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ごま
2020年1月20日 16:20
セレファイスに魔術師がやってきたのは、数年前のことだ。恒久の日々を過ごすセレファイスの人々にとって「変化」というものが起こったのはいつぶりだっただろうか。なぜなら変化のない永遠がそこにあり、人々は不死であり、時間による劣化はないからだ。セレファイスには時間の概念は存在しない。日は昇って沈み、夜がきて朝がくることはあるが、それに意味はないからだ。時間とは変化のことである。だからこそ、その場所に訪
2020年1月21日 16:17
「チカちゃん。これ」ヒデタカが取り出したのは一抱えする程大きな本で、表紙にはオオス=ナルガイ周辺地域の生態系が書かれている、という旨の文字が載っていた。ぱらりと開いてみると古びた紙とインクの匂いが鼻についた。随分古い本なのだろう、のどの部分から今にも取れてしまいそうなほどなのに、しかし見えない糸でくっついているようで壊れはしない。この状態のまま時間が止まっているようだったが、セレファイスではもは