を持つ選手もいます。

ある意味これはWin-Winの関係でした。

しかし、冒頭の久保優太のボクシング参戦以外にも平本蓮がゲーオに勝ったのを最後にK-1を離脱し、今はMMAに専念、将来はUFCの王者を目指すと言っていたり、木村ミノルはスーパーウェルター級チャンピオンとなった後に自らK-1のこの階級は世界最強ではないことをyoutubeで公言したり、皇治はK-1の外にいる世界最強と言われる選手をK-1に持って帰ると宣言して団体を出ています。

そして新生K-1の大エース武尊も5年前から対戦を熱望される他団体にいるあの男と闘いたい気持ちを隠しません。

さらに他のK-1ファイタもあの対決がもし実現したらという予想を公にしたり、大岩達矢は本人の目の前で実名を出して対戦が見たいと言いました。

これまでK-1はK-1の登場人物だけで回す格闘技でその外にいる選手は一切関係ないという世界観が守られてきたK-1ですが、ここに来て内部から外の世界を見たい、あるいは見に行こうとする動きが見えてきました。

なぜこんな事が起きているのか考えてみました。

そこで感じたのがK-1トップファイターは個々で違いがあるにせよ次のステップに進む時期が来たのではないかということです。

今思えば新生K-1旗揚げ興行の時期に闘っていた選手たちがデビューした時は格闘技は本当に食えないスポーツでした。

今でも格闘技一本で生活するのは難しいことですが、同じK-1チャンピオンでも新生K-1発足直後と今では見た限り生活はぜんぜん違うように見えます。

例えば武尊は新生K-1スーパーバンタム級チャンピオンになった2015年の夏にフジテレビに密着されています。

そこで当時住んでいた家の中に入るシーンがありました。

当時武尊が住んでいたマンションはワンルームで大学生が住むような家でした。

今住んでいる家は本人のyoutubeにも出ていましたが、そこらへんのサラリーマンでは住めないような家だったので結構稼いでいるんだろうなと思います。

他にも卜部功也は自分でジムを出したり、木村ミノルも彼女と高そうな料理を食べている様子がInstagramに投稿されていました。

新生K-1が発足した当時、格闘技一本で生活することがまず第一の目標でそこを実現させるのも相当大変なことであったと思います。

そこからK-1、格闘技業界が段々大きくなってきて当初の目的を達した選手はそこそこ多くなってきていると思います。

そうなると新しい挑戦、上の舞台を目指すというのはファイターの本能として当然なのかもしれません。

これまでK-1はファイターが試合をして生活できる状況を作ればよかったのが、トップファイターはもうそれでは満足できなくなってきているのではないかと思います。

私は新生K-1の鎖国体制とも呼ばれる独占契約はむしろ肯定的でした。しかしファイター側がもっと世界に出たい、世界的な富と名誉がほしいとなると今のK-1がそれを提供するのは難しいと思います。しかも違約金を提示したところで皇治のように別に払ったるよという選手が今後どんどん増える可能性もあります。

今すぐ門戸を開いてRISEやRIZINと交流しなさいとは言いませんが、Twitterにクソリプ送ってくるアンチよりもむしろ内部の選手の満足度を満たせない事が続くほうが今後のK-1にとっては危険なことであると考えています。

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