新生K-1初の福岡大会を見た感想

先日の新生K-1福岡大会は旅行に行っていたこともあり、生で見ていませんでした。

また、メインどころは大体見ましたが、全試合は見ていません。

そんな中で気になった2試合について言及しようと思います。

まずは大岩龍矢対朝久裕貴です。

この試合を見て真っ先に感じたことはジムの移籍までは行かなくても大岩は他のジムで練習することを検討してもいいのではないかということです。

これまで小澤海斗や皇治、レオナ・ペタスなどに敗れてはいるものの際どい判定や中には大岩が勝っていたという意見もあるなどただでは負けない大岩が今回はジャッジが3者とも30-27の完敗でした。

大岩の持ち味といえば武尊も評価するフィジカルの強さと右のパンチになると思います。

確かにどの試合も前に出て、右のパンチを狙うスタイルで自分の長所を理解した戦い方だと思います。

もちろん大岩だけでなく、彼を一番良く知っているKRESTの関係者もこの戦い方がベストだということで作戦を練っているのでしょう。

ただ、今回の試合でこのスタイルでは限界を見たというか、他の可能性もあるのではないかと考えたほうが良いと感じました。

というのも解説の魔裟斗が1ラウンドに朝久の方がインローの手数は多いが、大岩の方が良いインローを蹴っていると言っていました。

しかし、2ラウンド以降あまりインローを蹴ることはなく、右の空振りが目立ちました。

もう一度いいますが大岩自身もKRESTのセコンド陣も彼の長所を知った上でどう戦うか考えています。

ただこの試合では今のスタイルの限界とインローなど彼のまだ出てきていない彼自身も気づいていない武器があるのかもしれないことがわかりました。

これは他のジムに行って他の人に一度見てもらったらすぐに新しい武器が見つかれかもしれないし、幅が広がりそうな気もします。

同じKRESTの林健太がムエタイのジムにも通いだして強くなったように大岩も覚醒するかもしれません。

これまで見た感じでは大岩はKrushの王者クラスの実力はあり、あとほんの少しのスパイスで王者になれる実力はあると思いますので覚醒した大岩龍也が見てみたいと思いました。

次に気になった試合はKANA対壽美です。

この試合はどう考えてもKANAの試合で日本人が相手になるわけ無いと思っていました。

最近、RISEの女子トーナメントやぱんちゃんなるものが出てきていますが、日本人女子の立ち技ではKANAが圧倒的パウンド・フォー・パウンドで格が違うというのが私の評価でした。

しかし、終始ペースを壽美に握られたままKANAは敗れてしまいました。

構えや攻撃の撃ち方などKANAの方がどう見ても強いように見えましたが、壽美はジム一丸となってKANA対策を練ってきていたように思えます。

KANAも練習をサボったわけではないでしょうが、自分が強くなる練習しかしていなかったのではないかなと思います。

いくら強くても対戦相手に合わせた練習は必要なんだなとこの試合で改めて感じました。

今思えば魔娑斗は現役時代の終盤、練習は1日2時間であとは相手の映像を見て研究していると言っているし、メイウェザーは相手の人間関係まで調べるとどこかの記事で見たような気がします。

この二人と並べて挙げていいかは置いておいて朝倉未来も1日2時間の練習であとは相手の研究に時間を費やしておりそっちのが大切とまで言っています。

おそらくこの二人は来年の3月に再戦が組まれ、それはタイトルマッチになるでしょう。

その時KANAが今回距離を完全に支配された相手に対し、どういう対策を練ってくるのか非常に楽しみです。

また、この試合後にグレイシャア亜紀と紅絹がKANAと長く話していました。

その様子は相手のジムの選手に試合のお礼を言っている様子ではなく、負けた選手を励ましているようにも見えました。

今回壽美のセコンドにはその二人に加え、KNOCKOUTやRISEで活躍する小林愛三もいました。

女子キックの新旧オールスターのような面々がセコンドについて壽美はKANAに立ち向かったわけです。

グレイシャアと紅絹は実際にKANAと戦ったこともあるし、K-1女子、いや女子キックボクシングをここ数年牽引してきたKANAに対する尊敬の念があったのだろうと思います。

Twitterで女子格闘技がどうのこうのとか試合後に対戦相手と仲良くノーサイド的な写真をあげるよりもこういう光景の方が心に響くものがあります。

今回は壽美だけでなく、ジム一丸となって立ち向かってきたネクストレベル渋谷にKANAは敗れましたが、次回どういう戦いをするのかどう攻略しようとするのか楽しみです。


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