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邪神生活

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ニャルラトテップになった人間の小話
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2018年3月の記事一覧

あやふやな心臓

 生前より、結婚に憧れがあった類の人間ではなかった。  そもそも結婚は書類上の契約であり…

ごま
6年前

さびしさをしかくにして

※【仰ぎ見る遡行】のネタバレ有り これは罰だと、おれはそう思う。 遊びだと言って、彼女ら…

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ごま
6年前

擬人類の恋人

 小さく揺らめく蝋燭の向こうに、その姿はあった。それは僕一人のときにしか現れない影であり…

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ごま
6年前

帰巣

元気だった?と声をかけて、肩の袈裟がずるりと落ちる様子があまりにもチープでおれは思わず笑…

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ごま
6年前

あとのまつり

タンサクシャの二次創作です。実際の登場人物とは一切関係ありません。 ※【仰ぎ見る遡行】ネ…

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ごま
6年前

砂糖味の珈琲

皆方探偵事務所の朝は早い。 いや、早いのは所長が早く来るからであって本来事務所はそんな朝…

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ごま
6年前

ホットケーキの夜に

 今日も世界は平和だ。平和すぎるくらいに平和。邪神が世界を滅ぼそうと各略する気配もなければ、狂信者が魔王を呼び出そうとすることもない。目的の為に人は死んでいく過程はあれど、それは日常の中。日常の中で、おれは人間のような暮らしを続けている。たとえば、部屋の電気代を気にして暗闇の中に佇む、とか。カッコイイ言い方しても部屋の隅に置かれているベッドの上でじっとしているということには変わりない。  こんなはずではなかったと思う。おれは一度死んで、新しい概念としてシステムの一部になった

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